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#アフリカ縦断
第10話 【1カ国目エジプト⑩】バクシーシ「アフリカンジャーニー〜世界一周備忘録(小説)〜」
「バクシーシの姿がやたら目につく―」
エチオピアへのフライトのために二週間弱ぶりに戻って来たカイロ。
初めて降り立ったときとは少し違う世界を感じている僕がいた。
久しぶりのカイロ「Welcome back」
僕は二週間弱振りにカイロに戻り、最初の宿とした「ベニス細川家」に再びチェックインしていた。
ベニス細川家のスタッフの「おかえりなさい」という言葉にどこか安心感を覚えている自分がいる。
第9話 【1カ国目エジプト⑨】ルクソール-アスワン「アフリカンジャーニー〜世界一周備忘録(小説)〜」
「旅は道連れだ―」
昨日出会ったばかりのジュンさんが何気なく発したその言葉が、やけに胸に響いてくる。
カイロから700m程離れたアスワンで、僕ら3人はアディスアベバ(エチオピア)行の航空券を予約していた。
怖すぎたギザの街「ガルガルゥゥ!ギャンギャン!」
陽が完全に落ちたギザの真っ暗な細道を歩いていると、若い犬使いが黒い番犬を僕にけしかけてきた。
犬使いが発する「アギアギ」という呼びかけ
第8話 【1カ国目エジプト⑧】ピラミッド前の物語「アフリカンジャーニー〜世界一周備忘録(小説)〜」
「タケさん。僕ね。決断したときが"自分を一番変えたような気がする"んですよ。」
僕たち二人は物語をしながら、「トマンホテル」の屋上でギザの風に吹かれていた。
目の前にはピラミッドがゆっくりと存在している。
既に話し始めて3時間は経過していただろう。
二人の会話はこれからもどこかで生きていくようなきがしていた―
もう一度ピラミッドの前へボッタクリにチップ要求、そして頼んでもいないパピルスの
第7話 【1カ国目エジプト⑦】ピラミッドと精神的コスト「アフリカンジャーニー〜世界一周備忘録(小説)〜」
「まじで疲れた。もう二度とピラミッドを見たくない―」
初めて見るピラミッドに心が踊ったのも束の間。
僕は、歪んだピラミッドを背に帰路を急いでいた。
ラクダに跨ってしまった…「よし、ツアープランを3つ紹介するから選んでくれ。」
僕はラクダに跨り3m弱程高い位置から、地面に立つツアーガイドのプラン説明を苦い気持ちで聞いている―
エジプト考古博物館に行った翌日に、「ギザの三大ピラミッド」を見る
第6話 【1カ国目エジプト⑥】ツタンカーメンと初の日本人「アフリカンジャーニー〜世界一周備忘録(小説)〜」
「いやー僕、何も調べてなくてよくわかんないんですよねー」
エジプトからアフリカを50万円で南下すると言い、九州からやって来た少年。
少年らしいあどけなさが残る25歳の男に、初対面ながら親しみを感じている。
エジプトに来て4日目。初めて日本人と出会った―
ツタンカーメンとブチギレおっさん出ては戻ってを既に3回は繰り返しただろうか。
エジプト考古博物館のツタンカーメン専用展示室を僕は年甲斐も
第5話 【1カ国目エジプト⑤】ナイル川と詐欺師「アフリカンジャーニー〜世界一周備忘録(小説)〜」
「日本語勉強したいから、無料で案内するよ―」
流暢な日本語で話しかけてくる、ぼろぼろな服を着た50代の男が僕の手を引いて行く。
またしても、僕は―
最初の食事と優しいおっちゃん「腹減ったな。エジプト最初の食事でもするか」
時刻は14時前。
カイロの目覚めと共に深い眠りに落ちていた僕は、4時間ほどの眠りから目覚め空腹を感じていた。
前日の22時に機内食を食べてから同部屋のインド人がくれた
第4話 【1カ国目エジプト④】ベニス細川家「アフリカンジャーニー〜世界一周備忘録(小説)〜」
「ここは戦場なのか。熱気にやられそうだ―」
僕はタクシードライバーに連れてきてもらった宿の最寄り駅に降り立った。
見知らぬエジプトの雑踏に今にも飲み込まれてしまうのではないかという恐怖に心が侵食されるような気がしていた―
本当の最寄り駅まで辿り着け「お前はアラビックか?」
明らかなぼったくりでふっかけてきはしたが、僕に空港脱出という希望を与えてくれたタクシードライバーが荒い運転をしながら後