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能ある若者はヘソを出す

「若い女の子が、ヘソ出しのニットで歩いていたんだよね」
目の前を歩いている男が、そう話し始めた。それから彼は、「身体を温めたいのか、冷やしたいのか、何をしたいのか全くわからない」と続けた。

私は、ヘソ出しの彼女は恐らく、身体を冷やしたいからヘソを出しているのではない、と思って聞いていた。温めたいとか冷やしたいとか、そんな単純な問題ではないのだ。では何故、彼女らはヘソを出すのだろうか。

実際、以前は私も、不思議で仕方なかった。敢えて急所を晒し、身体が冷えやすい状態で外を出歩くなど、馬鹿なのでは、とすら思っていた。しかし、ほんとうは、その、全く逆なのである。
この問題について、ヘソ出しスタイルを一度もしたことがない私が、代わって説明しようと思う。

人間は、進化と共に圧倒的知能を獲得した。他の動物との間には歴然とした差があり、それは火を見るよりも明らかだ。

ヒトは、牙も毒も持っていない。しかし、自分よりも凶暴な動物や、毒を持つ生物をも、その知力を以ってすれば簡単に殺すことができるのだ。人間は、完全に知能に振り切った生き物なのである。更に、先人からの学びを得ることができるので、もはやその知能はとどまることを知らない。
最近はもう、頭が良すぎて、殺すどころか、一周回って、少なくなってしまった種を守り始めている。他の生物で、こんなことをするものが、他にいるだろうか。

そして、本来生物の最大の目的といえば、種を途絶えさせないこと、すなわち、子孫を残すことである。しかし最近では、結婚しない人、子供を持たない人、同性同士のカップルも、ごく自然に存在する。
このように、人間は、知能がありすぎるが故、生物学上不自然、もしくは無意味と思われる行動をするのである。

ダイエットやバンジージャンプ、娯楽としての登山などは、その典型的な例である。
(ちなみに、富士山に登りたい、と思う集団と、そうでない集団では、前者の方が知能レベルが高いという研究結果もあるそうだ)
そもそも、娯楽をもつ、というのが、知性が高い生き物にしかできないことである。遊んで楽しんだり、ものを作ったり、新しい発見をしたりできるのは、知性があるが故のことなのだ。

つまり、ヘソを出すスタイルは、一見お腹を冷やして馬鹿のように見えるが、これこそが知性の表れなのである。また、整った環境や、治安の良さもアピールするスタイルとも言える。これは、ヒトの進化が生み出した産物であり、人間が、頭が良すぎる結果なのである。
なので、「うわあああ知性がすげえ!」というのが正しい反応であり、「馬鹿だな」というのは、人間の進化を否定することと同義なのである。


暖かくなり、知性をアピールをする女性が増加してきた。

私もダイエットをして、山に登ろう。
頭が良くてよかった。生きることは楽しい。

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