実は、私はこれまで、過去に戻りたいと思ったことは一度もない。というよりむしろ、その時の自分ができる最善の選択肢を取ってきたはずなのだから、それが間違っていたり、怠惰だったとしても、やはりそうなってしまう、と思っている。 となれば2回同じことをするのは面倒な気がする。みんなで一緒に初めて見に来た映画を、実は2回目なのに1回目の顔をするもどかしさのようなものを、少なからず感じそうである。 ところで、果物が好きである。 先日、ご飯を食べ終わった後に、どうしても梨が食べたくなった
土曜日の夜である。 あーあ、明日も土曜だったらなー。と、10年前、週休2日が始まった瞬間に思ったことと同じことを、いまだに考えている。もはや一貫性がすごい。大抵のことは三日坊主なのに、この、バカみたいな思考だけが続いている。 先日、旅行先のうどん屋で、机にお茶のポットが置いてあった。あの、おばあちゃん家にあった、花の柄があしらわれている、魔法瓶のポットだ。 ちなみに、私の祖母の家に魔法瓶のポットがあったわけではない。この「おばあちゃん家」は、非常に概念的なものなのである。
日曜の夜である。 日曜の夜を健全に過ごすためのコツは、「日曜の夜である」などと決して思わないことである。 日曜の夜は、ふけていけばふけていくほど、人々の煩悩が増え、ありもしない心配事や、漠然とした不安などが頭をよぎりまくり、実際にはなにも起きていないにも関わらず、その実態のないストレスが、精神をじりじりと炙り殺してくるのだ。 そのため、日曜の夜は、すべての曜日のなかでもっとも暗いと言われており、外を歩く際は注意が必要である。 そういえば先日、道に、ちいさくて、もふもふし
新幹線で「座席倒していいですか〜」ってやろうとしてこれになって左目から涙止まらんくなったむり
ここ最近、不穏なことばかり起きている。 推しが燃えて活動休止し、仲良くしていた友人が4年付き合っていた恋人と圧倒的破局をし(単なる破局とは言えないほど、あまりにも唐突で、強引な、厳しい破局だった)、幼馴染の夫が悪魔に魂を売って家庭崩壊を起こし、ゲリラ豪雨は日々繰り返され、とうとう今朝、夢のなかで兄が逮捕された。 推しに関わるSNSの荒れようは、それは凄まじく、自分に向けられた言葉でもないのに心を痛めて普通に泣いた。 失恋した友人の話を聞いて心底憤慨し、幼馴染の話を聞いてま
憂鬱である。雨も、仕事も、混雑した山手線も、何もかも憂鬱である。東京の電車は、休日でも通勤ラッシュのように混んでいるし、かといって、本物の通勤ラッシュ時の混雑を目の当たりにすると、「こ、これがホンモノか…」と、圧倒されるほどギッチギチに混んでいる。これは、夢のなかの夢で目覚め、現実だと思っていた夢から、さらに目覚めたときに、ほんとうの現実を思い知る感覚に似ている。 東京の電車が混雑していることは、会社にいるときも、休みのときも、家にいようが、旅行に出ようが、私の思考をむしばん
日曜の午後である。 日曜の午前中は、すべての午前中のなかでも最も短い。そのため、ここ最近特に、日曜の午後は、「もう午後か」と思う人の人口が急増し、現代では社会問題として取り上げられているほどである。 例に漏れず、本日の私も、起床の段階で既に午前中は残り1時間を切っており、録画していたバラエティ番組などをぼんやりと視聴していたら、既に午後になっていた。 時間の経過が早すぎる休日の対策として、私はパンケーキを焼くことにしている。 え!?パンケーキをひとりで午後に焼いてもいい
「どう?東京には慣れた?」 東京都内に住み始めて3ヶ月が過ぎて、そんなことをよく聞かれるようになった。 正直言って、東京は変な街である。 こんなことを言ったら、東京アンチ撲滅運動過激派ガチ恋勢によって私の住所が特定され、東京を追放させることになり、なんやかんやで佐賀の沿岸で住み込みで海苔の養殖を手伝うことになり、結果的に毎朝法外な時間に起こされるんじゃないですか?と、私の身を案じてくれた人もいるだろう。 しかし、そのような心配は無用なのだ。何故なら、東京都内に東京ガチ恋
実は、久しぶりの投稿である。 しばらく記事を書いていなかった理由は、「ここ最近忙しくて」だとか、「書きたいこともないし気分が乗らなくて」とか、そういう理由ではなく、なんと、ただの怠惰によるものなのである。 一般的に、怠惰には摩擦が少ないので、慣性の法則が強く働き、「怠惰でいよう」などと思わずとも、ただ身を任せているだけで、おのずと怠惰な時間を過ごすように、システムづけられている。 そうやって、なんとなしに、月が徐々に地球から遠ざかるように無意識的に、記事を書くことから遠ざ
また、雨が降り始めた。少し前まで晴れの日が多かったのに、ここのところ長雨が続いている。 私は基本的に雨が嫌いなので、雨が降っていると憂鬱な気持ちになる。 もちろん、雨の重要な役割については、じゅうぶん理解しているつもりではある。 生命に必要な水を与えるだけでなく、空気中のちりなどを洗い流す効果もある。このため、乾季が続く地域では、空気汚染が深刻な問題になるという。 こんなにも重要な役割を果たす雨のことを、何故嫌いと言い切ってしまえるのか、自分なりに理由を考えてみたところ、
今からちょうど1年ほど前に、私は、あることに気付いた。それは、年々、明らかに時の流れが早まっている、ということである。しかも、これはどうやら、私だけが感じていることではないようなのである。 これについては以前記事でも書いたことがあるのだが、この現象には「ジャネーの法則」という名前までついている。 もしかしたら、今この記事を読んで、初めてジャネーの法則を知った、という人もいたかもしれない。今までこの法則を知らなかった人は、このまま1年がだんだん短くなっていって、明日には来年
金曜の夜だ。 土日休みの民にとって、金曜の夜はいつだって愛おしいものである。金曜の夜が、毎週くるというのは、実に贅沢なことだ。 そもそも、金曜日は、そのネーミングからして、見るからに価値がありそうな曜日である。もともと、1週間の曜日の名前はそれぞれ、太陽系の惑星の名前にちなんだものになっている。そのなかで金曜日は、金星という星の名前からきているのだ。金星は、太陽系のなかで最も地球に似た惑星と言われており、ただでさえ価値がありそうなのに、ここで更に親近感がプラスされた。これ
みなさんは、2023年に立てた目標を達成できただろうか。 いくつも目標を立てた人、ひとつの大きな目標を立てた人、現状維持や健康を目標にした人もいただろう。 かくいう私も、2023年の年初め、たったひとつだけ目標を立てた。 それは、「パスポートを取得する」というものだ。 海外に行く予定があるわけではないが、とにかくパスポートが欲しかった。これに関しては1年前に記事を書いているので、理由が気になった稀有な人がいれば、読んでみてもよいだろう。 この目標の達成基準は明らかで、手
最近、ようやく冬らしい寒さになってきた。 日本人は天気の話をよくする、と言われているが、私も例に漏れず、天気の話をする。ネットの検索欄に「天気の話」と打つと、「つまらない」と出てくるので、これを読んでいるあなたは、既に私のことを、つまんない奴だ、と思っているだろう。ヤフコメの民など治安の悪い界隈の人間に、この記事が見つかったら、アンチコメントを送ってくるにちがいない。しかし、私は、しないほうがいい、だとか、つまらない、とか言われていても天気の話をする。薄っぺらい話と揶揄され
2月に異動することになった。 それに際して本日、次期上司との1度目の面談が行われた。 「まず、うちの会社に入った経緯から、教えてもらえますか?」 歳で言うと2個上の、次期から上司となる先輩に、パソコン越しに入社面接のような質問をされて、面食らった。 わたなべさん(仮名)は、見た目は優しいが、発言は鋭く、いつも本質を見る目をしていて、なんだか緊張してしまう。 「うちの会社での成功体験ってありますか」 わたなべさんは相変わらずにこにこしている。私は、入社してこれまでに、なに
月曜日、朝からソワソワして、その時を待ちわびていた。 19時。19時に好きな芸人のイベント券付きDVDの予約が開始するのだ。 その枠は狭く、先着100名。 5分前にアラームをかけたものの、30分前には既にサイトにログインし、いつでもアクセスできるようにスタンバっていた。 それが良くなかったのだ。 19時になってもうまくページがリロードできず、商品ページに商品が現れない。なぜだ?どこに商品が現れるんだ?どうすればいいんだ?これか?え?なに?どれ?これ?? 結局、なんだか