最近流行の病気の原因、「微生物の生態系の乱れ」かもしれませんよ
私たちは、人間として1人で生きていると思っています。けれども、「それは違うんじゃないのかな?」と、別な視点をくれるのが、この本です。
これを読めば、
花粉症
Ⅰ型糖尿病
多発性硬化症
自閉症
アトピー性皮膚炎
ぜん息
アレルギー
こんな病気の原因が、分かるかもしれませんよ。
あなたの体は、9割が細菌
まず、「9割が細菌」の意味を説明しますね。
細胞数は、「共生微生物が9割」「ヒトが1割」なのです。
さらに、
ヒトが持っている遺伝子って、とても少ないのですよ。
これだけしか遺伝子がなくても生きていけるのは、一緒に暮らしている「マイクロバイオータ」と呼ばれる共生微生物の遺伝子が440万個あるから。
見方を変えれば、「あなたの体は、9割5分が細菌」なのです。
「マイクロバイオータって、どんなことをしているの?」って思いますよね。では、マイクロバイオータの働きを、詳しくご紹介します。
ビタミン、ホルモン、酵素の合成
人には、いろんなマイクロバイオータが棲みつき、私たちが生きるのを手助けしています。
たとえば「必須ビタミン」「ホルモン」「酵素」。
人がマイクロバイオータに「外注」して、作ってもらっています。
体重の調整
マイクロバイオータが働くには、「エサ」が必要ですよね。つまり、私たちが食べたものが「エサ」となります。
……ということは、「食べた分、太る」というのは、間違いじゃないですか?だって、「腸内微生物のエサ分」が入っていませんよ。
この問題に、真剣に取り組んだ研究者がいます。
肥満マウスは2%多く、エサからカロリーを吸収していたそうです。
なので、マスコミが報道する「栄養学」を丸呑みするのは、危険ですよ。
マイクロバイオータを見ないと、「太る原因」は見えてきません。
遅発性自閉症のきっかけに
ある時期に「抗生物質」を徹底的に使うと、マイクロバイオータが混乱し、いろんな病気の原因になるかもしれませんよ。
その1つが「遅発性自閉症」
アンドルーは、生後15か月の時、耳の感染症を治療するため、抗生物質の投与を受けました。
アンドルーの母であるエレンは必死に勉強し、「抗生物質でマイクロバイオータが乱れ、破傷風菌に感染。その神経毒素が迷走神経をとおって腸から脳に到達して、アンドルーのふるまいを変えたのでは」という仮説を立てました。
協力してくれる医師を見つけ、アンドルーに破傷風菌に効く抗生物質を投与した結果、
抗生物質をやめると、振る舞いが戻ってしまうようですが、「自閉症と腸内細菌の関係」の深さを示すのには、十分ですよね。
21世紀病の原因は、マイクロバイオータの乱れ?
自閉症のほかにも、
食物アレルギー
アトピー性皮膚炎
ぜん息
皮膚アレルギー
1型糖尿病
多発性硬化症
乾癬
クローン病
潰瘍性大腸炎
狼瘡
肥満
にきび
……1950年以降に増えた病気や、西洋化されていない地域では見られない病気には、「マイクロバイオータの乱れ」が関係しているかもしれません。
農薬にも、殺菌剤が含まれる
マイクロバイオータを乱すのは、抗生物質だけではありません。農薬にも「殺菌剤」があります。
バイエルに買収されたモンサントが販売している「ラウンドアップ」。
ラウンドアップの有効成分「グリホサート」は、生合成反応経路「シキミ酸経路」が正常に働くのを邪魔します。この経路は植物が生きていくのに必要なモノ。だから、草がすぐ枯れてしまうのです。
「安全です」とメーカーは言います。
しかし、人間にはマイクロバイオータがいます。こういう微生物の中には、シキミ酸経路でエネルギーを得ているものも。
得ていない微生物もいますよ。代表例が「カビ類」「ボツリヌス菌」「サルモネラ菌」。
アメリカで、2023年に一般家庭には販売停止になるラウンドアップですが、日本では普通に売られていますよ。
……これが安全かどうかは、「使う人」が判断してください。
危険だけど、販売されている殺菌剤も
250ページに名指しで登場する「トリクロサン」は、アメリカでは使用禁止ですが、日本では販売されています。
残念ながら日本は、企業に有利な社会。本当の情報は、頑張って探さないと出てきません。
この本には、
マイクロバイオータを乱している、意外な行動
健全なマイクロバイオータを維持するために出来る事
マイクロバイオータを修復するためには?
こういうことが、書かれています。
400ページ以上あるのですが、正しい情報を得たい方には、一読をおススメします。
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