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ふたつの春に

今年は日本の春を堪能できました。

若い頃は桜ばかりに目がいっていましたが、今年の春は多くの梅も愛でることができ、ひっそりと静かに咲く梅に心惹かれました。


誰をまつ
ヒカリは滲む
その香のなかに


ドイツに戻って来ても遅い春の訪れにゆらゆらとたゆたう様に過ごしています。

この辺りには想像する以上に山桜が多い。
山桜というのは花弁が小さく、ほぼ真っ白な背の高いところに咲く桜で、原始的な感じがします。
うちの庭にもあって、今ゆっくりと咲き始めたところです。
残念ながら我が家は違うけど、ちゃんとサクランボがなる木も多くって、幼い頃に憧れたサクランボのなる桜を身近に見れるのは、今でもワクワクします。

少しずつ咲き始めた庭の山桜
末っ子は今年初めてこれが桜だと知って驚いていた


遅いドイツの春を彩るのは木蓮です。
ハクモクレン(白木蓮)シモクレン(紫木蓮)...

Ditoさんの記事で初めて木蓮にも種類があると知りました。

ひと目を引くほど大きなマグノリアの木
和名:更紗木蓮

好きな木蓮はこの二つの交雑種であるサラサモクレン(更紗木蓮)で、末っ子が「サクラみたいだね」と言った様に別名サクラモクレンとも名付けられているそうです。

若い頃は花の名前などトンと無頓着でしたが、最近は知らなかった名前を知ると、周囲の人にねぇねぇ知ってる?と、つい聞かれもしないのに教えて回りたくなります。

ついでに泰山木たいさんぼくの英語名が、
『エバーグリーン・マグノリア』だったことを知って感激でした。
地元に泰山木が街路樹で植えられている通りがあって、幼いころ泰山木の実がパイプの様に見えて楽しく拾った事をついこの前のことみたいに思い出したりします。

対象は同じなのに名前が違うと、全く異なった印象を抱きがちです。だから昔、木蓮がマグノリアだったことを知った時も驚きました。

学名のMagnoliaは、18世紀のフランス、モンペリエの植物学教授 “Magnol ”さんの名前にちなむのだそう

今、こちらはイースター休暇でお休み中です。子供達が通う補習校は次の土曜日には新学期が始まります。

中2、小6、小4になる子供達。

長女が年少組から通い始めて、足かけ10年になります。
10年前、補習校の前に立った時に「ここにこれから何年通うんだろう...?」と考えて、もしお腹にいるこの子(次男)が高校卒業まで通ったら、、18年間!?
と、その未来の遠さに眩暈がしそうでした。

それなのに気づけばその半分をすでに超えた事になります。そしてこのタイミングで5月から副理事になる事になりました。

補習校は父兄がボランティアで運営して成り立っていますが、理事会の仕事はボランティアの枠を超えたかなり疲弊する仕事が山盛りなのです。
毎回その役目を負う人材が不足していて、特にコロナによる学校閉鎖で「大変」のイメージがいよいよ定着してしまいました。

そんな中で決心がつくまで時間がかかりました。

実は去年、選ばれかけたのですがとてもそんな大役できる精神状態ではなかった。
運営に直に関わる委員を3年していた時は、家庭の修羅場騒動とモロに被さり、空いた部屋で泣いてから仕事をした時もありました。
そんな訳ないと頭では解っていましたが、補習校の様々な家庭のひとたち皆幸せそうに見えて自分はなんでこんな事になっているのだろう...と途方に暮れました。

そんな頃から比べたら、今は驚くくらい全く違う風景の中に居る様に感じます。昨年から今までゆっくりと心が安定し、満たされる時間を持つ事ができたからだと思います。

「きっと今なら大丈夫...」と不安ながらも副理事という大役を引き受ける事にしました。

副理事は調整役で、内部の仕事や人間関係に関する仕事が主、講師の先生方とのやり取りや、父兄とのやり取りが膨大にあるそうです。

全然ちゃんとしていないのに、一見そんな風に対外的見えているのが私という人間な様です。。

化けの皮が剥がれない様に、猫を何匹も背負う必要がありそうで、不安以外ありませんが、
「山より大きい猪はおらん」という亡き祖父の名言を胸に挑戦してみようと思っています。

心とけ
ゆれて重なる 
面影を
待つはいとしき
春は巡らん





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