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“良い売り上げ”と“悪い売り上げ”の違い
「40’s Biz talk」は法人営業やBtoBマーケティングが専門の40代男性2人、杉本浩一と柳澤大介がお届けするポッドキャスト番組。
音声番組の内容を読みやすく要約してnoteでお届けしています。第6回目は「“良い売り上げ”と“悪い売り上げ”の違い」です。
サマリー
・売り上げは「良い売り上げ」と「悪い売り上げ」に区別できる
・良い売り上げは顧客に価値提供できるからずっと継続する
・悪い売り上げは新規獲得のためにコストをかけ続けるもの
それでは、本編の内容をお届けします。
良い売り上げと悪い売り上げの差
杉本:昨日ね、イベントのお手伝いをしていたんです。どちらかと言えば経営者とかマーケター向けのイベントだったんですけれども。
そこで話題に出たのが「売り上げ」ってあるじゃないですか。マーケターや経営者は売り上げは大事だから見るし、利益も大事だから見るんだけれども。 その登壇者の方が言うにはね、良い売り上げと悪い売り上げっていうのを経営者はあまり区別しようとしてないっていう話があって。
これ何かっていうと、良い売り上げと言うのはロイヤル顧客。
自社にお金を払ってくれて商品に価値も感じてくれて、結果的に再受注が入る。繰り返しずっと商品を使ってくれるっていう人たち。
これはロイヤル顧客で良い顧客なんですよね。 顧客にとって良い価値を提供できているからずっと使ってくれている。
商品を初めて販売した時にはかかるコストが、その次に受注するときはかからないわけですよ。
ずっと使ってもらえると、販売コストが殆どかからないから、利益率も高くなる。
一方で悪い売り上げっていうのは、一生懸命新規獲得をして売り上げは一旦つくんだけれどもそのあと価値を感じてもらえなくて、最終的にはやめちゃう。
やめた結果、売り上げがなくなるから、もう一回そこに販売コストをかけて一生懸命営業をして、また売り上げをつくっていくという。
例えば売上が1億円だった時、その良い売り上げが何%ぐらいあるのか、悪い売り上げが何%ぐらいあるのかっていうのを意識しないで皆さんやっているから。
本当はすべてが良い売り上げになるのが一番いいけど、そこをみんな意識しないから打ち手を作らなかったり、プロダクトの改善をしなかったり、打ち手も間違えるっていう話もあって。
うーん、なるほどなってまず思ったんですよね。
柳澤:それ、めっちゃわかります。
杉本:わかります?
柳澤:それね、むかし僕、計算したんですよ。
杉本:お!計算しました!? すごい聞きたい。
柳澤:事業会社でマーケティングをやってた時に、年間で2億5,000万円くらい使ってたんですよ。
当然ROIを問われるんですよね。会社にも報告しなきゃいけないし。
で、当時の受注単価が100万円ぐらい。年間契約だったのでリピートすると翌年も100万円積み上がっていくSaaSみたいなモデルだったんです。
一件の受注を獲得するためにかかってたコストが80万ぐらいだったかな。
なので、一件受注してもリピートしなかったら儲からないんですよ。
杉本:あーわかる。
柳澤:LTVっていう、生涯そのお客さんが自社にもたらしてくれる利益だと、ロイヤル顧客は4年以上続くんですよね。
なので80万円を投下しても、400万円の利益になる。だけど、悪い顧客を獲得すると契約は取れてるけど儲からないっていうのはよくわかります。
杉本:それってめちゃめちゃ大事なことで、良い売り上げと悪い売り上げを区別して、良い売り上げだけになっていくと、おそらく広告の投下コストにしろ、営業コストにしろ、かからなくなっていくから他の余力に振り向けられるわけじゃないですか。
良い顧客の獲得に振り向けられるから、良い新規顧客がさらに増えて、ビジネスの伸びも数年たっていくと、良い売り上げの割合を増やすことによって伸びしろが変わってくるだろうと思うんですよね。
口で言うと誰もがわかってくれることだし、皆さんも「そうだよね」って思う。でも実際はやらないんですよね。
柳澤さんがこれを分けたっていうのは、どういうふうに分けたんですか。
営業の視点と経営者の役割
柳澤:なぜ売り上げの種類に気づいたかっていうと、ストックビジネスだったんでチャーンすると売り上げが積み上がっていかないねっていう。
新規顧客を沢山増やしているのに想像していたペースで売り上げが伸びない。だからチャーンの要因を特定しにいったんですよね。ただ、最初からは気づかなかったんですよ。
どのカテゴリがチャーンしやすいかなんてわからない。そもそも落とし穴がどこにあるのか、自分が何がわかってないのかわからないことってよくあるじゃないですか。
お話したのは新規事業だったんですけど、数年そのビジネスモデルで運営してたから気づいたっていう感じです。
杉本:ある程度の年月は必要なのかな。最初からそこを意識して気づくっていうことは難しいのかもしれないですかね。
柳澤:そうだと思います。
杉本:昨日は経営者やマーケター向けの話だったんですけれども、私は営業なので営業についてあらためて考えるんですけど、営業こそ良い売り上げと悪い売り上げを一番区別してないって思ってて。
それはなぜかっていうと、営業には目標があるじゃないですか。
だから、このお客さんには価値提供できなさそうだけど、お客さんが乗り気だから受注しちゃおうとか。
営業が良い売り上げと悪い売り上げを意識した上で、受注を選別する方法もあるけど、やっぱり営業という性がそうさせないと思うんです。
だって目先の目標を達成するに必死なので。大抵の場合は悪い顧客だって取りに行く。
だから、ここってやっぱりコントロールする主体は経営者なんじゃないかなって僕は思ったんですよね。
柳澤さん:そうでしょうね。
杉本:このケースはうちの商品で価値が届けられないから、「◯◯さん、この案件は取らなくていいよ」っていう人って、なかなかいないと思うんです。
綺麗事に聞こえるかもしれないけど、大局的にビジネスを見た時に、良い売り上げと悪い売り上げを意識するのって大事だし、何だったらエンタープライズ営業でも大事なはずなんですよ。
数年後を見据えた時に与える影響ってエンタープライズ営業が大きいと思っていて、そこをどういうふうにみんな意識してやっていくべきかなっていうのを考えさせられたんですよね。
柳澤:確かに。僕がそれを特定した時は、売ってはいけない業種がわかったんです。ただ、すぐに止めるってことはできなかった。やっぱり営業部門にも目標があるし。
ですけど、数年後にその業種は顧客対象から外されましたね。売っちゃいけないって。
杉本:なるほど。最終的には売っちゃいけないまで行くんだ
やっぱり法人向けのビジネスっていきなり「ここの会社には売らない」ってわけにいかないし、それやると会社のブランド毀損にもなるから。やっぱりちょっとずつターゲットを変えていくっていうのが王道なんですかね。
柳澤:緩やかにいきましたね、その時は。
杉本:そうですよね。営業こそね、そういう性があるからこそ、意識しなければいけないと思ったんですよね。
こういうことを意識しない限りは、僕は営業は卑しい職業のままなんじゃないかと思ったんだけど。どんな相手にも売り込むってみんな思ってる。
だから営業こそ目線を上げて、「悪い売り上げ」に対する理解と、顧客に対する理解を学ばないと、一つ頭の抜けた営業にならないんじゃないかなって思うんですよね。
柳澤:そうですね。大学卒業後、文系だと最初は営業に配属されることが多いじゃないですか。
ビジネスにおける買い手の立場を経験せずに、最初から売り手の立場になっちゃうから、わからないんですよね。
杉本:それめちゃめちゃ良いご指摘。営業って新卒の最初の仕事になること多くないですか?まずは営業経験してって。
実は逆の方がいいかもしれません。買い手の立場を経験してから営業になる方が、買い手の気持ちわかるはずなんですよね。
柳澤:そうですよね。
杉本:でもこんな話も聞いたことがあって。買い手から売り手になっても営業の立場に耐えきれないっていう。
異動で購買から営業になりましたっていう人も聞かないし、たまにはそういう例はあるんだろうけど、なんかあんまりうまくいかないっていう。
柳澤さんみたいに会社作ると売り込まれる立場になるじゃないですか。新しくできた会社に、創業時に必要なもの一式を何か売りたいみたいな、電話が来るわけで。
営業はマイクロ法人を作って、起業して売り込まれる立場を経験した方がいいと思うんですよね。
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