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昔、北海道の日勝峠で名馬=MBX 50を駆る旅に出てみた

ホンダMBX 50の北海道旅は富良野から日高を目指す
富良野からはしばらく根室本線沿いに国道237を進んで線路と別れたあとは山合いのルートを進んでいく。この区間の根室本線はもう特急街道では無くなっており、近年では廃止を取り沙汰されるローカル区間に成り下がってしまった。石勝線が開通したあとは旧千歳空港からトマムや新得に直行出来る。となると芦別や富良野まで遠回りする必然性が無くなるので致し方無い。

日高方面を目指す峠道は北海道らしい雄大な景色が突然眼前に広がって、それまでの欲求不満を吹き飛ばしてくれる.見晴らし台には何台もの大排気量車やオフロード車が休憩中.そんな中カワサキの三台に跨る親子3人連れと話が弾んだ。子供たちはまだようやく免許年齢に達したばかりにしか見えないが、父と並んでナナハン/600クラスを駆っている.どちらがお兄ちゃんなのか?お姉さんなのかは分からないが、こんな親とツーリングを共に出来る子供達は幸せだ.確か兵庫から来ていたとか

峠を下って日高で真っ先に目指したのは当時ケンタッキーファームと呼ばれていた観光牧場.ポニーの体験乗馬やらパターゴルフやらもあって、一日中遊び倒せそうな施設.私はただ馬を眺めてコーヒーを啜るだけでも充分満足なのだ。夕暮れ近くまで広い景色と雰囲気を堪能して帰路のフェリー乗り場を目指すとする。

苫小牧の大きなフェリーターミナルまでは国道235号一本.片側1車線の単調なルートだが、気がつけば前後を大型トレーラー数台のコンボイに挟まれながら走っていた。
今からもう何十年も前、原付にはノーヘルで乗れた時代だからもう時効だけど、制限速度はとても守れなかった。コンボイ軍団をやり過ごそうにも路肩に充分なスペースを見つけられず前後のトレーラーとは最小限の車間距離を維持するのが精一杯だった。
その頃のMBX50は6PSを切っていた、出力自主規制の適用を受けた時期のモデル.メーターのスケール一杯まで増速したらそれ以上には決して加速しない。5速全開で緊張感たっぷりのライディングが延々と何十分も続くのはルートにこれと言った変化が無いことも要因。
でも大きなサイズの車体と18インチ径のタイヤは直進性をしっかりキープしてくれ、突飛な操作さえしなければ、原付らしからぬ安心感を与えてくれる。車間距離だけに全集中しているうちにいつのまにかフェリー乗り場の案内板が見えて来た。
救われた。助かった!と正直思った。
ほんの何分かタイミングをずらせばコンボイ軍団にも合わずのんびり最後の国道を楽しめたのかも?でも今回はこのバイクの絶大な信頼感を期せずして味わう事が出来たのだ。
他社の同クラスのエンジンに比べて大人しく回るフィールは決して尖ったところがなくオトナな走りを堪能出来るもの。このエンジンはやがてNSR -50などの心臓部としても磨かれて行く事になる。

今では望むべくも無い2ストローク50のホンダ製スーパー・スポーツ。原付2種ならともかく50ccではもうあんなライディングは新車で楽しむ術が無い。


現行車なら値段もそこそこなプジョーの大きな車体の50ccスクーターならゆったりツーリングも悪くは無さそう。北海道に渡ってみるのも面白いかもしれない

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