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きよえちゃん

 神奈川県の厚木市に住んでいる人が時々「きよえちゃん」と言うのを耳にしていた。

 あまりにも近い距離感で話しているので、親戚か何かかと思っていたのだけど、ある機会に、それが「いきものがかり」のボーカルのことを指しているのを知った。

 吉岡聖恵。確かに「きよえちゃん」だった。

 そうやって呼ばれるのも、呼べるのも、すごいと思った。


みゆきとちはる

 現在だと、50代以上くらいの感覚になってしまっているのかもしれないけれど、北海道出身者の多くが、「みゆき」「ちはる」と、まるで親戚のように語るのを聞いて、それが、中島みゆきと、松山千春という、北海道出身のミュージシャンでありスターでもある存在なのを知った時は、なんだかすごいと思っていた。

 地元出身者に対する思い入れのようなものの強さと、それを裏切らない二人の実績や姿勢は、敬意も持てるような、また少しうらやましくなるようなことだった。

 そういう存在は、当たり前だけど、日本各地にいる。

いきものがかり

「いきものがかり」は、路上ライブからスタートしたという話だった。その場所は、神奈川県内の駅前が中心だったらしい。

 そして、当初は3人体制で、それぞれの地元が海老名市と、厚木市。私も神奈川出身なので、そこの地域が、それほど詳しくはないけれど、県のどのあたりの場所にあって、どんな場所なのかのぼんやりしたイメージはあるが、どちらも自然が豊かなはずだった。

「いきものがかり」は、デビュー10周年に、地元で大規模なライブをおこなった。

 それも3人が、それぞれ海老名と厚木出身ということもあり、どちらの場所でもライブを行い、そのときには、厚木市民の人によると、市民には特別招待枠があったようで、そんなことがあると、より応援したくなるのは当然かもしれないと思った。

 ボーカルの吉岡聖恵は、厚木市出身。だから、そこに住む人が「きよえちゃん」というのも納得はできたけれど、そういう距離感のようなものは、ちょっとうらやましかった。

 こうしたつながりをつくれるのは、ミュージシャン側にも、市民の側にも、すごく信頼感があって、やっぱりすごいと思えた。

SEKAI NO OWARI

 中年になってから再び学校に通いだし、最初の講義を受けた夜。その頃は、まだ介護を続けていたので夜中はずっと起きていて、テレビを見てたら、そこに「世界の終わり」というバンドのボーカルが出ていた。

 かなり大変な経験をしていて、その時の実感からつけたバンド名であることを知って、それなら余計に頑張って欲しいとも思っていたけれど、その年にCDを出したらしく、そのうちに、地元の東京都大田区に自分たちでライブハウスをつくったバンドだということも知った。

 それで、薄く応援するような気持ちにもなったけれど、そのうちに、そんな勝手な要望とは関係なく、とても大きな存在になっていった。妻は、そのキラキラした感じが好きだと言っていた。

 2010年代初頭くらいでは、自分たちよりはるかに若い世代が支持していたけれど、同時に、その理由は分からないが、好き嫌いがはっきり分かれる存在だったらしい。

大田区

 「きよえちゃん」と、呼べるような市民とスターの関係はちょっとうらやましいのだけど、自分が住んでいる大田区にゆかりのある「世界の終わり」も、「SEKAI NO OWARI」と表記を変え「セカオワ」と言われるようになり、ビッグスター(という表現も古いのかもしれないけれど)になった。

 2024年の東京都大田区の「区報新年号」には、「SEKAI NO OWARI」がスペシャルトークのゲストとして取り上げているので、完全に地元のスターとして、「区」も認めた、ということになるのだと思う。

 この記事の中で、羽田のライブハウスでライブを行ったことを凱旋と表現していて、確かに地元へ帰ってきた、ということなのだろうけれど、だけど、できたら、別の場所でもライブをしてもらいたいと、勝手ながら思った。

 例えば、大田スタジアム。

 収容人数は、約3000人ほどで、今の「SEKAI NO OWARI」には規模が小さいし、演出面でも難しいのかもしれないけれど、そういう場所だからこそのライブを開いてもらって、大田区民の「特別招待枠」を用意してくれれば、おそらくもっと地元のファンは増えると思う。

 そうしたことは、「SEKAI NO OWARI」にしてみれば、忙しくて他にもやることがあって、もしかしたら、あまり気が進まないかもしれないかもしれず無理強いもできないし、熱心なファンでもなければ、そう願ってもいけないのかもしれない。

 だけど大田区の住民としては、大田区から出たスターが、そんな試みをしてくれたら、やっぱりうれしくて、他の地域の人にちょっと自慢したくなると思う。







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