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冬の線路沿いの草花。

 図書館へ向かうときに、線路沿いを通る。

 秋には、かなり多くの草花があって、花も咲いていて、思った以上の色合いを見ることもできたのだけど、冬になってから、駅のそばを通ったり、踏切りを渡るときに、見かける線路沿いは、茶色が主体で、枯れているようにしか見えなかった。

 私は自転車に乗り、妻は歩いて一緒に線路沿いを通った時も、草花は枯れていた。最初は、色が見えなかった。

カタバミ

 もう少し歩いたら、線路沿いに色が見えた。


 黄色い花。

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「あ、咲いてる」。妻が言った。

 これ、何?

「園芸種だと思う」。

 えっと、じゃあ、落穂というか。

 私の「落穂」という言葉が違っていたせいか、スルーされる。

 さらに歩くと、また黄色い花が、咲いていた。

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 花の下には、緑の葉っぱが地面に沿うようにあって、そこから黄色い花が咲いている。さっきは一輪だけだったけど、ここにはもっと咲いている。

「あ、これ、カタバミだ」。

 妻が、ここでは、これだけ葉っぱが地面に生えているから、勢いがあって、この気温でも咲いているし、だから、さっきの黄色い花もカタバミだと思う、とも言った。

 葉っぱも、固まって、なんとか咲かせているように見えた。

凍った葉っぱ

 その植物は、どちらかといえば、例外的で、本当だったら、気温も低く、風が直接当たるような、こういう線路沿いは、1月の、今の季節は、花は咲いていない。

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「ほら、これ。草が凍った跡がある」。

 え、どれ?

 よく見ると、葉っぱの一部が白くなっていて、これは、一度、寒さで凍って、それが溶けた後も、葉っぱがやられてしまっているということらしい。

 そんな状態の草も少なくなかった。

 当たり前だけど、今は、一年のうちで、最も寒い時期でもあるから、そのほうが、自然といえば自然な姿だった。

ヒメツルソバ

 もう少し歩くと、今度は、家の庭にもあって、妻が好きだと言っていた薄い赤い花が咲いている。

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「あ、ヒメツルソバだ。
 咲いてる」。

 え、この寒い季節に咲くの?

「ここの壁のところで風がふせがれて、それで、咲いているんだと思う」。

 線路のそばに、コンクリートの台のようなものがあって、そこにくっつくように咲いていて、確かに、固まって、頑張っているように見える。

    風がとても冷たい。

 こんなに寒くても、咲くんだと思った。
 なんだか、すごかった。

 この季節に、線路沿いで、こんなにいろいろな草花を見られるとは思っていなかった。

 妻が教えてくれなかったら、おそらく、ほとんどのことを見落としていたと思う。

ハコベ

 線路沿いから、少し曲がった民家の前のプランターで、妻がしゃがんでいる。

 これは、植物を見つけた時の姿勢だけど、ただ、私にとっては、そこは、もしゃもしゃと生えている葉っぱのようにしか見えなかったけれど、妻は笑顔だった。

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「花が咲いてるよ」。

 え?

 近づくと、葉っぱの中に、とても小さな白い花が咲いているようだった。

「これ、ハコベだよ。
 春の七草の」

 それを聞いて、記憶している「春の七草」を、最初からぶつぶつと繰り返したのだけど、ハコベは、その中にない。

「だから、ハコベ。ハコベラと、ハコベは一緒だよ」。

 妻に教えられたが、知らないことだった。

 冬でも、場所によっては、風を防げたりするところがあって、そこで花を咲かせたりする草花があることを、改めて知った。

 この寒い季節でも、なんとかする草花を見て、なんだか、すごい、と思った。


 それから図書館へ行って、本を返し、また借り、帰りにはスーパーへ寄って、家に帰った。

 この季節に草花ツアーができて、意外だけど、うれしかった。






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