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生まれて初めてカレーメシを食べた。知らないうちに革命的なことが起こっていた。

 カレーメシ、という商品が出たのは知っていた。

2016年8月の商品リニューアルでカップヌードルなどと同様の湯かけ方式にした

 最初に商品が出てから、すでに、約10年の歴史があり、お湯を入れる方式になってからも、5年以上が経っているのに、スーパーなどで見かけるだけで買うことはなかった。

 カレーに関しては、いろいろなバリエーションを知った気になっていたし、何しろ、貧乏な私にとっては200円を超えるカップものは高額だと感じていたせいだ。カップラーメンのように、最初は日清がカップヌードルを出して、他社がそれに続いて、それがかなり安くなる、ということも起こらなかった。

 だから(一方的に)縁がないままだった。

移り香

 それが、あるスーパーで、安売りをしていて、それが二百円弱まで来ていたので、一度は買うことにしたのは、親戚から、おいしいと評判を聞いていたからで、同時期に、その親戚からカレーメシが贈られてきた。

 ありがたい。

 基本と思われるビーフ味を買ったのだけど、送ってきてもらったカレーメシを見て、他にも種類があるのを知ったが、廊下のプラスチックの箱の中に保管していた。

 そろそろ食べようとして、それを開けたら、カレーの香りがする。

 もしかしたら、どれかが部分的に破損をして、それで香りがするのかもしれない。そう思って、箱に入っている全部を出して、底に何かあるかも、と思ったけれど、何もなかった。

 カレーメシのカップに「移り香注意」というマークがあるのが分かった。こんな注意書きは初めて見た。だけど、異常がないと思って、安心はした。

5分

 初めて食べるからどうしていいかわからない。

 包装も妻に開けてもらったのは、妻はすでに食べたことがあるからだった。

「お湯を入れて捨てるの?」

 そんな怯えた感じで、聞いたら、キッパリ言われる。

「捨てない。ラインが大事」。

 そう言われて、慎重に沸騰したお湯を入れる。ラインはカップヌードルに比べたら、かなり下だった。

 5分は意外と長い。

カレーメシ

 フタを開けたら、まるでカレースープだった。

 ちょっとがっかりしてたら、「かき混ぜるの」と妻に言われて、かき混ぜる。

 最初はただ、色が変わる。底に沈んでいたカレールーが溶けてきたせいだろう。だんだんカレーの色になっていくだけの感じだったのだけど、そのうちに、急に手応えが出てきた。

 液体の生クリームをかき混ぜて、ある時期からクリームになっていく感覚と似ている。

 不思議だった。

 どうやって作ったら、こんな変化が起こるのだろう。

 そのうちに、ご飯粒もちゃんとしてきている。最初は、せいぜい、おじやだと思っていたのが、カレーライスまでは行かないけれど、確かにカレーメシになってきた。

カレーメシの味

 食べ始めたら、とても混ざっている少し柔らかめのカレーライスだった。
 これまで食べたことがないまろやかな食感。

 もう少し辛いといいのだけど、これは中辛らしい。

 おいしい。

 妻は、「インスタントなのに、今回も普通においしい。それに、ハヤシに近いのかもしれない。また、食べたい」という感想だった。

 一見、サラサラのスパイスカレーのようで、だけど、食べるといわゆる欧風カレーよりの味がする。

 だけど、カレーライスでもなく、カレースープでもなく、カレーメシ、という名前が納得がいく、他にはないものなのが、すごいと思った。

 他の種類も食べたくなる。

革命的なこと

 生まれて初めてカップヌードルを食べた時は、おいしくなかった。

 その原因は、お湯を入れてから3分待つ、という「作法」を知らなくて、すぐに食べていたからで、待てるようになってからは、それこそ普通においしく食べるようになった。
 そして、カップヌードルも、ラーメンではなく、カップヌードル、という味だと思うようになった。

 カレーメシも、いまさらだけど、初めて食べて、そして、すでに食べたことがある妻に教えてもらったから、5分の後に、よくかき混ぜることができた。それによって、やっとカレーメシになる、ということがわかって、おいしく食べることができた。

 もしも、5分経って、フタを開けて、軽くかき混ぜただけだったら、ほとんどカレースープだと思って、再び買う気力をなくしていたかもしれない。

 そう考えると、よくかき混ぜるのは、とても重要な行程だし、その途中で、急に手応えが重くなる感覚は、かなり革命的で、すごいことだと思った。

 どんな技術なんだろう。

 
 カップヌードルの時は、何年か経って、他社も商品を開発したから、カップ麺というジャンルに育ったと思うのだけど、最近になって初めて食べた人間が何かを語る資格はないのは自覚しているが、それでも、このカレーメシは、今のところ、日清以外が出していないように思う。

 それだけ真似のできない技術の商品なのか。それとも特許的なものが関係しているのかは分からないが、カップヌードル以来の革命的な食品だと、(今さらいうのは恥ずかしいけど)思う。知らないうちに、いろいろなことが起こっていると、改めて知った。


 また別の種類のカレーメシを食べてみます。

 妻が、ビーフ味を「ハヤシに近い」と言っていたので、このシリーズのハヤシも試してみたいと思っています。



(他にもいろいろなことを書いています↓。よろしかったら、読んでもらえたら、うれしいです)。






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