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再び、ミモザをめぐる話。

 歩いていける場所に、ミモザが咲いているのではないか、という情報を、今は、やや遠方に住む人から伝わってきて、そして、2月に見に行ったら、まだ咲いていなくて、代わりというわけでもないけれど、梅がきれいだったことがあった。

ミモザの情報

 もし、次に咲いた時には、一緒に行きたいと思っていたものの、寒い日が続いたせいもあって、ミモザのことは忘れていた。

 3月に入った頃、妻は午前中に出かけた時があった。それも自転車で、カメラを持っていった。

 どうやら、この前に聞いた人とは別だけど、ご近所の人に、ミモザが咲いている、という話を聞いたようだった。

 2月に行った公園のそばではなく、方角的には逆で、しかも、そのご近所の人からは、その場所については、町名しか聞いていなかったらしくて、それでも、出かけて行って、帰ってきた。

 笑顔だった。

「咲いてた。
 きれいだった」。

 町の名前だけで、細かい場所まで分かったのが不思議だったから、そのことを尋ねたら、「すぐに見えたから」という答えだった。

 写真を見せてもらったら、確かに、黄色い雲のような状態の花だった。
 確かにきれいだとも思ったけれど、こんなに花が咲いているところは、その場で見たいと思った。

 だから、一緒に見たいけど、と妻に、お願いして、その数日後に行く約束をした。

ミモザの花

 その日は、天気予報にはなかった雨が降ったようだった。
 地面は濡れていたけれど、午後からは晴れるらしい。

 昼食を食べ、妻が昼寝をしてから、午後3時過ぎに家を出た。

 天気がいい。
 空が青い。

 歩いて、坂道を登り、左へ曲がる。
 駅に行く時には、もう少し行ってから、右に曲がるけれど、さらに真っ直ぐ進む。

 妻は、一度はきているし、私も何かの機会に通っているはずだけど、初めての道に感じ、家から、どの方角で、どのあたりに来ているのか、もうわからなくなっていた。

「あ、そこ曲がると、見えると思う」。

 妻がそういって、道路を2回ほど曲がったら、100メートルくらい向こうに黄色い花が見えた。

 あれが、ミモザなのは、分かった。

時期

 近づくと、妻がつぶやく。

「あ、今日来てよかったかも。終わりかけてる」

 その言葉の意味は、私には分からなかったけれど、その隣に、やはりミモザが咲いていて、それを見て、説明してくれる。

「これ、種類が少し違うけど、ミモザで、黄色さが明るいでしょ。前は、こんな感じだった」。

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 確かに、最初に見たミモザは、同じ黄色でも、これに比べると、少し落ち着いた色合いに移行しているようだった。

 そんな変化をしていく花だというのを、初めて知った。

 しばらく見て、そこは普通の民家なので、そこから去った。

梅の里

 今日は、そこから図書館へ行く予定になっていたのだけど、その前に、寄りたいところがあると、妻が言った。

「梅の里、みたいなところ」。

 ここは、住宅街で、そんなところはないのだし、何を言っているのか、よく分からなかったが、とにかく、その響きが不思議なので、ついていった。

 何回か道路を曲がる。

 家から、そんなに離れていないはずなのに、そこに来た記憶がなく、初めての場所だから、とても遠くに感じるのだけど、周囲は、古くて、広い家が多くなった。

「ここ、ここ」。

 そこは、民家というよりは、公園といっていいような広さの庭があって、そこに背が高くなり、枝の曲がり方が多くなり、そして、幹の色も深くて、明らかに古い梅があったけれど、もう、かなり花は散ってしまっていたようで、その一部だけが赤かった。

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 そこに「時間の長さ」があるように感じた。

 広く、古くからの家にはさまれた道路を歩いていると、静かで、ちょっと怖さもあるけれど、梅が咲いているときは、妻が言うには、違っていたようだ。

「うわーって、梅が咲いて、きれいで、だから、本当に、景色が違っていた」。

 確かに、そんな光景は見てみたいと思わせる話し方だった。

 

 ここまで、家を出てから、約30分。

 花を見るツアーは終了し、そこから図書館へ行って、帰りにスーパーへ寄り、帰ってきたら、2時間近くがたっていた。




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