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ワクチン接種。通知のオレンジ封筒。小さな様々な不安。

 65歳以上を対象に送られてくるはずの「ワクチン接種」のための「クーポン」が入っている郵便物が、大田区のこのあたりに届いたのは、2021年5月19日の事だった。知り合いの方には、その前日に届いたらしいので、ほぼ同じ町内でも、日程が違うらしい。

ワクチン摂取方法への不安

 届いた方々には、不安もふくらんでいるようだった。
 防衛庁・自衛隊の大規模接種、という方法もあるし、その前から準備を進めていたであろう市区町村の方法もある。前者は、17日から予約開始、ということらしいが、東京都大田区17日にオレンジの封筒を発送しているらしいので、その初日には、間に合わない。その大規模接種センターも、市区町村の発行する番号が必要になるから、ややこしい。

 ニュースを見ると、17日には、「今日から予約開始」といった言葉も使われていたが、大田区のものは、予約開始自体が21日からだから、それまでのニュースを見ると、ここで急がないと、摂取できないのではないか、といった焦りも生みそうだった。そして、予約は電話とインターネットの両方らしいが、電話はつながらない、ということが有名になっていて、私はコンピューターは所持しているので、その予約を頼まれている。

 

 そして、大田区の集団接種は、21日から予約が開始される。

 さらには、例えば、大田区の会場になっているところは何ヶ所かあるが、その中に区の施設で、体育室を使用しているところもある。そこは、そんなに換気がいい場所と思えないし、その施設は、もっと広い場所もあるのに、どうしてわざわざ地下一階を会場にするのだろう、などと考えると、やはり、こうした個別な出来事に過ぎなくても、集団摂取に不安になるのも自然のように思えてくる。

 ただ、大規模的な接種ではなく、個別の、これまでに利用したことがある医療機関での接種を希望する場合は、6月1日からの予約になっていることは、私は、前もって大田区のホームページで確認していた。

 予約を頼まれているのは、集団摂取に不安があるので、個別の医療機関でのワクチン接種というオーダーだった。

大規模接種センターの告知

 そして、そういえば、5月17日から予約が始まる大規模接種センターに関しては、自分がどうやって知ったのだろう、と思うと、ニュースなどを見て、あ、大規模は、防衛省が行うのか、と知ったからだった。

 それでサイトを検索したから、一応知識としては知っているけれど、もしかしたら、知らないままの人も少なくないのではないだろうか、と思った。

 しかも、当初はサイトとLINEだけの予約だから、限られてしまうし、それこそ、高齢者自身で無理だと思えば、知り合いや「孫」などの、予約の「外注」も行われているような気がして、それは自然だけど、さらに大勢の人の疲労につながる可能性もある。


 基本的に、普通に考えたら、知らなければ、防衛省・自衛隊がワクチン接種をすると、思わない。
 自分が知らないだけかもしれないが、テレビCMなどでも見たことがない。そうした告知方法で、繰り返しやらないと、広く知らせる、という意味では難しくなるのではないだろうか。

 さらには、そのセンターも、東京の会場は、大手町だから、電車に乗って行かないといけなくて、予約を頼まれた人からは、できたら歩いて行ける場所というリクエストもあるので、この方法を選択するのも難しそうだと思う。

 元々、ワクチン接種に二つの方法があるのは、いろいろあってありがたい、というよりは、どちらにしたらいいのだろうか、といった混乱を生む可能性もある。

 二重予約はしないでください、とは言われても、これだけの混乱がここまであって、本当にワクチン接種ができるのだろうか、といった不安に襲われた場合(この1年の政策の迷走を見たら、そう思っても仕方がない)は、二重予約といった意識ではなく、念の為、といった気持ちで「おさえてしまう」場合が出て、だけど、それは責められないのではないか、と思った。

接種券と予診票

 オレンジの封筒の中には、接種券(クーポン)と、予診票が入っている。

 予診票は、インフルエンザのワクチンでも同様の、現在、接種が可能かどうかを確認するような質問票だ。

 ただ、この二つの、もっとも大事な書類で、すでに微妙に分かりにくいところがある。

 予診票の右上には、(クーポン貼付)と書いてあるのに、接種券(クーポン券)の下部には赤い文字で、「シールは剥がさずに、台紙ごと接種場所へお持ちください」とあるので、今のところはどうしたらいいのか分からないし、いったん、はがしてしまったら、それが間違いだったら、どうしようもないので、そのままにしたほうがいいのだろうか、と思う。

 ただ、はっきりしないので、「これは今のところは、はがさずにいてください」と伝えるしかない。

封筒の中身の多さ

 さらには、「大田区新型コロナワクチン接種のお知らせ」(詳細版)と、ほぼ同じ内容の(概要版)が1枚ずつ入っているが、一見したところ、(詳細版)の方がイラストも入っていて、文字の大小のメリハリが効いているので、こちらの方が分かりやすく見える。

 これは、2枚必要だったのだろうか。


 さらに、書類は2枚。

「新型コロナワクチン予防接種についての説明書」と、「新型コロナワクチン接種会場一覧」

 前者は、ワクチンの説明なのだけど、これは、「ワクチン接種のお知らせ」の中に、裏側のページに入れたほうがいいのではないか、と思った。

 後者の会場一覧は、集団接種会場が並んでいて、区内で9カ所。最寄りの駅から徒歩7分から10分の場所が、4ヶ所。バスに乗ることが必要なのが1ヶ所。徒歩2〜3分が3ヶ所。徒歩1分の場所は1ヶ所だが、階段がある。

 高齢者全てが足腰に問題があるわけではないが、もしも、車イスが必要な場合は、どこへ行くにも、かなり大変だと思う。

 そして、その会場一覧の裏側が、今回、個人的には、予約のリクエストのあった個別医療機関が並んでいるが、そこには、6月中下旬から予約を開始する、と表現されていて、すでに、大田区のホームページにあった6月1日という日程とは違っている。

 どちらが正しいのだろう、と思うが、大規模接種や集団接種の、予約を完了した、といった、いろいろな人からの知らせが嫌でも耳に入り、不安になってしまうから、この辺りも、調べて、実際にワクチン接種する人に伝えないといけない。

 それに、大田区では6月1日から始まる個別の医療機関での接種を希望したときに、本当に希望する医療機関で予約することができるのだろうか。コールセンターは、ワクチン予約と一緒なので、問い合わせ自体をためらってしまうが、それでも、そこもできたら確認しないと、摂取する人の不安が膨らむ可能性もあるので、なんとか調べないと、という気持ちにはなっている。

 さらに、この封筒が着いて改めて分かったのは、このオレンジの封筒の中身だけだと、個別な医療機関でもワクチン接種が可能だということは、おそらく分からないと思う。

根本的な不信感

 同時に、今回は、当事者でない私でさえ、根本的な不安がある。

 それは不信といっていいものだと思うが、市区町村の集団接種が行われ、そして、後から急に企画されたように見える防衛省・自衛隊の大規模摂取も行われ、6月に入ったあたりに、予定と違ってすみませんが、という言葉と共に、いったんワクチン摂取が止まることは、本当にないだろうか。

 医療者のワクチン接種が終了してから、高齢者に摂取する、という予定すら守られていないのだから、その不信と不安は、私にもある。

 今は、特に当事者の高齢者の方々の不安をどう減らせばいいのだろう、と思う。

 5月21日の当日に、すでにこうした表示が出ている。

 5月21日(金曜日)に開始した予約受付システムの予約枠は、定員に達しました。
(キャンセル等により空きが出る場合もあります。)
なお、電話専用の予約枠は約3,000回分の空きがあります。(5月21日14時時点)
コールセンターは大変混雑しており、ご不便をおかけし申し訳ございませんが、繋がりにくい場合は、時間をおいて再度お電話ください。
また、番号のお掛け間違いに十分ご注意ください。

 何かギクシャクしていて、今後の不安がふくらむ。

増える不安

 オレンジの封筒に入っている書類は、どれも文字がびっしりで、表現の重複も少なくない。もっと少なく分かりやすくしてくれたほうが、人の不安を少しでも減らせるのに、とは思った。

 ニュースでは、防衛省・自衛隊のワクチン接種センターが、インターネットだけでなく、電話での予約も始めた、ということだった。それは便利と共に、選択肢が増えることでの不安が増えるとも思えた。

 この1年、私だけでなく、ほぼ全員が、ずっと不安の中にある。

 そして、同様に、不幸なことに、国のコロナ対策に対して不信感が強いことが、より不安を生んでいると思う。

 だからこそ、ワクチン接種の告知の方法。「お知らせ」の書類の文章の一つ一つ、大変だとは思うのだけど、そうした出来る事で、少しでも気を配ってもらったら、状況は同じでも、少しでも不安を減らせることができるのに、と思って、なんだか残念だった。

不安を減らすために

 不安を減らすために、どうしたらいいのだろうか。

 一貫したシンプルなメッセージ。
 分かりやすく、読むべき部分を可能な限り少なくした書類。
 元々、予約する、という、早い者勝ちのようになってしまうような方法が、本当にベストなのか、という根本的な検討。

 そうしたことも、まだワクチン接種は続くので、少しでも改善してもらたいと思うのは、そのことで、社会全体の不安がほんのわずかでも減少する可能性があると思うからだった。

 今後、まだコロナ禍は続きそうだし、高齢者以外のワクチン接種は、これからなので、こうした気持ちの面を、事務手続きでも、少しでも大事にしてくれることを、希望しています。

 だけど、それが、虚しい願望であることは、この1年で学んだ気もしますが、それでも気がついたことは、少しでも繰り返し、伝えようとは思っています。


 こんなことを考えていると、自分もワクチン接種ができるのは、いつになるのだろうか。本当に接種できるのだろうか、と不安になる。

 その不安と、ずっと続く感染への不安で、これから先もしんどい日々が続きそうだと思うと、ちょっと悲しくもなる。




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