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「絶妙な小雨と退陣と感染」。2021.9.4.

 家を出るときに、雨が降っているかどうか分からなかった。
 そのくらい、絶妙な小雨。
 カサをさす人と、ささない人がいて、確かに迷うような雨量。
 
 午前9時前に駅までを歩くと、今日は、高校生が多い。
 ジョガーも走っている。
 
 いかにも運動部のとても丈夫そうな体や、走っている人がつけているマスクは、まだ違和感が抜けない。

 1000円カットの店の前には誰もいないが、牛丼屋の中には客が一人いる。

静かな車内

 電車に乗ったら、小雨でも、窓は開いている。
 ここのところ急に気温が下がってきたせいか、空が重みのある灰色のせいか、抑えられたような静かさが車内にあるように感じる。

 ずっと沈黙が続いて、いくつめかの駅で、2人の若い男性が会話をしながら乗ってきて、人の声が新鮮だった。
 
 終点に着いて、人は多い。
 追い抜かそうとしている人の荷物が足に当たるくらいの密集具合いと、人の流れが大きい。明らかに当たったので、振り返ったけど、その初老の男性は、そのままスピーディーに歩き去っていた。

車内の広告

 改札を出て、違う改札に入って、一人だけアルコールポンプを使って、階段を降りて、電車に乗る。一番後ろの車両は、窓が全く開いてない。ちょっと怖くなって、2両目に移ったら、少し窓が開いている。それだけで、ちょっとホッとする。

 エステの広告が目立つ。
 「夏こそ始めどき!」とあるけど、もう夏は終わりそうになっている。

 車両の網の上に並ぶ広告が減っていて、何もない部分が増えている。
 ドアの上の小さな画面では、スポーツニュースが流れ、パラリンピックと、日本のプロ野球の話題が写し出される。

ワクチン

 駅で降りて、構内を出て、道を歩く。
 カサをさすか、ささないか、迷うような絶妙な小雨が続いている。

 静かだった。今日は、ここまでずっと変に静かなままだった。

 公共の建物では、今日もワクチン接種の案内の人が立っている。

退陣と感染

 昨日は、急に首相が辞めた。
 放り出したようにしか見えなかったし、この1年、ひどい思いをした記憶しかなく、不安だけがふくらみ続けた記憶ばかりだった。

 それでも、マスメディアは、生き生きしているように思え、「政局」という名前の「人事」みたいなものは、まだ大好きな層がいるのだと確認できたように思う。

 減少傾向と言われても、重症者はかなりの人数で、何より都内だと、いま感染したら、入院は難しい状況は変わらない。
 不安は、減るわけではないと思う。

あきらめた「東京城」

 午後4時過ぎ。
 用事が終わって、朝に降りた駅に戻る。

 カサをさすのを迷うような小雨が、まだ降っている。
 もっとたくさん降ったら、帰りに、表参道に寄ろうと思っていた。

 ただ、土曜日の夕方は、この展示を見に行くにしても、このくらいの雨だったら、人出が多そうで、感染を考えたら、ちょっと怖くなって、見に行くのをやめて、家に帰ることにした。

 けっこう残念だった。

カサ

 電車が来て、乗り込んだら、座席を立って、女性が降りて行った。座っていた脇のバーに、カサがかかっていた。あれ、忘れたんじゃないかと思い、少し追いかけ、降りていく背中に、「かさ、違いますか?」と声をかけた。

 マスクもあったし、大きな声を出しちゃいけないような気もして、届かないようだ。

 と思っていたら、その女性が戻ってきた。
 気づいたみたいで、こちらへまっすぐ歩いてきたので、そのカサを持って、渡した。 
 今の状況だから、触ってはいけなかったんじゃないか、とも思ったが、その女性は、会釈をして、受け取ってくれる。

 もう一度、女性は電車を降りて行った。

鼻マスク

 なるべく人から距離を取ろうとして、ドア付近で立っている。

 そのそばに座っている男性が、マスクをあごにずらしていて、スマホを見ながら、くしゃみをする。その後にマスクをあげる。

 ちょっと怖くなり、そこから逃げるように距離をとる。

 少し遠くから見たら、スマホから目を離さずに、そのビーチサンダルを履いた男性は、マスクから鼻を、ずっと出している。

 その後、駅につき、人がかなり減って、十分に距離をとって座れた。
 と思っていたら、油断したせいか、自分がくしゃみをしてしまった。周囲にそんなに人がいないので、少しよかった。

ウレタンマスク

 また電車を乗り換える。
 私鉄の3両編成。

 周りの人から距離をとるように立っていたら、中学生くらいの男子4〜5人が、楽しそうに立ったり、座ったり、動いたりしている。全員が、ウレタンマスクだったり、しゃべる時は、話が通りやすくするせいか、マスクをあごまで下げたりしている。駅について、いったん降りて、また違う車両から乗ってきたりしている。

 複数の人が電車内で、はしゃいでいる姿を、久しぶりに見た。

 とても楽しそうだったけれど、それでも、ちょっと怖いので、距離をとった。

  
 こんな時間がずっと続くのかと思うと、気持ちは重い。それでも、どこまで出来るか分からないけれど、自分は自分で守らないといけないと思うと、さらに気持ちは重くなる。




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