「シン・仮面ライダー」の予告動画を見て、期待がふくらんだ理由。
ポッドキャストの番組で、何人もの人で「シン・ウルトラマン」について話をしていた。
それも、番組は前後半で、計4時間以上話をしていて、その幅の広い話に感心もして、その中で「シン・仮面ライダー」の話題も自然に出て、予告編についてのことや「仮面ライダー THE FIRST」のことについても触れていた。
だから、気になって、その動画を見た。
「シン・仮面ライダー」
そこに映っていたのは、50年前を思い起こさせるような後ろ暗い気配。表舞台で輝くのではなく、それほど広く知られることなく、ひっそりと、だけど命をかけて戦っていた「仮面ライダー」のイメージが、そこにあったように見えた。
それを見る前は、「シン・ウルトラマン」の造形が、現代の技術を使った上で、元々のオリジナルに近づけるという、古そうで新しいテーマを形にしてくれていたから、「シン・仮面ライダー」の造形も、見たことがあるけれど、見たことがない新しさがあると思っていた。
だが、「シン・ウルトラマン」は予告だけでも、その気配があったのに、「シン・仮面ライダー」には、あの頃の、昭和の時代の、どちらかといえば貧乏臭さ、と言っていい空気までがあった。
なんだか、不思議で、あいまいな気持ちになった。
「仮面ライダー THE FIRST」
「仮面ライダー THE FIRST」は、予告編だけしか見ていないのだけど、それでも、その映像の「かっこよさ」はわかった。もしも、ショッカーが、最初のテレビ放映の1970年代ではなく、21世紀の現代だったら(もちろん、それでもここまでの科学はないにしても)、というようなイメージの映像だった。
「仮面ライダー THE FIRST」はシャープで、完成度も高く、改造と思われるシーンも未来感があるものだった。だから、もしも何の動画も見ていない段階では、どちらかといえば、「仮面ライダー THE FIRST」の方が、「シン・仮面ライダー」にふさわしいと思っていたような気がする。
だから、両方を見て、やっぱり不思議な気持ちになった。
50年前の最初の「仮面ライダー」から始まり、平成ライダーシリーズにも続いているから、とても膨大な数のライダーが生まれている。
だから多少の「新しさ」だけでは、「シン・仮面ライダー」にならないと、改めて気がつく。
「ノスタルジー」
そうすると、「シン・仮面ライダー」は、どんな映像で、どんなストーリーになるのかが、分かりにくくなってくる。
それでも、あのどこか薄暗い雰囲気のある予告の映像は、確実に昭和の気配を伝えようとしてるように見えるし、庵野秀明監督が、ノスタルジーへのこだわりをインタビューで語っていたようなので、そこから、何の根拠もなく、勝手にいろいろな想像がふくらんだ。
もしかしたら、昭和の空気感のまま、その時は伝えきれなかったリアルさを、21世紀に再現しようとしているのかもしれない。
だから、ショッカーという団体も、バットマンに出てくるような、シャープなイメージがあるような悪役ではなく、もっと思い詰めたような、妄想のような力のおかげで、その当時の科学の限界を独自に突破したような、怪くて、暗い存在になるのではないだろうか。
それは、50年以上前に月面着陸を成功したアポロ計画のように、その時代だからこそ、今よりも、もっと思い切った作戦を取れたのではないか、という印象と重なるような気もする。
そうなると、ショッカーの「改造」のシーンも、安全を優先しないからこそ、失敗は多いとしても、数は少なくとも質の高い「改造人間」が誕生するような、怖さに満ちた、血塗られた場面になるのかもしれない。
そこから脱走したのが「仮面ライダー」だから、ライダーは、恐怖からの逃亡者ともいえる存在になりそうだ。
その部分をきちんと描くとすれば、「シン・仮面ライダー」は、基本的にはずっと暗さを抱え込んでいることになると思う。
「シン・仮面ライダー」に期待がふくらんだ理由
それに、昭和の「仮面ライダー」が、最初期は、藤岡弘というアクションができる俳優を中心に据え、「改造人間」の「改造」に焦点を当てたとすれば、2023年公開予定の「シン・仮面ライダー」は、池松壮亮を主演とし、ライダー2号が柄本佑だから、「改造人間」の「人間」部分を描くためのキャスティングのようにも思えてくる。
さらに、浜辺美波が、予告では、ずっと「仮面ライダー」と一緒に歩いているような印象があったけれど、昭和の「仮面ライダー」では、女性の登場人物の印象が子供にとっては薄かったから、今回は、もっと大事な役割を果たすのだろうか。
どちらにしても、映像的にも、ノスタルジックでありながらも、ありえた過去といえるような、古くて新しいものになったら、それは、あまり見たことがないようなものだし、ストーリーも原点にかえるとすれば、それは「バットマン」シリーズの「ダークナイト」のような印象に近くなるのかもしれない。
それでいて、そこからも違うものを制作するとすれば、着地地点は、とても狭くて困難な映画になるはずだから、無理な注文とは思いつつも、期待がふくらんでしまった。
それが実現すれば、見たことがない映像とストーリーが展開されるはずだ。
この気持ちは、実際に公開されるまで、という限定されたはかなさはあるとしても、そんなことを思わせてくれるのは、やっぱりすごいのだろうか、それとも、こちらがただ翻弄されているのかは、来年、分かると思う。
これは、たぶん、制作側の思うツボにはまっているのだろう。
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#予告動画 #仮面ライダーTHE FIRST #ノスタルジー
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