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「多すぎる緊急事態宣言」。2021.7.10.

 とても暑い1日らしい。
 
 今日は、途中でにわか雨が降るらしいので、折り畳みのカサを詰めて、パンパンになったカバンを持って、出かける。
 午前9時前で、もう日差しが強いのは分かる。

 小さい扇風機を顔にあてている女子高生とすれ違う。
 黒いマスクをしている男子高校生のグループが歩いてくる。

 二度目の夏マスクの季節になった。

 駅に行くまでにある病院の入り口には、たっぷりと「ソーシャルディスタンス」をとった高齢の男女が二人並んでいる。
 さらに歩くと、駅前の薬屋のオーナーがいて、朝のあいさつをする。

 駅に着く。
 改札のそばにあるテレビ画面のようなところに、今日の情報が流れているが、そこに「まん延防止」という言葉が見える。
 東京都内だと、緊急事態宣言という文字ばかりが気になる。


緊急事態宣言

 今週になって、急にというか、当然のように、4度目の「緊急事態宣言」が出されて、もう、何を変えたらいいのか分からないし、また、酒類禁止というのは、ただ理不尽なことだと思う。

 オリンピックは「無観客」が決定したということだったけれど、今は、中止以外は、それほど心が動かなくなっている。もっと若く、持病も関係なければ、今の世界も違って見えるのだと思う。

 だけど、いろいろと考えても、やっぱりオリンピックはやらない方が、人類の平和の祭典にふさわしいのではないか、と今でも思う。

慣れた動き

 駅に着くと、ホームには20人くらいの人がいる。
 立っていると、マスクのすき間に汗が垂れていく。
 やっぱり暑い。

 小さい扇風機を持っている女性がホームで立っている。

 電車が来て、乗ったら、冷房がかかっていて、窓が少し開いている。
 以前なら考えられなかった、この習慣も、二度目の夏になると、それが日常になっているようだ。

 座席はきれいに埋まっている。ここで距離をとる「ソーシャルディスタンス」は根付かなかった。でも、感染予防には、基本だということを、コロナ禍が始まった頃は聞いたような気がする。

 一駅ごとに人が増え、終点前でもっとも多くなり、人とくっつきそうな距離感になるのは、いつもの土曜日と一緒だった。

 駅につき、ドアが開くと、ダッシュする乗客が何人かいる。
 それにつられて、私も走り、改札を抜ける。
 次の改札まで、人が結構多くて、油断していると、当たりそうになる。
 
 次の改札へ入り、まっすぐ階段に向かわずに微妙に曲がって、アルコール消毒を一人だけ使って、またコースを変えて、階段を降りると、発車間際に電車に乗り込めた。
 ここのところ、この動きに慣れたせいか、アルコールを使っても、間に合うようになった。

読書

 電車に乗ったら、冷房が効いていて、窓が少し開いている。
 この光景も当たり前になった。

 座席はびっしりと埋まっている。
 メガネをかけた中年サラリーマン風の男性が座って、単行本を読んでいる。
 表紙にカバーをかけていないので、『「ラストパス」中村憲剛』と書いてあるのがはっきりと分かる。
 そういえば引退したのだった。上品なプレーヤーだったことを思い出す。

 ドアの上のニュースが小さな画面に流れている。

 五輪 無観客決定
 韓国 ムン大統領 来日
 11日に向け、さらに雨
 双子の赤ちゃんパンダ

 「ラストパス」を読んでいた男性が、フタをひねるタイプの缶コーヒーを開けて、飲んでいる。タリーズ、という文字が見える。一口、二口飲んでから、フタを締め、それから、また本を読み始める。

 少したって、また見たら、今度は寝ていた。


夏の広告

ドアの窓に小さい広告が貼ってある。

「大人なガリガリ君 いちご」。
 その後ろには強い日差しもあるし、食べたくなってくる。

 車内には、また小さい扇風機の女性がいる。
 この姿を、今日は急に多く見て、それで、夏が来たと感じる。

 広告は、エステと美容整形が目立つ。
 
「ゴールがあるから美しい」
「術後のはれをおさえたいから」

 見事に、抽象と具象だった。

 当然だけど、みんな夏のファッションになっている。

 駅で降りて、向こうから体にフィットしたTシャツを来た若い女性が歩いてくる。その胸のあたりの英文字は「No Bra Club」だった。

新幹線とワクチン

 改札を抜けて、駅の構内を出て、線路側を歩く。

 若い男性が、娘と思われる2歳くらいの女の子と手をつないでゆっくり歩いている。
 線路に新幹線が通っている。

 女の子は立ち止まり、新幹線を正面から見て、満面の笑み。
 ひざを少し曲げて、両手も合わせたり、振り上げたりして、通り過ぎていく間に、ずっと動き続けて、笑っている。
 こんなにただ嬉しそうな表情はなかなか見られない。

 さらに歩いて、先週は都議会の期日前投票の会場になっていた公共の建物が、今は何も特別なことはないのでは、と思ったら、今日はまたワクチン接種が行われていた。スタッフが持っている札のようなものには、7月31日まで、という表示が見える。

 そのころは、すでにオリンピックが始まっているのに、と思った。

午後4時

 用事が終わると、夕方近くになっている。
 また朝方と同じ駅に戻ってきて、人の多さとか、活気とか、前と何も変わっていないように感じる。

 もう緊急事態宣言は、効かなくなっているのでは、と思う。

 電車内は、冷房で窓が少し空いている。
 この習慣は、すっかりなじんでいるようだ。

 久しぶりに有楽町の駅で降りた。

 随分と久しぶりに行ったせいか、有楽町マリオンが、「ルミネ」になっていた。
 自分にとって、違う場所だった。

 人手は怖いくらい、多く見える。





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