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英語資格の勉強法⑶  結局、資格試験に合格する「実力」とは何なのか?②

こんにちは。

前回から「資格試験に合格する『実力』とは何か」という思いっきり大上段に構えたテーマで恐縮ですが、今日も引き続き大上段の第二段(笑)で
行かせて頂きます!

前回の記事は、コチラ↓

2.「その資格の合格者に要求されるレベルのお作法」とは?


⑴ 「お作法」とは何か

お作法」というのは、一般の表現で言い表すならば「マナー」「しきたり」ということ(例:お茶、生け花のお作法)ですが、ここでは「客観的に要求されている技能」くらいの意味で用いています。

あえて「お」作法と書くのは、主観的技能(記憶力がずば抜けて良い、文章の読み書きが速い等の当該受験者の属性)ではなくて、その試験が受験者に要求する客観的技能であることを示す目的です。

せっかく合格に必要な知識を身につけても、それを身につけていることを「相手(=試験官)が要求するお作法にのっとって」示せなければ試験には合格できません。

なぜなら、英語資格にせよその他の専門的資格にせよ、資格試験には必ず「相手があるもの」だからです。つまり「お作法」とは「相手のニーズを満たす技能」と言えば分かりやすいでしょうか。

例えば、前回取り上げた「『捨て問』を判別して取捨選択する技量」などは資格試験における重要なお作法の一つです。普通の合格者レベルでも時間内には解けないだろうという難問を問題作成者側が意図的に織り交ぜて来ている以上、「これはひとまず飛ばしなさい」というメッセージとして受け取って、お作法どおりに飛ばせば良い(時間があれば戻れば良い)のです。

⑵ 実用英語資格試験における「お作法」

それでは、本稿の主題である英語資格試験におけるお作法とは何なのでしょうか。
まず、英語を使ったコミュニケーション(外国人の取引相手とのメールや、対面での会話のやりとりなど)であれば、相手が書いてきたメールの前提事情、英会話の背景事情を理解した上で、その状況に応じた「お作法」に則り返信・返答をすることを求められます。

TOEICや英検などの実用的な英語資格は、まさにそのような実際の英語コミュニケーションにおけるお作法(コミュニケーションの相手から要求されている事柄に応える技能)を受験者が身につけているかを確認するものです。

そうである以上、いわゆる対策本の執筆者自身は当然そういうお作法を受験者に身につけてもらうことを目的としてその対策本を執筆しているはずです。(必ずしもそういう配慮が足りてないのかなというのが特にTOEIC対策本に多い気はしてますが・笑。)

しかし、肝心の受験者側(=対策本のユーザー側)はそれを単なるテクニック(知識ないしは主観的技能)のタネ本としてしか活用していないのではないか。その結果、

「お、今度うちのチームに入った新人さん、TOEIC満点に近いんだって?」

と周囲の強い期待を背負った新人さん・新人くんが、彼らのスコアほどの実力をお示しになれずに少し皆をガッカリさせる、というのが割とありふれた話になりつつあります。(急いで付け足すと、たいていの場合TOEICスコアの高い人は、英語での読み書きのビジネス・コミュニケーションには、すぐ慣れます。ただし会話は本人の気質と努力次第ですね。そこは日本語でも同じかと。)

翻って考えてみれば、自分の持っている知識を答案上に披露するだけで合格点が取れるのは大学受験までであり、ビジネスの実践場面や旅行先などでの修羅場で何とか自分の「手持ちの英語力」で切り抜けられるかどうかは、結局、コミュニケーション相手から要求されている事柄に応える技能、即ち「お作法」を身につける勉強をしてきたかどうかにかかるのではないでしょうか。

⑶  そして「お作法」を知ることができるのも…

そして、英語資格試験の対策として、そうしたお作法がどのようなものか、もやはり過去問を分析することで知りうるのです。その意味で、私の資格試験の対策論は、英単語(語彙)の学習以外は、過去問の検討・分析を徹頭徹尾、重視しています。

もちろん対策本も近年は非常によくできたものが多数出ていますが、対策本というのはあくまでも「過去問分析の結果、客観的に克服する必要があると判明した自分の苦手分野」を対策するための本ですから、過去問分析じたいは自力でやらなければ仕方がないと思います。

次回につづきます。長文をお読み頂きありがとうございました。


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