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出生時育児休業(産後パパ育休)月末1日休むだけでも企業もパパもハッピー⁉[2022.12月号]

こんにちは。
まず初めに中長期でnoteもニュースレターもサボりました。ごめんなさい。
9月月初に家庭内でのコロナ感染から、9月21日に第二子(長女)誕生という波状攻撃により、以降、全く身動き取れませんでした。

さて、私はパパです。
今更、唐突に何の宣言やねんという話ですが

今回は育児・介護休業法の中にある
出生時育児休業(産後パパ育休)についてお話しようかと思います。

育児・介護休業法について

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下「法」といいます。)は、育児休業及び介護休業に関する制度並びに子の看護休暇及び介護休暇に関する制度を設けるとともに、育児及び家族の介護を行いやすくするため所定労働時間等に関し事業主が講ずべき措置を定めるほか、育児又は家族の介護を行う労働者等に対する支援措置を講ずること等により、このような労働者が退職せずに済むようにし、その雇用の継続を図るとともに、育児又は家族の介護のために退職した労働者の再就職の促進を図ることとしています。令和4年 10 月1日以降は、ここで言う育児休業には、産後パパ育休(出生時育児休業)が含まれます。

育児及び家族の介護を行う労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるよう支援することによって、その福祉を増進するとともに、あわせて、我が国の経済及び社会の発展に資することを目的としているものです。
厚生労働省/育児・介護休業法のあらまし(令和4年3月作成)06 この法律の目的

2022年10月1日創設の「産後パパ育休」

男性の育児休業取得促進のための子の出生直後の時
における柔軟な育児休業の枠組み『産後パパ育休』の創設 【育児・介護休業法】

子の出生後8週間以内に4週間まで取得することができる柔軟な育児休業の枠組みを創設する。
①休業の申出期限については、原則休業の2週間前までとする。 ※現行の育児休業(1か月前)よりも短縮
②分割して取得できる回数は、2回とする。
③労使協定を締結している場合に、労働者と事業主の個別合意により、事前に調整した上で休業中に就業することを可能とする。
厚生労働省/育児・介護休業法について令和3年改正法の概要

要約すると
男性は子供が産まれてから
①8週間以内に4週間まで休業を申し出する事が出来ます
②計4週間までを最大2分割して取得する事が出来ます
(初めにまとめて申し出ることが必要)
③会社との取り決めで休業中に就業する事も出来ます

という事が今回の「産後パパ育休」の中に盛り込まれている訳です。

従来の育児休業制度との大きな違いは?

①主に男性が対象である事
②雇用形態が幅広く対象である事
従来は雇用された期間が1年以上ある有期雇用労働者のみが取得対象でしたが、2022年4月からは雇用期間の制限が撤廃されます。契約社員やパートなどの有期雇用の社員も産後パパ育休が取得可能です。
③従来の育児休業よりも
配偶者の産前産後休業期間を中心とした短期的なフォローが可能である事。

(産前産後休業について) 
労働基準法第65条
1.使用者は、6週間(多胎妊娠の場合にあつては、14週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。
2.使用者は、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後6週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。
3.使用者は、妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない。
労働基準法第65条 - Wikibooks

特に上記の③番「産前産後休業期間を中心」とした短期的なフォローが可能である事が大きいと個人的には思っています。
今回の記事タイトル「出生時育児休業(産後パパ育休)で月末1日休むだけでも企業もパパもハッピーなお金の話」に繋がってくると思っています。

育児休業は「育児・介護休業法」に基づく労働者の権利?

時代錯誤というか世間知らずなのかもしれませんが
私がこの記事を書いていて一番驚いた事は
「育児休業」について事業主は、従業員からの育児休業取得の申出を拒めないのが原則であるという事。
これは妻が出産をする上で、今回、「育児休業」を話の引き出しとして勉強しようとなって、私はてっきり「企業」と「従業員」の育休の要請と許可という関係性は対等なものだと思っていました。

例えば
従業員「育休取っていいですか?」
企業「弊社としては育休の取得は困ります、あるいは育休の取得はいつからいつまでにして下さい。」
といった要請に対しての許可は企業に主導権があると思っていました。


「育児休業」に対する中小企業の実態

しかしながら、中小企業では「休暇」に対して
実際の所は「権利の行使」というよりは「会社の業務上の都合(人員の問題・繁忙期など)」を考慮したうえで、互いに意見を合致させるという事が「休暇」に対しては必要となってくる事も実態としては多いと考えます。

例えば、有給休暇を取得するにしても
有給休暇は労働者の権利として行使できる為、理由等を問いませんが
会社側にも時季変更権の余地が残されています。

年次有給休暇の取得時季
年次有給休暇を取得する日は、労働者が指定することによって決まり、使用者は指定された日に年次有給休暇を与えなければなりません。ただし、労働者の指定した日に年次有給休暇を与えると、事業の正常な運営が妨げられる場合は、使用者に休暇日を変更する権利(時季変更権(※))が認められています。
リーフレットシリーズ労基法39条

私も中小企業に勤めていた事がありますので
その当時の心の声を単刀直入に言うと
会社のクセが凄いんじゃ!有給休暇も育休も取りづらいんじゃ(千鳥ノブ風に)という問題が多かれ少なかれある訳です。
少なくとも当時勤めていた私はそう思っていました。)

「産後パパ育休」が企業と従業員のWin-Winとなる為には?

今の私の仕事は生命保険や制度をはじめとした様々な観点から「お金」の事を考える事ですので

会社側としては
・代替コストを抑えたい(出来る事であればキャッシュイン)
・労働力の喪失をしたくない
といった事が考えられる反面

従業員側としては
・育児に携わりたい(休業という権利の行使)
・なるべく迷惑を掛けない形で実現したい
といった思惑が実態としては
育児休業を取り巻くんだろうなと思った訳です。

結論/社長、月末を含む形で5日間「産後パパ育休」取得させて下さい。

実は今回、私の同業の友人にも同時期に子供が産まれました。そして、上記の結論が、今回、同時期に子供が産まれた友人の選択でした。2者の思惑の落としどころの様に個人的には思います。

なぜ月末を跨ぐ5日間なのか?

出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)

男性労働者が育児休業を取得しやすい雇用環境整備や業務体制整備を行い、育児休業を取得した男性労働者が生じた事業主に支給します。
 ※ 支給額 < >内は、生産性要件を満たした場合の支給額。

① 第1種(男性労働者の出生時育児休業取得)
支給額/20万円

おもな要件
●育児・介護休業法に定める雇用環境整備の措置を複数行っていること。
●育児休業取得者の業務を代替する労働者の、業務見直しに係る規定等を策定し、当該規定に基づき業務体制の整備をしていること。
●男性労働者が子の出生後8週間以内に開始する連続5日以上の育児休業を取得すること。(※所定労働日が4日以上含まれていることが必要です。)
<代替要員加算>
●男性労働者の育児休業期間中の代替要員を新たに確保した場合に支給します。

令和4年度両立支援等助成金リーフレット


育児休業等の標準報酬月額(給与)に係る保険料免除

月末に育児休業を取得していれば、たとえ数日の育休期間であっても月末を含む月の社会保険料は免除される事に加えて
今回の2022年10月1日から健康保険法等が一部改正では、その月中に14日以上の育児休業等を取得した場合にも、標準報酬月額(給与)に係る保険料が免除される事となりました。

例えば、2022年10月31日(月)から11月4日(金)まで5日間(5営業日)
産後パパ育休を取得する場合、10月分の標準報酬月額(給与)に係る社会保険料(健康保険・厚生年金保険料)の免除対象になります。

企業、従業員(産後パパ)それぞれの恩恵とは?

今回の結論
社長、月末を含む形で5日間「産後パパ育休」取得させて下さい。
には、それぞれに恩恵がある訳です。

企業側の恩恵

出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)に該当する可能性がある事
支給額/20万円(5日間で考えれば日額4万円≒月給120万円の社員コスト相当)

社会保険料の免除は企業側にも恩恵がある事
対象となる社員の月額給与のおおよそ15%の免除
(月額給与30万円の社員であれば、約4万5,000円分の社会保険料免除)

従業員(産後パパ)の恩恵

会社、業務へのモチベーションアップ
そして1ヶ月分の社会保険料の免除
(捉え方によっては会社から出産祝を貰えたようなもの)

※但し、企業の定める育児休業規定において、育児休業期間中の有給、無給などの取り決めの確認をしておいた方が、行き違いが無いかと思います。

今回のまとめ

①2022年10月1日創設の「産後パパ育休」は子の出生後8週間以内に4週間まで取得することができる

②育児休業制度では、月末に育児休業を取得していれば、たとえ数日の育休期間であっても月末を含む該当月の給与に係る社会保険料は免除される。
※今回の2022年10月1日から健康保険法等が一部改正では、その月中に14日以上の育児休業等を取得した場合にも、標準報酬月額(給与)に係る保険料が免除される事となりました。

③社会保険料は労使折半である為、社会保険料の免除は企業側にも恩恵がある事

④男性労働者が子の出生後8週間以内に開始する連続5日以上(※所定労働日が4日以上含まれていることが必要です。)
の育児休業を取得することで出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)に該当する可能性がある。その際の企業への支給額は20万円

企業にとっても、労働者にとっても双方が「Win-Win」に出生時育児休業(産後パパ育休)を取得する為に、私の友人の取得事例を交えながらお話させて頂きました。

ここまで読んで頂きまして、ありがとうございました。
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