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個人で受け取る退職金がしんのすがたをあらわした![2022.4月号]

ドラゴンクエストで
りゅうおうがしんのすがたをあらわした時
衝撃を受けましたよね?
世界の半分を貰うよりも退職金を貰いましょう。

前月号のテーマでは法人が支払う役員退職金について
お話しさせて頂きました。

今回のテーマは
個人で受け取る退職金の恩恵について
お話しさせて頂こうと思います。

※3月から誌面版より
1ヶ月先行でWeb版を公開していこうと思います。

退職金とは?そもそも何を以って退職金?

広い意味での退職金の定義は下記の通りです。

退職所得とは、退職手当、一時恩給その他の退職により一時に受ける給与及びこれらの性質を有する給与(これらを「退職手当等」といいます。)に係る所得をいいます。
 すなわち、退職所得として課税される退職手当等とは、退職しなかったとしたならば支払われなかったもので、退職したことに基因して一時に支払われることとなった給与をいいます。
 したがって、退職に際し又は退職後に使用者等から支払われる給与で、支払金額の計算基準等からみて、他の引き続き勤務している人に支払われる賞与等と同性質であるものは、退職所得ではなく給与所得とされます。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2725.htm

分かりやすく一言にまとめると
「退職したからこそ支払われた収入」という事です。

退職時の会社からの退職金(退職手当)が
これに該当する他、国税庁は以下の様な
退職時に支払われる一時金を退職手当等とみなし
それを定義付けています。

・退職手当等
・引き続き勤務する人に支払われる給与で退職手当等とされるもの
・使用人から執行役員への就任に伴い退職手当等として支給される一時金
・受給者が掛金を拠出することにより退職に際して使用者から支払われる一時金
・過去の勤務に基づき使用者であった者から支給される年金に代えて支払われる一時金
・解雇予告手当
・確定給付企業年金法等の規定に基づいて支払われる一時金
・未払賃金立替払制度に基づき国が弁済する未払賃金

勇退時の退職金の税務取扱

勇退時に受け取る退職金のメリットは
一般的な収入と比較して税制上の優遇措置を受けられる事にあります。

ポイントは以下の3つです。
①勤続年数に応じた「退職所得控除」があること
②「2分の1課税」であること
③他の所得に関係なく「分離課税」であること


1つ1つ解説していきます。

①勤続年数に応じた「退職所得控除」があること

課税の対象となる
退職所得の金額を計算する過程で
退職手当等の収入金額から控除する額のことを
「退職所得控除額」といいます。

・勤続年数20年以下の場合
勤続年数×40万円(80万円未満の場合は80万円)

・勤続年数20年超の場合
800万円+70万円×(勤続年数-20年)

退職所得控除の中で
完結できる退職金であれば驚きの無税!素敵!

②「2分の1課税」であること

退職所得は、源泉徴収される前の退職金等から
退職所得控除を差し引き
その金額を半分にした金額を退職所得として扱います。

退職所得の計算方法
(退職金などの収入金額 ー 退職所得控除額) × 1/2

つまり、退職所得の計算において
退職所得控除を活用しても
はみ出てしまった金額があれば
その2分の1の金額だけが課税の対象となります。


③他の所得に関係なく「分離課税」であること

通常、所得の種類というものは何種類もあります。
給与所得、事業所得、不動産所得、一時所得、とか色々あります。

所得の種類によっては
それらを合計したものに
税率をかけて所得税を計算しますが
退職所得は他の所得とは分けて税額を計算します

つまり、退職所得の金額は
退職所得に関する計算方法だけで金額が確定します。
多くの場合は
退職金等の半分以上は課税対象外になるので
一般的な所得と比較すると
多くのお金を受け取る事が出来る制度です。


但し、国税庁の定義付けの様に
退職時の様々な収入が
退職金として該当する可能性もある為
これらの計算を正しく行う事で
少しでも有利にお金を残せる様にしましょう。

勤続年数に見る退職金シミュレーション

ここでは
35歳に起業した経営者が、65歳に勇退し
2,000万円の退職金を受け取るとして
シミュレーションをしてみます。


個人で受け取る退職金の本質

老後に2,000万円必要だと言われる時代

通常の給与所得や役員賞与として
2,000万円を一括支給していれば
約500万円が税金となります。

仮に退職金2,000万円を案分して
年間66.6万円ずつ給与に上乗せして
先取る形で貰っていたとしても
66.6万円という金額単体で見れば
約8万円の税金がかかり
30年間で240万円の税金がかかります。

給与所得の場合は退職所得に比べて
より多くのお金が目減りする計算となります。

Wikipediaによると
退職金はこう書かれています。

退職金は本質的には賃金の後払いであり
終身雇用制を基調とした日本においては永年勤続を奨励する意味もあり広く行き渡っている制度である。

実は、この後払いをする事で
得られるメリットにこそ
退職金の本質が隠れていて
だからこそ退職金っていいですよね!というお話しでした。


今月号は主に個人で得られる
税務メリットを中心にお話ししましたが
次回は、法人オーナー目線で
本質的な賃金の後払いとも呼ばれる退職金を形成する際に
法人の所得を用いて貯める方法がいいのか
個人の所得を用いて貯める方法がいいのか
を考えて頂く内容をお話しします。


一人社長や、ご家族経営であっても
メリットがある内容ですのでお楽しみに!

ここまで読んで頂きまして、ありがとうございました。
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いつもこんな調子で発信していますので、また遊びに来てください。

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