カンヌライオンズ2023 速報 - メディア、PR部門
カンヌライオンズ2023、3日目です。昨年に引き続き、各部門のグランプリ受賞作品について、速報的にまとめていきます。
3日目は
・クリエーティブ B2B(Track:Engagement)
・クリエーティブデータ(Track:Engagement)
・ダイレクト(Track:Engagement)
・メディア(Track:Engagement)
・PR(Track:Engagement)
・ソーシャル&インフルエンサー(Track:Engagement)
の6部門の受賞作品が発表されました。
この記事では
・メディア(Track:Engagement)
・PR(Track:Engagement)
のグランプリを簡単にまとめます。
#TURNYOURBACK :メディア部門グランプリ
Client:DOVE
メディア部門は、DOVEの"#TURNYOURBACK"がグランプリを受賞しました。
*背景
TikTokに新たに追加された「Bold Glamour(ボールド・グラマー)」というフィルターは、あまりにグラマラスに自分の顔を加工してくれるため、エフェクトなしの自分に対して自信が持てない人を増やしてしまっていた。
米国の少女の80%は13歳までにフィルターをかけた経験があり、普段から写真を加工している少女の約半分は、自分の体に対して自己肯定感が低いこともわかっている。
*アイデア
「#TurnYourBack(背を向けよう)」というキャンペーンを実施し、正面からの顔ではなく後ろを向いた写真を撮るムーブメントを起こした。オスカー賞授賞式の場でのニシェル・ターナー(ジャーナリスト)や、ガブリエル・ユニオン(女優)も背を向けてカメラに映ることでキャンペーンに参加した。
*結果
10億インプレッション。
TikTok単体で1.1億ビュー。
94%のポジティブセンチメント。
カンヌライオンズ2022では「Reverse Selfie」でプリント&パブリッシング部門のゴールドを受賞したDove。今回も写真加工と自己肯定感にまつわるイシューにタックルしています。
SELF LOVE BOUQUET:PR部門グランプリ
Client:DOORDASH
PR部門は、フードデリバリーサービスDOORDASHの“SELF LOVE BOUQUET”がグランプリを受賞しました。
*背景
アメリカ人女性の4人に1人がバレンタインデーを1人で過ごしている。Doordashのユーザーの約半分は独身女性であることから、この層にもカップルと同じようにバレンタインデーを楽しんでもらうためのアクションを考えた。
*アイデア
「Self-Love Bouquet(セルフラブ・ブーケ)」という花束を注文できるキャンペーンをバレンタインデーに実施。これは12本の赤いバラの中に1つだけ、バラの形をしたアダルトグッズが交じっている花束で、「The Rose」というすでに存在する人気の大人のおもちゃが取り入れられている。ブーケにすることで、購入する恥ずかしさを軽減するという狙い。
あくまで「自分に花束を贈る」というストーリーで、宅配サービスであるDoordashが届けてくれる。
※ちなみに12本のバラは「ダーズンローズ」と呼ばれ、男性から女性に対して「私の妻になってください」という意味を持つ。
※キャンペーンソングにはマイリー・サイラスの新曲「Flowers」を起用している。有名なサビの歌詞は「I can buy myself flowers~」。
*結果
96万ソーシャルリーチ。
7.9億インプレッション。
1700万ドルの売上。※2023年6月時点で約24億円
周辺花屋の注文総額が昨対比2倍の600万ドル。※2023年6月時点で約8.5億円
4日以内に完売。
日本では2022年頃にWoltブランドに集約されたDoordash。なぜ宅配サービスがこの企画を?と思いましたが、自社ユーザーの属性を別の切り口から捉えて、応援するということだったようです。
タブーとされていたものを明るみに出していく動きはBodyformの「#wombstories」(生理)が記憶に新しいですが、女性のセルフプレジャー(マスターベーション)にも同様の流れが来ているように感じました。
その他の部門
残りの
・クリエーティブ B2B(Track:Engagement)
・クリエーティブデータ(Track:Engagement)
・ダイレクト(Track:Engagement)
・ソーシャル&インフルエンサー(Track:Engagement)
のグランプリについてはこちらをご覧ください。
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