サンカス

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捧ぐ

貴女には僕が映るだろうか。 その黒髪に、白い柔肌に、そうして深い琥珀の瞳を。 貴女こそ、美で、世界だ。 何人すら侵すことを許されぬことのない神域。 否、神すらも拒む、領域に在る貴女よ。 世界の穢れて、荒んだ言葉では、私の貴女様への思いの欠片にすら値しない。 崩れゆく世界に咲く、一輪の白百合。 たった、ひとつだけ生まれたもうたその御姿や。 世界の理すらも、跪くでしょう。 私はただ、こうして言葉に貴女を見出すもの。 世界の中で、朽ちた酷く爛れた街に、美を貴ぶもの。 もしあ

    • 未定.exe

      元カレに書くみたいな手紙はイヤ。でも書かなくちゃいけないんで。キミは残酷なんだ、やり口とかそのやにクールな性格とか。透かした顔して知らないフリ(ほんとに知らないのかもしれないけど)しちゃうトコ、今ごろ冷や汗かいてるのかな。キミにとってボクという存在は、厄介で爪弾きしたいもんね。あくまでジャッジするのは君だし介在の余地はないからべつにかまわないし。 書くことで誰かにすくわれたいと思うのは醜い。わかってる、この言葉は思春期あたりからどうもいやな匂いを放ったりする。あまい果実は、

      • あさはきらいだ

        4時は嫌いだ。僕がこの世と縁を切ろうとしてるのに鳥が囀り朝を知らせやがる。 僕の息が出来なくて惨めったらしい夜を終わらせようとするのだ。 スズメなんかの鳴き声よりカラスの方がよっぽど安心する。 夜景にもなれやしない住宅街にひっそりと生を知らしめる光を消す時間がやってくる。 ナイフで足を切る妄想ばかりが膨らんでひとつも動きはしない 海に行きたい。人っ子一人いやしない夜の海に。身を投げても誰にも気づかれることのない静かでうるさい海に。 また落とす。やればいいことくらい

        • タイトルを入力してください

          この言葉が誰かの目に触れる瞬間があるのなら、多分きっと知りえない時間の話でしょう。誰かにお礼とか、謝罪でもしておくべきでしょうが、頭のなかにはあとにも先にも、言われようのないモヤで覆われ、こうして筆をとっているその瞬間すらも、わたしという実像はずっとぼやけて掴めないままでした。 関わってくれた皆様に、持て余した幸せと、生きるべきだった時間を少しづつでも分けてから逝こうと思います。墓には花束のひとつもいりません。誰もこなくても構いません。忘れてくれたら、幸いかもしれません。こ

          エモい感情の交差点に立って、冥い深海を憧憬する

          いい文章のひとつでも期待した皆さん、ザンネン。あいにくそんなセンスがあるならとうに詩でも書いてるよ、デジタルの海にでも漂流することなくみんな縋るでしょ。出来のいい言葉には、甘い味がするもんだから、色んな虫が寄ってたかってボクの事だなんて言っているけど、気味悪いじゃん。あんな世界に生きていけるならなんて素晴らしいことかななんて考えはするんだけど、偏屈になればなるだけ自分が賢くなった錯覚で、まるで酒でも浴びたみたいに腫れ上がっちゃったケンジヨクで他人をジャッジして。何も無いことは

          エモい感情の交差点に立って、冥い深海を憧憬する

          バスタブ

           「おかえり」の声が追いかけてくるのに生返事をして、荷物を置こうと扉を開けた。半開きのカーテン、床で三つ折りにしたままの敷布団、積み上げた本と、服。窓から吹いてくる風と、夜なのに確かに仄暗く照らされた部屋の中で、ここが自分の帰ってくる場所なのだと、そう思って、死にたくなった。 バスタブ  しあわせ。だ。ぼくは。五体満足で、病気もしなくて、両親ときょうだいと、祖母は数年前に他界したけれど、祖父にも半年おきには会いに行く。小学も中学も無難に過ぎて、ともだちも数人いる。いじめも

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          遺書(最新版)

          遺書(最新版)

          躁鬱の鬱

          夜になると首が苦しい 少しの圧迫感で別に生命に危険が迫るほどでは無いけれど息がしづらい 胃酸が迫り上がってきそうな予感がしてその度に唾を飲み込む 自分で絞めてるくせに 命日なのだからと自ら苦しんでいる気がする 俺だってアンタを苦しませたいがために死にたいだとか生まれた時点で被害者だとか言ってるわけじゃないんだ アンタが傷つくとわかっていても苦しくて生きていたくなくてそれをわかって欲しくて言ってしまうんだごめん人生が楽しくてしかたがない子じゃなくてごめん選んだわけじゃないの

          躁鬱の鬱