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あさはきらいだ

4時は嫌いだ。僕がこの世と縁を切ろうとしてるのに鳥が囀り朝を知らせやがる。

僕の息が出来なくて惨めったらしい夜を終わらせようとするのだ。

スズメなんかの鳴き声よりカラスの方がよっぽど安心する。

夜景にもなれやしない住宅街にひっそりと生を知らしめる光を消す時間がやってくる。

ナイフで足を切る妄想ばかりが膨らんでひとつも動きはしない

海に行きたい。人っ子一人いやしない夜の海に。身を投げても誰にも気づかれることのない静かでうるさい海に。

また落とす。やればいいことくらいわかってる。でもやらないでそれに苦しめられてるんだから僕の知能はだいぶ低いらしい。

気持ちの悪い色味をした爪が目に入るのが不愉快だ。そうしたのは自分のくせに。

今は別に死にたいんじゃなくて現実から逃げたいってのが一番正しい言葉だと思う。

まぁ、逃げ出せないから死ぬしかないんだけどさ。

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