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全国高校生地方鉄道交流会 in 岬町 その2

前回の記事では全国高校生地方鉄道交流会の1日目、南海電鉄千代田工場の見学について取り上げました。

今回は2日目のフィールドワークと3日目の活性化案発表会をご紹介します。

フィールドワークでは多奈川線沿線や岬町を実際に訪れます。
実際に見ることで事前学習によって作成された活性化案をブラッシュアップすること、同時開催される写真部門への応募写真をしていきます。

中高生の皆さんが岬町で過ごす2日間。
南海電鉄さんの粋な計らいで、普段は加太線や和歌山港線を走っている「めでたいでんしや さち」が多奈川線で運用されました。

深日港駅を出発する7100系「めでたいでんしゃ さち」

2014年に「めでたいでんしゃ」が登場してから多奈川線での入線は初めてとのこと。
事前に南海電鉄さんがTwitterで告知をされていた事もあり、朝から多くの鉄道ファンが多奈川線を訪れていました。

一部の参加者は大阪府立岬高等学校を訪問し地元の高校生と交流。
岬高校は高台にあり、大阪湾が一望できます。

岬高校からの眺め

午後は岬町さんの計らいで「深日洲本ライナー」の体験乗船を行いました。
深日港からは1999年まで淡路島洲本港までのフェリーが運航されており、難波から多奈川までの直通急行も運転されていました。
「深日洲本ライナー」はこの深日-洲本航路の復活を目指し、2016年から主に夏~秋の土日に実証運航されているものです。

深日洲本ライナー(別日撮影)

今回は岬町周辺をぐるっと回る特別航路で海からとっとパーク小島や和歌山県の友ヶ島などを眺めました。

船内から見えるとっとパーク小島(写真右 別日撮影)

フィールドワークでは鉄道の二次交通となるコミュニティバスやレンタサイクルを活用して駅から離れた場所にも足を伸ばしている学生さんや、
沿線のグルメスポットを探索している学生さん、さらには実際に利用者にアンケートを取っている学生さんもいて様々な形で多奈川線と岬町について理解を深めた1日となりました。

岬町内を走るコミュニティバス(別日撮影)

この日の夜が写真部門の提出と活性化案の修正の締め切りでしたが、締切時間間際まで悩み・議論をしていて学校も多かったようです。

最終日である3日目は活性化案の発表会。
この日も午前中まで多奈川線には「めでたいでんしゃ さち」が運行されていました。
会場となった岬町青少年センターにはお暑い中多くの方が聴講にいらしていました。

発表会にはオンライン参加も含め過去最多の11校が参加しました。

11校の活性化案はグルメ列車の運転や洲本市と連携したドラクエを活用した活性化、保護ネコカフェの設置など、
高校生らしい斬新さ思い切りの良さを表現しつつも、
他地域の成功事例や岬町の実情などを織り交ぜたものが目立ちました。

鉄道が好きな人は、例えその動機が趣味であったとしても鉄道に対して絶えずアンテナを張っていると思います。
それが活性化案を作る中で立派な「研究」になり、地域や世の中に役立つきっかけになるかもしれません。
鉄道や観光と世の中との繋がり、裾野の広さをこうしたところからも感じられました。

また、発表は8分という制限時間の中で行われるため、8分間で自分たちの言いたいことをまとめる必要があります。
時間内で表現をまとめる…。というのは大学生や社会人になっても多くの人が苦労するところですが、
多くの学校がほぼ制限時間内に発表をまとめ上げ、練習の跡を強く感じました。

発表後の記念撮影


中高生たちの奮闘の様子は全国高校生地方鉄道交流会の公式Youtubeでご覧いただけます。


今回の企画部門では以下の学校が入賞しました。
【南海電鉄社長賞】
浪速高等学校・中学校
【岬町長賞】
芝中学校・高等学校
【代表理事賞】
成城中学校・高等学校

写真部門の入賞作品は今月31日まで心斎橋ミツヤ心斎橋本店で展示されています。

今回始めて「全国高校生地方鉄道交流会」をお手伝いさせていただきました。
実際に現地で時を過ごす事で、受け入れてくださった南海電鉄さんや岬町の皆様の熱意、そして何よりも参加した中高生の皆さんの真剣さを強く感じ取る事ができました。

現在、日本中でローカル鉄道の存廃について議論がされていると共に「何とか元気づけよう」という活性化に向けた動きも各地で見られます。
その中で若者の視点、考えから何が生まれていくのか。
「全国高校生地方鉄道交流会」での活性化案や気付きが地域や鉄道にムーブメントを起こしていくことを願ってやみません。

「地鉄交流会×多奈川線」はまだまだ続く

そして「全国高校生地方鉄道×多奈川線」のプロジェクトはまだまだ続きます!
今週末23日(日)より企画部門で「南海電鉄社長賞」を受賞した浪速高等学校・中学校の生徒さんがデザインしたヘッドマークが、多奈川線を走れる2200系に掲げられます。
南海電鉄さんのリリース

南海電鉄の支線で幅広く活躍する2200系

多奈川線を中心に和歌山港線や汐見橋線など2200系が走る各路線でも見られるようです。
南海沿線にお越しの際は是非ご注目ください。

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