『「学力」の経済学』を読んで



子供を育てていると必ずと言っていいほど、教育に関して様々な人からの意見をもらいます。

男性でも、女性でも、同じ世代も、上の世代も、ときには子育て経験のない人や、スーパーで出会った知らない人まで、
教育のこととなると自分の専門分野かのように主張されます。それは日本人なら誰でも教育を受けてきた経験があるからこそです。

特に乳幼児を連れた新米ママは、いろんな方向から様々な意見を言われやすく、参考にすることもあれば、否定されたような気がして悲しくなることもあると思います。
私自身は今3人の乳幼児をただ生かすことで精一杯なので、他の人の意見を取り入れる余裕はないのですが笑

また、モンテッソーリ教育やアドラー心理学など教育にも流行がありますし、SNSでもたくさんの情報が溢れていて、自分の子育てに自信がなくなることもありますよね。

そんな中、この本ではあらゆる子育ての疑問に関して科学的統計的に根拠のある答えを示してくれます。


例えば、学習に報酬制度を持ち込んでいいのか。子供の発達のどの段階で教育に投資すべきかなど、親なら誰もが疑問に思うようなことです。


その中でも私にとって印象的だったのが、次の3点です。

①教育に対する投資の効果が高いのは未就学児の時という点。

②子供の学力に対して、学校が担う役割は思っているほど高くないという点。

③統計的にゲームやテレビの時間を制限したところで、増える学習時間はほんのわずかだということ。

以上です。子供達が全員未就学児の今、子供に経験させてあげたいことは何か。
(筆者の中室さんはこの“教育的投資”について、ただ幼児教室に通わせることではないとおっしゃっています。この頃の教育で他の子と差がついたIQ等は、8歳頃までには差がなくなるとのことです。)
長期的に影響が出るのは非認知能力。
うちの長男は3歳ですが大きな音や新しい経験などの刺激が苦手なので様々な経験をして少しずつ世界を広げてあげたいし、その繊細な感覚でたくさんの素敵なものに触れさせてあげたい。
長女は2歳ですが好奇心が旺盛で適応力抜群なので、その長所を伸ばしてあげたい。
8ヶ月の次男はどんな子に育つか分からないけど、とにかく世界を楽しんでもらいたい。

夫婦で話し合って、習い事などではなく、とにかく旅行などの経験に投資をしていこうと決めました。

これからの子供達が成長したら更に悩むことが増えると思います。そんな時に参考にしたい一冊です。


『「学力」の経済学』中室牧子(2015)株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン

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