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掌編小説にチャレンジです。

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思いつきで気ままに不定期で、書いてまいります。お暇な時にでもお立ち寄りください。
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2020年2月の記事一覧

親愛なるnote様、人生最初で最後のラブレター💗

親愛なるnote様、人生最初で最後のラブレター💗

※ 君のことを初めて知ったのは、公募ガイドさんからのご紹介がきっかけに他なりません。

 あれはまだ、去年の暮れの寒い夜の事だったと記憶します。60を前にして失業に追い込まれた私は、周りからの叱責と、将来への不安から「やけのやんぱち日焼けのなすび、色は黒くて食いつきたいが、わたしゃ入れ歯で歯が立たぬ」の心境で近所のツタヤに一時避難を敢行した際、雑誌コーナーで目と目を合わせた公募ガイドさんの、そこは

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貉 むじな

貉 むじな

 間が差した。他になんといえばいいのか?思い浮かばない。蠢(うごめ)く何かが視界に飛び込んだことは、はっきりと記憶する。急ブレーキをかけるなり。急ハンドルを切るなり、その何かとの衝突を避ける手立てはいくらでも有りえた。しかし私は、敢えてそれを怠った。いや怠ったという言い方は的を得ない。むしろ意図して私は、アクセルを踏み込んだ。敵意をむき出しにして、そいつの息の根を止めるために。

 命が宿っている

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