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#52 ゴブリンの秘密の鉱石コレクション

洞窟に着くと、
入り口で待機と指示されていたDanは
お気をつけて、と別れを告げた。


採掘チーム7人とOliviaと私と
鉱石商のPierreさんは洞窟の中へと進んだ。

入り口から数歩入ったところで、
壁面から私達に向かって複数の”何か”
サッとと飛んできて、ふわりと空中で付いてきた。

私は思わずビクッと驚いた。

すると、すぐ後ろから
Miguel(ミゲル)の声がした。
「大丈夫だよ、俺たちの設置したランタンだ。」

まだ明るい入り口付近だったが
よく見ると、確かに飛んできたものは
ランタンだった。

意志を持っているかのように私達一行に付いてきて
辺りを照らしてくれていた。


外の明かりもほとんどなくなって
ランタン蝶と鉱石の装飾ランプ
チームメンバーそれぞれの灯りを頼りに
奥へ奥へ進んだ。

先頭を歩くTonyとGretaは壁や天井を照らしながら
ずっと先の奥を見つつ、慎重に岩を浮かせて動かしたり
分かれ道でAlexの指示を仰いでいた。

それに続くAlexとStuartも同じく壁や天井に目をやりながら
地面とチーム全体を見ていた。

後ろのNoah、Oliver、Miguelは私達3人を気にかけながら
壁や地面、時折後ろを見ていた。


私はすぐ隣のOliviaを視界の片隅に入れながら
呼吸が荒くなっていたりなど
変化が現れないか心配していた。


どこか緊張感を保ったまま
時折静かに話しながら
足場の悪い洞窟の中をゆっくり進んでいった。

しばらくすると、嬉しそうな声が聞こえた。
先頭のGretaが何か見つけたようだった。

「あの横穴の中、何か光ったわ!」

一行は足を止め、Gretaが慎重に穴の中を調べた。
何か数粒を持って、Alexに見せていた。

「やっぱり!ゴブリンね!!Greta、お手柄よ!
Pierreさん、これ、ゴブリンのコレクションでしょ?」

そう言ってAlexが私の斜め後ろにいたPierreに
その粒を渡した。

私とOliviaもPierreの受け取った粒を覗き込んだ。
小さいが、光を受けて幻想的に輝いていた。

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「おぉ!まさに。
この透明感と不規則な形、光沢感、硬度
奥から垣間見えるオーロラの光

これはゴブリンの秘密の鉱石コレクションですな。」

ゴブリン?秘密のコレクション?
皆の態度から察するに、
私だけがわかっていないようだった。

「そうよ。こういう洞窟には
昔、ゴブリンが棲みついていたの。
ココにドラゴンがいたのはもっと前だから
空き家状態のこの洞窟に棲んでたのね、きっと。」

Alexが嬉しそうに見つめる横で
Oliviaは自分が見つけたかった、と悔しそうだった。

鉱石を観察しながらPierreも説明を加えた。
「そうそう。割と最近のものだな。
おそらく100年は経っていない…
ゴブリンは光るモノが大好きでね。

ゴブリンは昔、
こういう洞窟で暮らすことが多かった。
その中で見つけた鉱石のカケラ
集める習性があったようなんですよ。

で、仲間や他の何かに取られないように
ちょっとした穴に隠すんです。」

「なるほど、だから”秘密のコレクション”か…」

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「うん、そうそう。
その横穴には、
まだもう少し隠してありそうですな。」
Pierreは嬉しそうにその横穴を見た。

Alexはすぐに判断し、支持を出した。

「そうね、では二手に分かれましょう。
GretaとStuartさん、Olivierはここに残って、
気を付けて採掘を続けて。
私達はもう少し先まで進むわ。
Noahは3人の前に入ってくれる?

…Pierreさんは、どうします?」

「うむ。私ももう少し進みましょう。」


そう言って、私達はまた奥へと進みだした。



これがゴブリンの秘密の鉱石コレクション
見つけた時のおはなし。
続きはまた次回に。


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