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#45 月の降る夜の灯り

「星に興味があるなら
店内のものを色々と見てごらん。
星を読むことに興味が出てきたら
ぜひ勉強することを薦めるよ。」

「ありがとうございます。
でも占星術って難しそう…」

「それはどこまで詳しく読み解きたいか
依るだろうね。
私は1人でも多くの人に占星術に
興味を持ってほしくて
このお店をやっているのさ。」


「なぜ占星術に興味を持ってほしいのですか?」

「星の読み間違いを防ぐには
色んな経験や立場からの意見が必要だ。
これまでもそうやって
たくさんの人が星を読むことで
精確に読み解けるように修正されてきたんだ。」

「なるほど…」

ふと手元の棚に目をやると
小さな月が並んでいた。

写真 2021-01-21 6 03 04

「これって、月ですか?」

「そうだよ。去年降ってきた月さ。」

「去年?降ってきた!?」

「あぁ、君の世界では知られてないのか…
とある丘には、十数年に一度、
とても綺麗な満月の夜に月が降ってくる。

正確には、月そのものではなくて
月の形をした星ってとこだけど。」

「隕石ってこと?」

「まぁ、隕石の類だろうか。
いろんな星が降る丘なんだよ。」


「面白いですね。
でも、降ってくるって
危なくないですか?」

「雨のように降り注ぐわけではなくて
ふわりと舞い降りてくる感じさ。
だけど、コツンとは当たるだろうね。
私は、翌日に回収に行ったよ。」

写真 2021-01-21 5 24 58

少し影になっている場所にある
この月を見てみると
様々な色に移ろいながら光っていた。


「え、これって、光るの!?」

「もちろんさ。
月は、どんなに暗い夜も
明るく照らしてくれるだろう?」


「色が次々変わってますけど
それにも意味が…?」

「ん?君の世界では月の色は1種類?」

「う~ん。
ブルームーンとかピンクムーンとかは言いますけど
実際に月に色のことではなかったような…
月食とかの影響で色味が少し変わるくらい?」

「そうか。ここでは
そういう色の月も実際にあるのさ。
このライトはその月の様々な色の時に
月そのものに起こる変化も観察
できるんだ。」

写真 2021-01-21 5 57 14

「へぇ、すごい…
この周りのお花はその丘の?」

「そう、その丘のお花や
同じくその丘に降ってきた星達だよ。
正面の大きな花とその横の小さな黄色の花は
月が降る夜には必ず咲いている。

次に月が降ってくるのは11年後の秋だ。
その2種の花はそれまで咲かない。」

「不思議なお花なんですね。
でも、そんな月の降る夜を
11年も見られないなんて残念…」

「小さな星ならしょっちゅう降るよ。
タイミングが合えば一緒においで。」

「ありがとうございます!
ぜひ見てみたい!」




これが月の降る夜の灯り
仕入れた時のおはなし。
続きはまた次回に。


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