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#21 教授のJack(ジャック)

Eveの家を後にした私たちは
その町のメインストリートまで
戻ってきた。


確か…このお家だったかしら。

Olivia、来たことあるの?

来たことはないんだけど
何か扉やあなたの世界から来る人のことで
面白いことがわかったら教えてくれ
って
お家の場所を聞いていたから。


表札はなかったが
インターホンを押してみた。

…はい。

あ、えーと…
Jackさんのお宅でしょうか?

…あぁ。

えっと、Jackさんが
この世界と別の世界を繋ぐ扉について
研究されていると伺ったんですが…

…あぁ。

私、その別の世界から来た者なんですが
ちょっとお時間あればお話伺いたくて。

…少しなら。
鍵は開いてるから入るといい。


ね、ちょっと変わった感じの人でしょ?

Oliviaは苦笑いしていた。
私も苦笑いだった。


Jackの家は1人暮らしには小さくはないが
そこら中に書類や本、物など
研究資料が山積みで狭かった。

今にも崩れそうな山に
引っかからないように奥に進むと
眼鏡をかけた年配の男性
机に向かって座っていた。


その部屋には
見慣れた私たちの世界の世界地図と
少し違和感のある世界の世界地図
があった。

それぞれにピンや数字、
走り書きの単語がたくさん書かれていた。

写真 2020-02-06 14 29 32

Jackさん?とその男性に問いかけると、
顔も上げずに、あぁ。と答えながら
何やら資料を読んでいた。


お忙しいのにすみません。
出直しましょうか?


…いや。
と言って、Jackは、やっと顔を上げた。

10分ほどなら大丈夫だ。
君がもう1つの世界から来た人かね。
君は…Oliviaか。カフェの娘の。


あら、覚えてくださってたの?
お久しぶりね。


一緒にいるってことは
君はOliviaの街の扉から来たのか。
興味深い…


と言って、黙ってしまった。
私たちは顔を合わせて少し待ったが
Oliviaは我慢できずに聞いた。

何が興味深いの?

君の街の扉は男性が来る割合が高い。
君の街は都会的で
シックなものが多いから
男性の好みに合うのだろう。

一方、この街は女性が多い
きっとこの街の妖精の森
女性の好みや信じる世界と近いのだろう。


え、そういう違いで
扉が決まってたんですか…
どの扉から来れるかは
ランダムとかではないんですね。


あぁ。
あの街に通じる女性も
珍しいほどではないが
割合は少ない。3割ほどだ。


確かに、男の子が多いわね!
女の子なら、30代以上のお姉さんが多いわね。
言われてみれば、
あなたくらいの歳の子は珍しいかも。


あぁ。
Jackはまた無愛想な返事を繰り返した。



これが教授のJack(ジャック)と
出会った時
のおはなし。
続きはまた次回に。

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