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教員免許を一種免許から専修免許にしよう(後編)

後編では,単位修得後の手続きについてまとめていきます。


前編はこちらです。前編では主に,取得までの準備(都道府県の規定の確認,単位修得の準備,考え方)についてまとめています。



1 単位を修得できたら

単位を修得できたら,まずは何をすればよいでしょうか。都道府県の教育委員会に申請するために必要な書類を取り寄せなければいけません。

引き続き,私の場合の鹿児島県教育委員会をベースに説明します。

以下のような必要書類についてのまとめが県教委のHPにあります。

https://www.pref.kagoshima.jp/ba03/kyoiku/saiyo/menkyo/documents/46948_20221018092749-1.pdf


鹿児島県教育委員会HPより

画像では小さくて見づらいですが,「上級免許状を申請する場合」の「教諭免許状」の欄に今回は該当します。

というわけで申請に必要なの(鹿児島県2021年の場合)は以下のものです。

① 申請書
② 人物に関する証明書
③ 実務成績証明書
④ 身体に関する証明書
⑤ 学力に関する証明書
⑥ 基礎となる教員免許状の写し
⑦ 免許状返信用封筒
⑧ 手数料

ちなみに,今回は「卒業」しているわけではありませんから,「卒業証明書」(上から5番目の〇)ではありません。ひとつずつ見ていきましょう。


2 ⑤ 学力に関する証明書

順番に見ようって言ったじゃない!と言わずに…
コレは放送大学に発行してもらう必要があります。
放送大学のシステムの中に証明書発行の様式がありますので,それを用いて発行してもらいます。

様式を書き,お近くの学習センターに持ち込むか郵送で,手数料200円を支払います。一言電話で確認しておくとスムーズです。ただ,発行までに2週間ほどかかります。このため,免許の申請ができる状況になったらまずこちらの手続きをすることをお勧めします。つまり,持ち込んでもその日に手に入れることはできず,後日郵送してもらうことになります。

教員免許状申請用の単位修得証明書、資格関係の単位修得証明書、大学院受験のための調査書等は、『諸証明書交付願』に所要事項を記入のうえ、手数料と返信用封筒(切手貼付、宛名明記)を同封し、所属学習センターへ申請してください(郵送先は日本国内に限る)。なお、証明書の発行には2週間程度かかります。発行に要する日数を十分考慮し申請してください。

放送大学からの連絡メールより

郵送でも請求できます。この場合は返信用の切手・封筒も必要です。わたしはこちらでやりました。84円でも十分ですが,複数通請求する場合は94円にした方が安心です。


3 ④ 身体に関する証明書

次に動いた方がいいのはこちらです。
例えば鹿児島県教委ではこのような様式が用意されています。

※以降紹介する様式は,私の申請当時(2021)のものです。最新版はこちらにあるようです。


鹿児島県教委HPより

見てのとおりですが,簡易的な健康診断書です。このため,健康診断を受けに行く必要があります。医療機関にこのような内容での健康診断が必要で,証明が必要である旨説明して,予約を取っていく形になるでしょう。その際は様式を持参する必要もあります。というわけで,すぐに休みが取れなかったり,医療機関の予約が取れなかったりするケースもあるので,早めに動いた方がいいものです。ここで「3か月以内」という縛りも発生するので注意しましょう。

大体ここで,3000~4000円程度の支払いです。


4 ② 人物に関する証明書

次に動くのはこちらです。


鹿児島県教委HPより

さあおわかりですね。所属長(校長)の観察・コメントが必要です。これは大変…

所属長に,上級免許の申請をしようとしている旨説明して,記入をお願いするなりしなければなりません。よほどのことがない限り断られることはないと思いますが,所属長も忙しいでしょうからなかなかお願いしづらいかも…

職員評価や面談とのタイミングとかこつけてお願いするのもいいかもしれません。とはいえ,これ現職の教育職を離れている方だとますますやりにくいシステムではあります。

5 ① 申請書

申請書はこちらです。実質,申請+履歴書です。


鹿児島県教委HPより

所定の様式に記入します。(手数料は後述します)

鹿児島県教委HPより

履歴書は普通に書きましょう。ただ,私の場合,放送大のように選科などで在籍したものも,この申請には関係あるので記入しました。


6 ⑧ 手数料

都道府県ごとに多少違うとは思いますが。上記の様式で⑧手数料を支払うことになります。私の場合は5000円。県外在住なので,郵便為替を購入,貼り付けるのはあれだったので,別途その旨記載して同封しました。

普通為替でいいです。あまり使ったことがない人は,申請先窓口にも確認したほうがいいと思います。

ちなみに鹿児島の場合,県内在住であれば収入証紙でいいようです。

収入印紙じゃないですからね!


7 ③ 実務成績証明書

もうすこしですよ!


鹿児島県教委HPより

履歴書とも似ていますが,勤務について書きます。

8 ⑥ 基礎となる教員免許状の写し

免許状のコピーです。私の場合は高校理科の一種免許状です。免許更新が住んでいる場合は,その証明書もコピーしましょう。

そのうえで,原本証明が必要です。各職場の原本証明の仕方があるとは思いますが,おおよそ「原本と相違ないことを証明する」というような記述やゴム印で記載した後,学校長印などで証明する形になるはずです。管理職や事務に確認しましょう。とうぜん,裏表すべてしょうめいするのはお忘れなく。

9 ⑦ 返信用封筒

免許状は,鹿児島県の場合A4サイズですから,それに応じた封筒が必要です。切手の代金などは,郵便局に確認して貼り付けておきましょう。自分のあて名を書くのもお忘れなく。角形2号ですから120円でもいいですが,なにか関連の書類が入るとオーバーしそう,という場合には140円です。

10 ところがどっこい

さあ,いままでの様式を見ていただければわかる通り,「県立高等学校勤務ならば証明不要」との記述があるので私はそのまま送ったんですが,後日教委から「他県の高等学校勤務なので」,「勤務県の所轄庁の証明が必要」と伝えられ,差し戻されました。くぅーっ!

というわけで,またこの旨を岐阜県教委の免許状の担当さんに伝えました。証明をいただけるということになったので②③④を岐阜県教委に返信用封筒を同封の上送りました。その後,暫くして証明済みのものが返送されてきました。

というわけで,
・こちらから鹿児島県教委へ送る簡易書留140+320円
・こちらから岐阜県教委へ送る簡易書留140+320円
・岐阜県教委から戻ってくるための返信用封筒140円
のお金が余計にかかっちゃいました…

11 揃った!!送ろう!

ここまでのものが全てそろったら,(今度こそ)送りましょう。
簡易書留でいいかなと思いますが,レターパックでもあまり大きく値段は変わりません。

簡易書留で140円(角形2号,書類多いので)+320円です。

しばらくすると,返信されてきて,無事獲得です。お疲れさまでした。


12 というわけで,かかったお金は

放送大1年×2(入学金) 9000×2=18000円
放送大の単位×16 11000×16=176000円
(2単位1科目で,最低限)
手数料 5000円
学力証明書手数料 200円
学力証明書送料・返送料84+94=178円
健康診断4000円
申請書等送料・返送料660×2=1320円

計 204698円

まあ,だいたいですが,20万円というところでした。


13 まとめ


じゃあ上級免許を取ってどうするか?
私の場合は,大学院に行けず専修免許が取得できなかったことのコンプレックスの解消が主な目的です。

給料上がる?基本的に給料は採用時の年齢・最終学歴に依存するので,上がりません。(今後の昇給に多少影響するという話も聞きましたが不確かです)

管理職になる場合に必要なこともあるようですが,あまりそういう気はないです…

なにはともあれ,

生徒に勉強しろ勉強しろという教員が勉強する姿勢を見せるのは大事なんじゃないですかね?

といった感じです。それでは。