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「noteに反応してくれるみなさん、ありがとう」という話

noteを更新していると、いろんな人にわたしの書いた文章を見つけてもらえる。ほんとうに便利な世界だなぁ。さっきまで、まだわたしの心の中にしかなかったものが、言葉にして発信した瞬間に、だれかのもとに届く。

中にはその人の心の中にうまいこと潜り込んでいって、何かしらの作用をもたらしたりもする。ときにはそれが「いいね!」になってわたしの元へ届き、そのたびに、がんばって言葉にできて、世に出せて、うれしく思う。

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中学3年生の頃、それに近い体験をしたことを、今でもおぼえている。修学旅行で広島の平和記念公園に行ったあと、学校に戻ってきてから授業で作文を書いた。具体的にどんな内容を書いたか、まったく思い出せないのが自分でももったいないなぁと思うんだけど、それまでに書いていた作文よりもとにかく「よく書けた」文章だった。

先生から原稿用紙が配られて、なんて書こうかなぁ…と考えていた。修学旅行の中で、「平和」というテーマで書くべきだろうなと漠然と思った。けれど、戦争の悲惨さを実感しました、とか、平和な世界を守りたいです、とか、そういうことは「なんかちがう」気がした。そこで、うーーん…と記憶をたどって、修学旅行中にほんとうに感じたことは何だろう、何を見てどんなことを思ったんだっけ、というのを思い出そうとした。

たしかそれで書いたのが、広島で見かけた地元の人たちの「あったかさ」についてだった。まちを歩く人たちの方言混じりの言葉だったり、身にまとう空気だったりが、なぜだかいつも自分のいる町よりもあったかく感じたということについて書いた。

そして、移動中の路面電車でのとある出来事について書いたことも、おぼえている。3人グループで移動していたら、車内で1人の女性と相席になった。「修学旅行で来たの?何年生?」と聞かれ、わたしたちが答えると、「あらそう!」と言ってそのあともいろいろな話をしてくれた。途中で「廿日市(はつかいちし)駅」に止まったときには、「廿日市っていうのは、毎月20日(はつか)にここで市場が開かれていたから、こういうんよ」とおしえてくれた。

きっと当時のわたしにとっては、その些細な出来事が、原爆ドームを見たことよりも、平和記念公園で参拝したことよりも、いちばん「書きたい」ことだったのだろう。そしてそうした体験について1つ1つ書いていくうちに、本題である「平和」というテーマと自分の考えが、だんだんと自然に結びついていった。自分の内側から引き出された言葉で完成させた作文は、ほかのだれのものでもない、自分のものという気がして、うれしくてたのしかった。

その作文は、気づいたら学年の月次通信(毎月配られるパンフレットみたいなやつ)に、代表して載っていた。それを読んだという友だちが、別のクラスなのにわざわざ教室まで報告しに来てくれたことをおぼえている。家に帰って親に渡したら、めずらしく褒められた。

自分のありのままを、きちんと伝えられれば、だれかの胸に届くことがある、ということを知った貴重な機会だった。

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それっぽい文章を書けば、作文になる。一体いつからそんなことに気づき始めるんだろうと、ふと考える。小学生の頃の「なつやすみの日記」も、8月31日に必死で40日間分の日記を偽造することがあるくらいだから、そのときからもう身につけているものなのかもしれない。書くことは、ただの義務になったら途端に重荷になるし、全然たのしくないよなぁ。

最近はnoteを書くとき、白紙の画面を目の前にすると、「問われている」気分になる。「あなたは今日、なにを感じたんだい?」「どんなことを思っているんだい?」「これからどうしたいんだい?」と、ひたすら問うてくる。

「えー、わたしも知らないよぅ。」と言いたくなるときもあるけれど、その1日で経験したいろんな場面を、大小によらず蘇らせてみる。そうすると、「あ〜、あれなら書いてもいいなぁ…」と思うようなことが1つや2つあって、おそるおそる、パチパチと文字を打ち始めてみる。最近は「素直!素直!」と自分に念じながら言葉をえらんでいるので、これは自分の言葉じゃないなぁとおもったときには、容赦なくデリートキーで文をもどす。そういうふうにして、やっとできあがった文章を見ると、なんだかとってもゴツゴツして見える。自分という、まだイビツな状態のものが、そのまま表れたようなかんじ。

そんな状態の文章を世に出そうというのは、わたしにとって、実はなかなか勇気のいることだ。大げさかもしれないけど、覚悟を決めること、といってもいいかもしれない。だから、そんなのに「いいね!」をくれる人がいて、もしくは「いいね!」をしなくても、何かしらの気持ちになってくれる人がいるというのは、わたしにとってはものすごーーく不思議なのだ。

そのたびに、覚悟してよかったーと思います。また覚悟してやろう、っていう気にもなる。だからほんとうにありがたいのです。

それでは。

(もう2時だ…!)おやすみなさい。

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