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息子が急性散在性脳脊髄炎になって倒れた話32

長男が倒れて19日目。

前日に脳波計測を行い、炎症があった脳の右側はまだ痙攣と思われる怪しい波が計測された。

しかし、現在服薬している薬で症状は抑えられている為、影響が出たら服薬量を戻すという前提のもと、予定通りこの日の朝の服薬分から減薬を開始した。

前日、保育園の園長先生からお見舞いを頂いた。

そこには絵本が大好きな長男のためにたくさんの絵本と、長男のクラスのみんなと担任の先生からのメッセージカードが添えられていた。

この日の面会は夫が向かう予定だった為、絵本とメッセージカードを託し、私は仕事へ向かった。

減薬の影響が出るのでは無いか、というそわそわした気持ちにかられながら、午後の面会時間を待つ。

仕事を終えて会社を出るころ、夫から連絡があった。

保育園のみんなからのお手紙と絵本、本当に嬉しかったみたい。
『今日保育園に行きたい!』って言ってたよ。
熱はまだ下がって無いみたい。身体を触っても熱く感じないし、元気そうなんだけどね。

この日までの間に、作業療法士の先生と行っていた『手先の動きと思考力のリハビリ』の完了報告を受けていた。

発達についても『4歳相当で問題無いと思います。』と言ってもらえた。

動き回れる環境では無い為、筋力の回復は完璧とは言えないが、普段の生活をするのには全く問題無いところまで回復していた。

このまま、あと数日なんの影響も出なければ退院出来るのだ。

ただ、波はあるもののずっと続いている微熱だけが気になっていた。

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長男が倒れて20日目。

この日から週末のため、次男を連れて行った。

片方は次男と目一杯遊び、もう片方は長男へ会いに行く。

先に私が面会へ向かったが、減薬から24時間経つが特に影響は出ておらず、元気に過ごしていた。

熱も下がったと報告を受け、ホッとした。

部屋に入り声を掛ける。

少し寂しそうにしていた長男が、私の声を聞いてぱぁっと笑顔になった。

「ママっ!」

この声を聞けるだけで、こんなにも嬉しく、胸が苦しい。

「長男くん。あと少しだよ。まだ分からないけど明日色々検査して、問題無ければ明後日おうちに帰れるかもしれないよ。」

先生や看護師さん達からも聞いていたのだろう。

はにかんだ笑顔を見せてくれた。

その後は退院したら食べたいものや、行きたい場所、やりたいことをたくさんおしゃべりした。

「おうちかえったらねぇ、ハンバーグとー、カレーが食べたいの。あとミートソースのスパゲッティをママと一緒に作るんだぁ。」

「ホットドックも作りたいんじゃなかったの?」

「ううん、ホットドックは買うんだよー。」

「そうかぁ、じゃどこで買おうか。」

遊びながら、抱っこしながら、抱きしめながら。

「ママひとりじめしてー、デートするんだよ。」

「いいよー、どこ行きたいの?」

「ディズニーランドとー、すいぞくかん。前にすいぞくかんで買ったピンクのペンギンさんのお友達買うの。」

寂しい気持ちを未来の希望へ変換するようにたくさんたくさんおしゃべりをした。










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