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恋心

この黄金色の午、
いまあなたは一体何処に居て、
何をしているのでしょう

何を考え、何を想い、
次の一秒を
或いは、誰と共有するのでしょう

吐くように泣く、その相手は貴方、
いま此処に居ない貴方

わたしがいつも見つけるのは、
すべて貴方の過去
とうの昔に落ちた砂時計の一粒
それを拾う時、
その切なさと言ったら

その時だって、
たしかにわたしは何処かに居て、
貴方だって何処かで何かをしていた

貴方と同じ歳に並ぶ、しかし当然ながら
貴方だって同じくらいの時間を食べて、
生きている
過去に遺る貴方の面影と
心の中で比べてみても
やっぱり遠すぎて
それでお話をしてみても、
やっぱりあなたは過去の貴方で、
いまの貴方ではないのだ

それが哀しくて愛しくて悲しくて、かなしい

その貴方なら、わたしは
いくらだって触れるし話もできるけど
でも、ほら
きょうもやっぱり
わたしは泣いている

わたしに価値はありますか
わたしを愛してくれますか
わたしを見つけてくれますか

あなたの名前を幾度も口にする
その度どこかが音を立てて消えていく
あなたの名前を口にする
その度にどこかで今日も何かが生まれる

あなたの名前を呼ぶ
私の名前を呼んで
あなたの声で聴きたいのです
それはきっと
私の光
過去から未来まですべてを照らす
それは
あなたの信じない永遠の輝きとなって
私を強く支えてくれることでしょう

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