未完のメッセージ

いつあなたはむかえにきてくれるの
窓の向こう 見えない姿、声
まだ私がとても幼く
物心もつく手前の話

あなたのことをドロドロに甘やかしてあげる
あなたが望むなら何だってかんだって
だから私を傍に 私の名前を

嗚呼、あなたの唇を塞いでしまえばいいんだ
いっその事
何もかも終わりにしてしまえ、ぐちゃぐちゃに壊してしまおう
いつまでもシーソー 私一人、降りなれないまま

お笑い種だよ、こんなの
だってあなたには私の姿
見えていないんだもの

お風呂をあがってふと掠めた
肌の匂い、浮かぶ面影

嗚呼、あなたの瞳を塞いでしまえばいいんだ
いっその事
何もかもこの手で覆って、私でいっぱいにしてしまおう
いつまでも隠れんぼ あなた一人、待ち続けている

「バカみたい」
不意打ちで
零れた言葉が決定打
それでも

どんなにみっともなくて
恥ずかしくて
滑稽にしか映らないとしても
消せないよ
あなたが私のぜんぶだから

あなたにならいつだって殺されてあげる
でも、どうか
完全犯罪でよろしくね

私の骨、一つくらい
粉々に砕いて食べて
そうしたらあなたと一緒
あなたの細胞のどれか一つに
こっそりと潜んで
あなたをあらゆるものから守るよ
私の目の前で情事を繰り広げる時はひとこと言っておいてね
その間だけ目を閉じて
お邪魔しないよう眠っているから

あなたの幸せを祈っている

目を閉じて最初に浮かぶものは何
目を閉じて最初に浮かぶ景色を教えて
色は、顔は、
それとも誰かの背中?

あなたの世界を見たい
あなたの生きている世界を知りたい
私はもう足りなくなっている
もう人一人分の景色では
物足りない
いっそあなたの心臓に成ってしまいたい
そしてあなたが事切れの瞬間を迎える時は
私も一緒に行きたい
私も一緒に、どうか ねぇ
連れいていって

呼べばいつだって来てくれたよね
呼べばいつだって優しく答えてくれたよね
全部がもう遠い、
なんて遥か向こうの世界
逆を言えば
私がその距離の分だけ
歩いて来たということ

なんて足元の覚束ない地で
慣れない器をなんとかモノにして
それなりに人らしく成って来た
だけど大抵そういう所で
終わりを告げる使者はやってくる
それなら最後に一言
あなたにだけ伝えたいことがある
それはね、


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