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YouTube書評『エンジェル』石田衣良

長編推理小説、2002年発行。

タイトルに意味が無い。
テーマにリアリティーが無い。
小説の構成に問題あり。
推理小説のタブーを犯している。

小説に気合がなくて、ひょっとして作者はこの作品を書きたくなかったのではないか、と邪推してしまう。たまたまいくつかプロットを出版社にプレゼンして、ヤバいことに一番書きたくないのを依頼されたぜ、みたいな。

251、『エンジェル』石田衣良。誰も言わない感想と文章の分析。


この動画の台本を公開

著作憲法をよく理解した上で教育目的で引用しています。
今回の引用はほんの少し
本は作者の為に古本屋ではなく本屋で買おう
 
本を読みたい人ではなく、本を書きたい人の為の書評
当然ネタバレあり
「エンジェル=ある種の投資家のこと」
推理小説
企画が通りやすい
需要が多い
書いている方もわくわく楽しい
 
世界初の推理小説?
エドガー・アラン・ポーの短編小説『モルグ街の殺人』(1841年)
  
タブー
安易なストーリーになりがち
よっぽど上手く書けていればいい
 
警察が犯人、映画『レッド・ヴァイオリン』
顧問弁護士が犯人『エンジェル』
医者が犯人
子供が犯人『マリアビートル』
  
リアリティーチェック
現代において、健康な妊婦が出産時に亡くなる可能性は、限りなくゼロに近い
主人公が生まれる時、主人公の子供が生まれる時
どんなに破天荒なファンタジーにもリアリティーは必要
論理的で冷静な視点を持つ
弁護士の長い告白、小説の構成を崩している
 
コピーライター出身
レトリック?
繰り返される意味のない言葉
「光」「金」P.43「底知れぬ光の渦」P.45「金色の光に包まれる」P.48、53、61「光の渦」P.55「金色の光がおりてくる」P.75「金色の光の渦へのまれるていった」P.79「光が溢れ跳ね散った」
「闇」「黒」P.61「黒光りする天井」P.142「黒い輝き」P.284「暗闇」

台本

ストーリーの流れを書いてみた
  
ページ数は集英社文庫 2009年発行
P.7空には無数の星とガラス片で削った三日月。(作品より引用)
P.18、19見事にリアルな出産のシーン
P.20父子の冷ややかな関係
P.34主人公の楽しみのない人生
P.36首吊り自殺した人を見る
P.40殺されて埋められた主人公が自分の人生を客観的に見ている
P.43父と子の冷めた関係
P.47悲劇的な初体験
P.50親子の縁を切られる、父親の弁護士登場
P.52一人で生きて行く決心
P.69未来へと転落していく、(優れた表現)
P.76二年間の記憶を失う
P.80幽霊としての生活の楽しみ
P.83自由に踊る
P.83自分以外の幽霊に出会う
P.89情けない人生、情けない幽霊
P.104優れた描写。(車が)躾のいい猟犬のように停められている。(引用)
P.108優れた描写。……ホテルの虫食いの窓……(引用)
P.115幽霊の自分は単なる傍観者
P.116死後も自殺はできるのか
P.145生と死、光と闇
P.216映画プロデューサーに「もう成仏してくれ」と言われる
P.236主人公の子供がお腹の中で順調に育っている
P.245もっと生きようと思う
P.246幸福を感じる
P.262弁護士の長い告白
P.274弁護士が、自分の殺した主人公と、主人公の父親の幽霊に会う
P.275弁護士の自殺。主人公とその父の和解
P.278木戸崎の告白。「天使」という言葉が出て来る
P.287白い光の玉、完璧な漆黒(引用)
P.288文緒のお産のシーン
P.293シロツメクサ。印象的なシーン
P.294生き続けたい、と願う
P.295自分の子供として生まれ変わる

『エンジェル』

動画の長さ 24:49

00:00 初出は2002年
01:30 タイトルの意味が曖昧
04:38 作品への気合が薄い?
06:28 プロットというもの
09:20 推理小説におけるタブー
11:54 この小説の構成における問題点
14:06 書評ってなに? 言論の自由?
14:48 フィクションにもリアリティーが必要だ
19:49 非常に優れた描写
20:47 理解が難しい「光」と「闇」
22:15 作者の思惑について
23:08 お互いの小説について正直な発言をしよう

YouTube「百年経っても読まれる小説の書き方」


動画が20作入った再生リスト、書評「誰も言わない感想と文章の分析」
夏目漱石、高村光太郎、梶井基次郎、芥川龍之介、太宰治、江戸川乱歩、川端康成、村上龍



YouTube「百年経っても読まれる小説の書き方」

今日のNo.3
103、三島由紀夫『金閣寺』のイメージで映像制作をしました。

今日のNo.2
42、三島由紀夫を理解するために必要なたった一つのこと #shorts

今日のNo.1
251、『エンジェル』石田衣良。誰も言わない感想と文章の分析。

こんな動画を創って、石田衣良ファンに殴られる……

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