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みちのく潮風トレイル 公共交通情報 八戸市~久慈市(HikingMapBook-1)

こんにちは。岩手県宮古市を中心に、みちのく潮風トレイルや三陸ジオパークのガイドをしている人です。

みちのく潮風トレイルを歩く際に利用できる公共交通機関の情報をまとめています。
この記事では、「八戸市~久慈市(ハイキングマップブック1)」の範囲を紹介します。

みちのく潮風トレイルの攻略にとって現実的に活用ができるもの以外は紹介していません。
(自治体の地域バス・住民バスは、ケース・バイ・ケース)

いわゆる「ダイヤがあって」「乗合」の性格があるものを選んでいます。
「観光タクシー」や自治体の地域バス「オンデマンド運行」についても、一定のダイヤにより定期的に運行されていて、自分以外も同じものに乗車する可能性がある「乗合」の性質があるものは、選択肢に入れています。
(よって、一般的な「タクシー」は除外)

情報ですので、文字しかありません。写真も画像も1枚もない記事です。あしからず。
おおむねハイキングマップブックでの地域ごとに、利用できる公共交通を紹介しています。
同じ言葉がたくさん出るので、以下の略称を使っています。

・MCT→みちのく潮風トレイル
・SOBO→南向きルート
・NOBO→北向きルート

(2022年7月時点での情報で書いています。あくまで記載の情報は目安として、各自の自己責任にて充分な調査や計画のうえで行動に臨んでください。記載内容の正確性や、記載内容を参考にしたことにより生じたトラブルや事故等について、当方は一切責任を負いかねますのでご了承ください)


■鉄道

・JR八戸線

東北新幹線の八戸駅から、岩手県の久慈市まで海沿いをたどる路線。
鮫駅~陸中中野駅はMCT本線と並走するため、セクションハイクのスタートゴールの区切りとして使いやすい路線。
非電化路線なので「電車」ではなく「汽車」である。人によっては言い分けにこだわる場合がある。

八戸駅~鮫駅は通勤通学路線なのでローカル線にしては本数が多いが、鮫以南は極端に本数が減る。
基本的にワンマン運転で、ほとんどの駅が無人駅。

数両編成(普通は2両)で運行されるが、始発駅を除いて先頭車両しかドアは開かない。また、ドアは自分でドア横のボタンを押すまで開かない。

乗車時は、先頭車両の後ろ寄り側のドアから乗ることしかできない。
車両の真ん中にもドアがあるのだが、これは困ったことに外からボタンを押してもそもそも開かない。
つまり、「先頭車両の後ろ寄りのドア」の横にあるボタンを押すまでは、永遠に汽車に乗れない。

ホームで待っていて、汽車が駅に停車しても、ドアは勝手には開かないし、車両とドアを間違えると、ボタンを押したとしてもやっぱり開かないという、なかなかの恐怖。くれぐれも、乗車できずに置いていかれることがないように。(実際、乗車ドアが開かずに旅行者が戸惑う姿はたびたび見かける)

無人の駅では、乗車時に車内で「乗車票」(路線バスの整理券のようなもの)を取って、降車の際に運転士の運賃箱に運賃を支払いする。運賃は、乗車票の番号と車内の運賃表を突き合わせて確認する。切符がある場合は、降車時に切符を運賃箱へ入れる。
必然的に、降車時は必ず、運転士がいる最前列のいちばん前のドアから降りることになる。他のドアからは降りられない。

大事なことだが、1000円札と硬貨以外は両替できない。1000円札か小銭をしっかり持っておくこと。
言うまでもないと思うが交通系ICカードは使えない。JR東日本だからSuicaで払おうなんて油断していると途方に暮れることになる。

乗った汽車のどれかの車内に必ずトイレがある。

とりあえずJR東日本の案内をよく読んでおくといい。

https://www.jreast.co.jp/morioka/onemancar/

・三陸鉄道(久慈)

岩手県の久慈市久慈駅から大船渡市の盛(さかり)駅までを結ぶ第三セクター鉄道。昔は北リアス線、南リアス線に分かれていて、間はJR山田線だったが、震災後に全線が「リアス線」として一本化された。通称は三鉄(さんてつ)。

多くの部分でMCTと並走しており、岩手県内を歩くときには活用することが多い。非電化路線なので「電車」ではなく「汽車」である。おおむね1時間~2時間に1本ぐらいの運行。宮古か釜石どまりの本数が多いが、全線を通す列車もある。
基本的に全線ワンマン運転。一部の駅以外は無人駅。(売店などに改札を委託している駅もある)
1両編成か2両編成のことが多い。通常、始発駅を除いて先頭車両の先頭ドアしか開かないが、自動で開く。乗るのも下りるのも先頭車両の1番前ということ。

乗車時に「整理券」をとり、降車の際に運転士の運賃箱に運賃を支払いする。運賃は、整理券番号と車内の運賃表を突き合わせて確認する。切符を買ってある場合は、降車時に切符を運賃箱へ入れるか運転士に見せる。
高額紙幣でも両替できるが、運転士にお願いすることになり時間や手間をかけてしまうので、なるべく1000円札以下を用意しよう。
もちろん交通系ICカードは使えない。

ラッピング車両やレトロ車両も多いが、特別列車以外は、追加料金はない。
全車両にトイレがある。

https://www.sanrikutetsudou.com/?page_id=16481

久慈駅が北端なのだが、久慈駅はMCT本線から遠い。なのだが久慈の南は陸中野田駅までMCTから離れてしまうので、やっぱり久慈駅を使わざるをえない。モヤモヤする。

https://www.sanrikutetsudou.com/

■バス

・ワンコインバスうみねこ号(八戸市営バス)

八戸市営バスの一路線だが、観光のため種差海岸駅と鮫駅の間をワンコインで結ぶ路線。
種差海岸では、種差海岸駅よりも、種差海岸インフォメーションセンターのバス停のほうが便利。
中乗り、前降り。降車時支払い。
運行期間、運行日が限られているので注意。冬期は少ない。

八戸市営バスは、1000円札と硬貨以外は両替できない。1000円札か小銭をしっかり持っておくこと。また、交通系ICカードに対応しているのでSuicaは使える。

https://www.city.hachinohe.aomori.jp/section/bus/onecoin_uminekogou.html

・階上町コミュニティバス

路線はいくつかあるが、MCTルートにとって最適な路線はなく、おそらくMCTで使うことはない。

https://www.town.hashikami.lg.jp/index.cfm/7,0,72,225,html

・南部バス(岩手県北バス)

八戸周辺と階上町の一部に路線があるが、MCTルートとはあまり関わりがなく、おそらく使うことはない。
可能性があるとすれば、本八戸駅から階上庁舎への路線が、階上岳の鳥屋部登山口にあたるフォレストピア階上の前にある登山口バス停を経由するので、階上岳をセクションで区切るなら。

http://www.nanbubus.co.jp/routebus/timetable/images/zensen.pdf

・岩手県北バス(久慈海岸線)

久慈駅から小袖海岸を経由して陸中野田駅を結ぶ久慈海岸線がある。
このバスが、久慈の漁港付近MCT本線から、離れた場所にある久慈駅、道の駅くじ(やませ土風館)も結んでいるので、状況によってはMCT本線から久慈駅周辺へのアプローチに活用できる。

県北バスはICカードに対応している。基本は中乗り前降り。(たまに観光バスタイプの前乗り前降りの車両もある)

http://www.iwate-kenpokubus.co.jp/regular/map/north/


■駅やバス停

・八戸駅

MCTとは接していないが、東北新幹線の停車駅。しかし、八戸市で宿泊施設や商業施設が発達している市街地は「八戸駅」ではなく、八戸線に乗り換えた「本八戸駅」周辺なので、宿泊先を選ぶときには注意。

・本八戸駅

八戸市の中心市街地にある。宿泊施設は、ほぼ本八戸駅周辺にある。みちのく潮風トレイルを蕪島スタートで考えている場合は、本八戸で前泊して備えるのが基本だろう。「ほんぱち」とか「ほんはち」と略されることが多い。

・鮫駅

みちのく潮風トレイルの北側ヘッド/エンドである蕪島の最寄り駅。駅前に鮫のモニュメントがあり、鮫に食べられた状態の記念写真を撮れる。駅から15分ほど歩けばもう蕪島。駅前に駐車場はないが蕪島に無料駐車場がある。
八戸市営バスのうみねこ号もここまで来るが、うみねこ号は蕪島前も通るので、蕪島からの利用のほうが現実的なようにも思える。うみねこ号のバス停は駅前ロータリー内ではなく、蕪島側に80メートルほど進んだ先の道沿い。

・陸奥白浜駅


夏に大須賀海岸の砂浜の暑さでトラブってリタイヤという緊急以外では、種差海岸駅を使うべき。SOBOでしょっぱなのこの駅でリタイヤする事態になるようなら、時期尚早ということ。もう少しトレーニングなり経験を積んでからみちのく潮風トレイルに挑むほうがいい。

・種差海岸駅


MCT本線から脇道に折れてすぐ。駅から目の前が種差海岸。ちょっと北の手前に種差海岸インフォメーションセンターがある。種差海岸インフォメーションセンターと、種差海岸駅のすぐ近くのトレイル上に、無料駐車場がある。八戸市営バスのうみねこ号のバス停もあるが、うみねこ号を使うなら、種差海岸インフォメーションセンターのバス停のほうが利便性が高いだろう。

・大久喜駅

MCT本線から脇道に折れてすぐ。民家の裏にポツンとある特に何もない無人駅だが、SOBOの場合、この駅から南は駅間距離が開くので、時間調整で大久喜駅まで小刻みに距離を稼いでおく、ということはあるかもしれない。
NOBOの場合は、ここまで来たなら種差海岸なり蕪島までもうひと踏ん張りしてしまうほうがどう考えても賢明。

・金浜(かねはま)駅

MCT本線から数百メートル坂を登る。セクションの区切りに使う可能性はあり。市営バスのバス停もあるが、MCT沿いは本数が1日1本なので、事実上、MCTでは使うことはないだろう。

・大蛇(おおじゃ)駅

「だいじゃ」ではない。MCT本線から数百メートル。セクションの区切りに使う可能性はあり。小さい駐車スペースがある。

・階上駅

MCT本線からすぐ。駅前にトイレ、駐車スペースあり。かつて使われていた腕木信号がある。北からここまで青森県。SOBOで階上岳に挑むときは階上駅からスタート、NOBOの場合は階上岳から下りてきてここでゴール、ということが多くなるだろう。

・角の浜駅


ほぼルート上にあると言っていい。何もない駅だがセクションハイクで階上岳を一気に攻略するなら、この駅と階上駅で区切るのが現実的となる。南からこの駅までは岩手県。

・平内(ひらない)駅


MCT本線から数百メートル。南北どちらにも3㎞ほど歩けば、区切りがいい角の浜駅なり種市駅なりに出られるので、緊急以外では利用することはないだろう。

・種市駅


場所も近いため、初見の人には「種差」とこんがらがるかもしれない。
ほぼ本線上にあり、洋野町の中心駅。トイレあり。駅員もいる。駅前に無料駐車場あり。駅の北に市街地を100メートル足らずで大型スーパーのユニバースがあり拠点にしやすい。

・玉川駅


MCT本線から100メートル足らず。特に何もない無人駅。ここでセクションを区切るよりは、種市駅か宿戸駅で区切るほうがいい。

・宿戸(しゅくのへ)駅


MCT本線から数百メートル。駅自体は特に何もないが、駅前にはトレイルサポーターのヒロノットがあるので拠点として活用できるかもしれない。

・陸中八木駅


MCTルート上にあり、もっとも海に近い駅の一つ。漁港にも最も近い駅かもしれない。駐車スペースあり。
SOBOで、陸中八木駅の次の有家駅までの間は、高波時は通行できない浜があるので、その場合は有家駅を通らずに内陸の国道を迂回する。

・有家(うげ)駅


MCTルート上にある。全線でもっとも海に近い駅の一つ。目の前の何もない感は随一。NOBOで、有家駅と陸中八木駅の間の有家浜は高波時は通行できないので、その場合は有家駅を通らずに内陸の国道を迂回する。

・陸中中野駅


MCT本線から少しだけ外れる。この南は八戸線とMCT本線が離れてしまうので、SOBOにしろNOBOにしろ、おそらく区切りのポイントになりやすい。
SOBOの場合、この南の高家川が増水している場合は陸中中野駅から迂回路を選択する。中野白滝を見学したい場合も、2022年現在は迂回路から経由することになる。

・侍浜駅


駅名は侍浜だが内陸に入っていて、MCTには使えない。

・陸中夏井駅


実は、久慈駅より陸中夏井駅のほうがMCT本線には近く利用しやすい。MCT本線から百メートル足らず。駅舎もユニークなので立ち寄ってみてほしい。

・久慈駅


八戸線の南端。三陸鉄道の北端。
MCT本線から実は大きく離れていて使いづらい場所にある。八戸線なら陸中夏井駅を使うほうが便利なのだが、市街地は駅周辺なので、なかなか悩ましい。素直にMCT本線が久慈の市街地を久慈駅方面まで回り込んでくれていたらスッキリしたのだが…。
県北バスの野田方面とつながる久慈海岸線は、久慈駅と道の駅くじ「やませ土風館」を通るので、野田方面とやりくりする場合は便利。
駅前にはあまちゃんの舞台ともなったデパート、ロータリー、商店街を抜けると道の駅くじがある。三鉄の駅横の地下道をくぐって反対側に出ると、市役所方面で、駐車場なども。いわゆる大型スーパーやロードサイド店、ホームセンターなど補給に必要な店舗は、そちら側のほうに多いので、MCT本線へのアクセスルートの流れでたどっていくといい。

・蕪島海浜公園バス停


蕪島の駐車場付近にある、八戸市営バスうみねこ号のバス停。

・種差海岸インフォメーションセンターバス停


インフォメーションセンターから駐車場側に、八戸市営バスのバス停がある。市営バスのうみねこ号を利用するならこのバス停のほうが利便性が高い。

・登山口バス停

階上岳の鳥屋部登山口そば、フォレストピア階上の向かいにある。 一日数本だが、本八戸駅と階上町役場の階上庁舎を結ぶ路線が走っているので、階上駅と組み合わせると、階上岳ルートをロスなく2つのセクションに分けることができる。

・やませ土風館バス停


やませ土風館こと、道の駅くじのバス停。道の駅くじはMCT本線からはまったく外れていて、久慈駅からも歩いて10分ほどかかるのでMCT絡みではどこからも離れていてやりくりが難しいのだが、バス関係を使うなら拠点にしやすい。
また、やませ土風館の目の前の駐車場では禁止だが、裏手にある第2駐車場ことイベント広場は、は車中泊を公に認めてくれているので、車中泊派の人にはありがたい。

http://dofukan.com/pdf/2016-ago/info-cars.pdf

・諏訪緑地前バス停

県北バスの久慈海岸線のバス停。MCT本線が久慈の漁港方面から小袖海岸方面に逸れていくあたりにある。市街地はこのバス停付近からMCTを離れてだいぶ内陸に入っていかなければならないので、駅周辺からここまでだけでもバスを使うというのもあり。

・久慈漁協前バス停

県北バスの久慈海岸線のバス停。MCT本線が久慈の漁港方面から小袖海岸方面に逸れていくあたりにある。市街地はこのバス停付近からMCTを離れてだいぶ内陸に入っていかなければならないので、駅周辺からここまでだけでもバスを使うというのもあり。

他の区間の公共交通情報は以下に。

みちのく潮風トレイル公共交通情報まとめ↓

より具体的なコースガイドが必要な方は、私の経験を元にしたコースガイドも、有料記事となりますがご活用ください。みちのく潮風トレイルを実際に歩いた経験と写真などに基づく、全線のコースガイドです。全線を50セクションに区切って紹介。八戸から南下(SOBO)での紹介ですが、逆向きの説明も交ぜて解説。

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