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【ショートショート】地球温暖化は勝利のサイン

ある銀河系に気候が極めて安定した惑星Aが存在した。

そこでは、北半球・南半球を問わずあらゆる場所で季節の変化がなく、気温は25度程度、湿度は60%程度、日差しは良好の気持ちの良い気候が保たれていた。


そんな惑星Aで、ある悪事を企てる悪の組織Bが存在した。

その悪事とは、世界中に超大型空調を設置し冷風を送り続ける事で、惑星Aを氷河期にして、惑星の生物を絶滅させようというものだった。

悪の組織Bは、超大型空調を秘密ネットワークと接続し、きたるXデーに世界中に配置した空調のスイッチを一斉にONにする計画を立てていた。


その悪事をいち早く察知した世界警察は、悪の組織Bに対抗するため、惑星中から凄腕ホワイトハッカーを集め、集団Cを組成した。

集団Cに与えられた使命は、悪の組織Bの秘密ネットワークへハッキングし、超大型空調の設定温度を上げるというものだった。


そして迎えたXデー。

超大型空調の冷房が稼働し始め、惑星の気温はみるみる低下していった。しかし、集団Cも負けずとハッキングを続け、6か月後には優勢を勝ち取り、気温上昇に成功した。


ただし、その後も悪の組織Bとホワイトハッカー集団Cの攻防は続き、半年ごとに暑い季節と寒い季節が繰り返し到来するようになった。こうして惑星Aに四季が誕生した。


近年はホワイトハッカー集団Cの勢力が有力なようで、惑星Aの温暖化が進んでおり、世界警察は一安心している。しかし本当は、惑星Aの温度を上げる事で生物を絶滅させる計画に悪の組織Bは切り替えたのかもしれない。


(了)

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