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コーチングは「答え」を渡してはいけないのか?


コーチングの定義

「答えはクライアントの中にあり」
「コーチングは教えない、クライアントの中にある物を引き出す」
などなど…
コーチングの定義については色々な表現方法が使われています。私が資格を取得しているICF(国際コーチング連盟)の基本的な考え方の中にも、「コーチング」と「ティーチング」は明確に区別すること、
クライアントとの合意を何よりも大切にすることなどが明文化されています。
また私が教えている、銀座コーチングスクールの講座でも、
一番最初の基本的なところで、「コーチは教えない」ということをしっかりと伝えています。

実際に起っている事

では、実際の場ではどうでしょうか。
もちろん、基本は
「クライアントの中にある物を引き出す」
「本人に考えてもらう」が大前提です。
一方で、私は自分が持っているリソースの中で「このクライアントには有用かもしれない」と思う情報や考え方、ツールなどは惜しみなく提供しています。

大切なことは選択の余地を残す

こうしたものを「これはコーチングではない」と皆さんは思うでしょうか?
私は正直、これがコーチングなのか、ティーチングなのか、その定義には正直興味がありません。
私の興味は、「目の前のクライアントが飛躍するかどうか」
その一点です。
唯一、自分のリソースを提供する上で大切なのは、私が提供したものを、受け取るか受け取らないか、について可能な限りクライアントに選択の余地を残すことは心がけています。
最終的な答え(判断)はクライアントに委ねる、でもその前段階で考えるためのお助け道具として、情報提供をしている、といったニュアンスです。
受け取るかどうかはクライアント次第、でもたいていの場合喜んでもらえることが多いと感じます。

クライアントへの説明責任を忘れない

クライアントと契約をする際、私は必ず、コーチングに加えてコンサルティング要素も希望するかどうかを確認するようにしています。そして必ず契約書にはその部分を加えています。

バランスが大切

一方で情報提供が過度にならないように、私は細心の注意を払っています。
「答えは相手から引き出すこと」が大前提、数値で言うと、コンサルティング的な要素の部分はセッション全体の5%から多くとも10%未満に抑える様にしています。
コーチングの大前提を抑えた上で、コーチングの本質を理解したなら(守)、自分なりの進め方(破)に行ってもいいのではないか、と私は思っています。「コーチとしてあるべき姿」に囚われすぎているコーチにお会いすることもあるのですが、皆さん何かモヤモヤを抱えているようにお見受けします。もう少し柔軟に伸び伸びと、ご自身のコーチ活動のあり方を考えてもいいかもしれません。

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