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【成功する売り方を考えるマーケティング基礎②】お客さんが本当に必要としているものわかってる?

「マーケティング」という言葉を聞くと、何だかとても難しい論理のように感じられる方も多いかもしれませんが、マーケティングの基本はとてもシンプルです。

それは…
「必要な時と場所に、必要な人へ、必要なものを提供する」これがマーケティングの最も基本的な考え方です。

前回、マーケティンとはなにか?をご理解いただいた皆さん。
今日は早速「必要なもの」は何か?を考えてみましょう。

必要な物を考える

「何かが必要だ」と人が感じている時、その人はどんな状態にあるでしょうか?

最もシンプルに言うと、それは「困っている時」です?
のどが渇いているから「飲み物が必要だ」
雨で濡れそうだから「傘が必要だ」
重い荷物を持っているから「タクシーが必要だ」
などなど…

つまり顧客が抱えている「不」を解決する事が必要とされるものを提供するという事です。「不」とは具体的に不便、不満、不快、不安などが挙げられます。商品を作るときに大切なのは顧客がどのような「不」を抱えていて、それが解決すると「どのような状態になれるのか」を、を考える事が大切です。㊟ここで、どのように解決するか?!の解決方法の検討に入ってしまう方が多いのですが、顧客の抱えている「不」が本当にお金を払ってでも解決したいものであるのか?!の検証を済ますまえに「どのように?」と考えるのはやめましょう。なぜなら本当の「不」を見つける前に方法論を考えるのは的のない所にひたすら矢を打ち続けるような労力の無駄遣いにつながることが多いからです。

気づきやすい「不」と気づかない「不」

この顧客の「不」を見つける作業、簡単そうに見えますよね。ところが!これが現在の市場で生き延びるための難所、なぜなら明らかに見つけられる「不」を解消するモノやサービスはすでにたくさん市場にたくさん出回っているからです。ライバル達がひしめく中に新たにビジネスを展開するには… 誰も気が付いていない、でも誰もが心の奥底で持っているような「不」を見つける事が大切です。

オンラインフリーマーケットの例

今では利用したことがある方も沢山いらっしゃるかと思います。使用済の物をネット上で販売することでリユースの新しい習慣を生み出したオンラインのフリーマーケット。メルカリやラクマなどに代表されるこのアプリは顧客のどんな「不」を解決することができたのでしょうか?(今回は出品者の視点で振り返ってみます)

例えば…
まだ使えるものを捨てなければいけない「不満」
どこかに出向いて売りに行かなけければいけない「不便」
仲介業者に安く下取りされてしまう「不満」
決済のやり取りが面倒な「不便」

この辺りが明らかに分かりやすい「不」ですね。

ところが!実は他にもとても重要な「不」をこれらのアプリは解決してくれていることをご存知でしょうか?それは…


販売相手に自分の顔を見せなくてはいけない「不快」を解決している点です。

実際のフリーマーケットやリユース店(古着・古本など)に自分の使ったものを売りに行く場合、顧客である買い手、もしくは仲介業者に自分の姿を見せなくてはいけません。場合によっては接客や会話など誰かしらと接点を持たなければ、売買が成立しないのが、これまでのフリーマーケット市場。ところが、自分が使用したものを他人に見られることに「恥ずかしさ」を感じる人もそう少なくはありません。
「シミがついている服を売ろうしていることを知られるのが恥ずかしい」
「読んでいる本の内容を知られるのが恥ずかしい」
「自分のプライベートを見られているようで恥ずかしい…」などなど、売り手が感じる「恥ずかしい」は人によって様々です。

そんな恥ずかしさを抱えている人が、ネットでは実名や顔写真を公開することなく販売する事が出来る。
これが、顧客の隠れた「不」を解決しています。

気づかない『不』が重要なわけ

一件、気づかない「不」を見つけられなくても、明らかに分かっている「不」を解決できていれば商品もしくはサービスとして商売が成り立つように見えますね…。

しかしこの「気づない『不』」が解決できていないために、顧客が最終的にお金を出す動機に繋がらない…という話はそこら中に転がっています。上記のオンラインフリーマーケットの例を挙げるとどうでしょう?
「自分の顔を販売相手に見せなくてはいけない『不』」がもしも見過ごされ、オンライン上に実名と顔写真を掲載する必要があったら?
その時点で出品を断念する人が大半となり、現在に至るようなフリマアプリの成功にはつながらなかったでしょう。

顧客の気づかない「不」が認知できていないと、商品設計の段階で「買いたくないな」と思わせるような部分を含んでしまったり、広告を展開する時に「これは欲しい」と思ってもらえるような「キャッチコピー」にたどり着けなかったりするわけです。

気づかない「不」の見つけ方

今ご説明した「気づかない『不』」。
顧客の潜在意識に潜んでいて、顧客自身も認識していないような気持ちの事をマーケティングでは「インサイト」と呼んでいますが、このブログではマーケティングを読者の皆さんにより身近に感じていただきたいので、このまま「気づかない不」という表現で進めていきましょう。
「気づかない不」を見つけるにはユーザーインタビューする、もしくはサービス提供者自身が実際のユーザーになってみて自分の中で何が起きているのかを内省していくことです。もちろんインタビューをしたからと言って、インタビューアーが明確に「私はこれに困っています」と明言してくれるとは限りません(なぜなら顧客自身もこの「不」を自覚していないのですから!)。そのため、インタビューをする際には、顧客の話に耳を傾け、表情を読み取り、顧客の感情を感じ取り、仮説を元に質問を投げかけていくしかないのです。

「そんな曖昧な方法じゃ、ユーザーインタビューをしたって答えが見つかるわけないじゃないか?!」

と、感じるかもしれませんね?確かにユーザーは明確に「不」を表現してくれないかもしれません。それでも、ユーザーに実際にインタビューすることで、これまで「きっと顧客はこう思うだろう…」と想定していた提供側の仮説にはたくさんのズレ、もしくは自分が想像もしていなかった顧客の考え方や価値観など、新しことを必ず知ることができます。ユーザーの声を聴くことで始めて本当に顧客が必要としている物が見えてきます。


具体的なユーザーインタビューの方法については、今後のメニューでまた取り上げていきます。

こちらの記事を読んだ方は、ご自身の提供しているサービスや商品が顧客のどんな「不」を解消し、顧客にどんな価値を提供できているのか、をぜひ振り返って考えてみてください。

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