相手の言っていることは氷山の一角です
これは私がコーチングの講座で受講生の方に必ずお伝えしている言葉です。
言葉の背景に広がる世界
私たちは言葉を使って人に何かを伝える時、私たちの頭の中には言葉では表しきれないほどたくさんの映像や、過去の経験、自分の価値観、心の底に渦巻く感情、ものすごく膨大でものすごく深く複雑に絡み合った物事が、まるで宇宙の様に広がっていいます。
例えば…
「私は飛行機が大好きです」
この一言を聞いても皆さんには何も響くものがないと思います。
なぜ好きなのか、どこが好きなのか、何も伝わっていないからです。
でも実は、私が「私は飛行機が大好きです」と声に出した時、
実は私の頭の中には…
北海道の田舎から東京に出てきたときに乗った飛行機が離陸する瞬間ワクワク感。始めてヨーロッパに地に降り立った時、これからどんな世界が見られるのか、とドキドキしながら窓の外をのぞいたあの時の光景。私にとって飛行機はいつも、人生の中で起こる新しい冒険の出発を意味する乗り物でした。そういえば、そもそも海外に興味をもった最初のきっかけは子どもの頃にみた映画「TOP GUN」(アメリカ空軍パイロットの映画)のトム・クルーズがあまりにもカッコよすぎで、いつが英語で会話がしたいと思ったのが始まりでした…(笑)
「私は飛行機が大好きです」この言葉だけを聴いた人は、その背景にこんな想いがあるなどと言う事はもちろん想像もつかないですよね。
つまり私が「飛行機が大好き」という言葉は、私の中にある大きな氷山のほんの一部を表現した言葉でしかないわけです。
7つの習慣のパラダイム
私は「7つの習慣」にあるパラダイムの話が好きです。
これも同じ話で、目に見えること、耳に聞こえることは氷山の一角であり、海の中には想像もできないような背景やストーリーが潜んでいるわけです。
勝手な解釈
私たちが日々繰り返すコミュニケーションの中には、この氷山の一角だけを捉えたやり取りがあちらこちらで展開されていることに驚きます。
SNSでの炎上や批判合戦に始まり、上司部下、家族、友人関係にいたるまで、誰かが使った言葉を自分のフィルダーで解釈し、一喜一憂する、怒る、落ち込む、そんなことが毎日至ることろで繰り返されています。
丁寧に聴く
コーチングセッションの中でも実は同じようなことが起きていることが多々あります。クライアントが使った一言を勝手にコーチが解釈して分かったつもりになっている、という状況です。
私のコーチング講座では、クライアントが使う一言一言にもちゃんとこだわり、丁寧にその言葉の意味するところをクライアントに説明してもらいながら、コーチがよりクライアントを理解するために務める様、お伝えしています。
コーチングセッションにだけ限らず、日常のコミュニケーションにおいても、相手と自分の解釈の違いをちゃんと聞いて理解を深めたり、どんな行動、言葉にもその背景にどんな考えや出来事があるのかを確認してあげるだけで、より理解し合える関係値が作れることが良くあります。