📚ファンタジー自己啓発『賢者の書』から得た学び

※この記事には小説『賢者の書』(著：喜多川泰)のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

2024/05/28(火)

僕、葛木深琴がこの本と出会ったのは先日のことです。Kindle Unlimitedに加入している僕は、暇つぶしに良い本はないかなとKindleストアを見ていたんです。その時に目に入り気になったのが、この『賢者の書』でした。

賢者の書

最初はよくある自己啓発本だと思っていたんです。でも、僕はなぜかこの本に惹かれた。なぜかは分からない。けど、この本を読み終わった時、「パズルのピースが手に入った」と、確かにそう思ったんです。

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あらすじ

主人公は英語圏に住む中年男性のアレックス。家族仲は微妙で、会社では若社長から雑用係にされてしまっています。1人になりたくなったアレックスは、思春期に住んでいたドイツの田舎街の公園を訪れることに。そこでアレックスはサイードという「最高の賢者」になるための旅をしている少年と出会います。
最高の賢者になるためには、サイードが祖父からもらった『賢者の書』を完成させて、最後の賢者にそれを手渡す必要があります。そのために今までサイードは8人の賢者と出会い、そして、このあと最後の賢者がアレックスとサイードがいる公園に表れることになっているのです。
アレックスはサイードの旅に興味がわき、自分も最後の賢者に会ってみたくなりました。そして、サイードに頼んで最後の賢者が表れるまで、『賢者の書』を読ませてもらうことにしたのでした。

作中における『賢者の書』

表紙に「すべての成功を手に入れることのできる最高の賢者になる旅」と彫られている不思議な古い本。表紙の真ん中に正方形のくぼみがある。
一見ほとんど白紙にみえるが、くぼみにパズルのピースをはめこむと、賢者の教えが現れる。
パズルのピースは九人の賢者が１人ひとつずつ持っており、サイードに賢者の教えを与えた証としてピースを渡すことになっている。

賢者の教え

ここから先は、各賢者の教えをまとめていきます。物語として楽しみたい方は、ぜひ本書を読んでみてください。教えが物語として語られることによって、より分かりやすいものになっています。

第一の賢者　行動

ひとつの行動を起こすと、それに対してパズルのピースがひとつもらえる。人生というのは、単にこの連続でしかない。行動の結果手に入るものは、失敗でも成功でもない。絵を完成させるために不可欠なピースのひとつであり、それ以上でも、それ以下でもない。
大切なのは、絵を完成させるのに必要なピースを集めるため、できるだけ多くの行動を起こすこと。そして、行動の結果返ってきたものをよく見て、どうやってこれを使うのかを考えること。
大失敗と感じる出来事があったとしても、それはあなたの人生の壮大な絵を完成させるために、必要であるからこそ大いなる力があなたに手渡した、ひとつのピースであるということ。

第二の賢者　可能性

心とは、人間一人ひとりが持つ大いなる力。人間には不可能を可能にする能力がある。
自分には世の中に新しいものを生み出す無限の可能性があると気づき行動を起こすとき、自らの心だけでなく、宇宙を創り出した大いなる力が、さまざまな形で手助けをしてくれる。出会いや発見などを含めた、必要不可欠なパズルのピースをくれるという方法によって。

第三の賢者　自尊心と他尊心

自分を他人よりも価値のないものとして卑下してはいけない。自分を他人よりも優れているものとして傲慢になってもいけない。自尊心と他尊心は常に同じ高さでなければならない。
自尊心を高めるということは、同じ高さまで自分以外のすべての人間に対する他尊心を高めるということも意味している。
世の中のすべての人間は、自分の知らない者まで含めて、一人ひとりが大いなる力を内に持つことを許された、無限の可能性を持つかけがえのない存在である。

第四の賢者　目標

大切なのは、何になりたいのかではなく、どんな人間になりたいのか。何になりたいのかを考えたとしても、どんなそれになりたいのかを考えなければ、幸せを手にすることはできない。
どうなりたいかを追求するから、自ずと何をやるべきかが見えてくる。
成功は職業ではなく人についてくるもの。自らの理想とする人間像を追求することによって、驚くほど強い意思の力を人間は身につけることができ、その過程の中で自らの進むべき道を自然と見出し、何をやるべきかということは自ずと決まってくる。

第五の賢者　今

生きるということは、自らの伝記を自ら書くということ。あなたの伝記を読んでいる人間が、今日のページを読んでいるときに、「あぁ、こいつは成功して当然だ」「この人は、絶対成功する人だ」と確信できるような一日にすること。
人生を成功に導くために今日一日の中でできることは、ただひとつ。今何を持っているいないに関係なく、今日一日、成功者としてふさわしい過ごし方をすること。

第六の賢者　投資

投資とは、自らの持つ財産を今は使えないものに換えて、将来大きく価値が上がるのを待つこと。お金を使ってできる投資というのは、世の中の人が投資と思っているだけで、実際は増える確率の高いギャンブルでしかない。
成功者達が投資したのは決して金ではなく、自らの人生という貴重な財産を、時間という財産を投資した。そして結果として、自らの描く、壮大なビジョンを完成させるために必要なパズルのピースをすべて受け取った。これが正しい投資である。

第七の賢者　幸福

人間は何を探して生きるのかという点において、二つに大別される。 自分の幸福を探す人々と、他人の幸福を探す人々である。世の中の成功者はすべて他人の幸福を探す人々であることを忘れてはいけない。

第八の賢者　言葉

大切なのは自分が成功したと認めること。人生を作るのは言葉であり、人は言われた通りの人間になる。
その人に起こる全ての出来事は、その人が発したり、心の中で思い描いたりする言葉に起因する当然の結果に過ぎない。
今日一日思ったり使ったりする言葉は、成功が約束された者がきっと使うだろうと思えるような言葉でなければならない。

最後の賢者　感謝、与える、誕生

人生をより素晴らしいものにするためには、とにかく感謝の言葉を多く口にする毎日を送らなければならない。そしてそれを伝えなければならない。
人生において欲しいものを手に入れるためには、手に入れたいと思うものを与える側にならなければならない。
人間は何度だって生まれ変われる。そのきっかけは一人の人との出会いかもしれないし、本との出会いかもしれない。自分が今日を新しい自分の誕生日とするたびに、それまでの人生とは違う新しい人生を始めることができる。

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葛木深琴が学んだこと

まず、第一の賢者の教え「行動」にて、僕はどんなことでも自分に必要だから起こったのだと、受け入れることにしました。
僕の人生には今まで、不登校、資格試験の失敗、就職の失敗、そして精神病にかかるという苦難が起こりました。
苦難のたびに、それを乗り越え山あり谷ありの人生を送っています。その一つ一つが僕にとって大事な経験であり、パズルのピースなのだと気付かされました。

第二の賢者の教え「可能性」では、作中にて「君は、人間には無限の可能性があると信じていると言ったね。それでは聞こう。それと全く同じように、自分に無限の可能性があると信じることができるかい？」と問いかけがなされます。
僕のイマジナリーフレンドに「ジョニー」というキザな男がいるのですが、そいつの決め台詞が「俺達には無限の可能性があるんだぜ？」なんですよ笑。なんだか、そいつを思い出しました。

そして次に、第三の賢者の教え「自尊心と他尊心」です。僕は今まで、自尊心を高めることしか考えていませんでした。自分を卑下しないようにすること、それを意識していました。
しかし、他尊心というものを知り、自分と同じぐらい他人のことも尊重しなければならないと気付かされました。

第四の賢者の教え「目標」にて大切なのは、何になりたいのかではなく、どんな人間になりたいのか。でしたね。これは、以前僕が書いた記事で深堀りしたテーマです。どんな人間になりたいのか、迷っている方は、ぜひご一読ください。

第五の賢者の教え「今」では、生きるということは、自らの伝記を自ら書くということ。とありました。
僕はnoteで現実をもとにしたフィクションとして私小説を書いているのですが、これからの僕の人生を読んでくれた方が、「こいつは成功するぞ！」と思うような日々を過ごしたいなと考えました。
私小説の執筆は現在手が止まっていますが、書きたい作品なので、よろしくお願いします。

📖私小説①『ナクシタモノ』｜葛木深琴🟠🖋┃木琴コンビ｜note

📖私小説②『ゴミ屋敷を救え！社会復帰への道』｜葛木深琴🟠🖋┃木琴コンビ｜note

第六の賢者の教え「投資」では、時間の使い方を考えさせられました。ダラダラと目的もなくネットを見ていないか？とか、効率的に作業する方法に投資しているか？とか。僕は人生の時間を何に使いたいか？ということですよね。そこを意識して行動していきたいと思いました。

第七の賢者「幸福」では、自分はどちら側の人間だろう？となりました。僕の価値観からすると、他人の役に立てたときに嬉しいと思うので、他人の幸福を探す人々側なのかな？

第八の賢者「言葉」は、聞いたことがありますね。みなさんもありませんか？

思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。

マザー・テレサの言葉でしたでしょうか。(違ってたらごめんなさい)
『賢者の書』を読むとこの名言の意味がよく分かるようになります。

最後の賢者の教えは、「感謝、与える、誕生」です。ネタバレになってしまいますが、実は最後の賢者は、あらすじにてサイードの『賢者の書』を読ませてもらうことになったアレックスなのです。アレックスは『賢者の書』を読むことで、自分の人生を見つめ直し、サイードの目の前で「最後の賢者」になります。
アレックスがサイードに教えを与えたというよりも、サイードがアレックスの言葉から何かを感じ学びとった。それが「感謝、与える、誕生」なのです。
心から感謝し、それを伝えること。手に入れたいものを与える側になること。人は何度だって生まれ変われるということ。この3つをサイードはアレックスから学んだのですね。

僕もこの本に出会えたことに感謝したいと思います。ありがとう。そして、この記事を読んでくださったあなたにも、ありがとう。

まとめ

この記事では物語の中から僕が重要だと思う部分をまとめました。読む人によっては学べることが違うかもしれません。未読の方はぜひ手にとって、読んでいただきたいと思います。

最後は、アレックスの台詞で一番好きな台詞で締めたいと思います。

「やはり私が賢者になったから、彼がそこから学べたのではない。彼はきっと私がどんな人間かに関係なく、私から自分にとって必要なことを学び取ったであろう。 真に学ぶ姿勢がある者にとっては、世の中のあらゆる人が師となりうるのだ。 教えた側が賢者なのではない。学んだ側が賢者だったのだ。そして最高の賢者とは、誰よりも多くの人からいろいろなことを学べる素直な心を持つ人なのだろう。サイードのように。やはり彼が、最高の賢者なのだ」

『賢者の書』本文より