もっと、素直に書く人が増えてほしい。
※3/3追記:1番下に、あとがきのリンクを載せました。
ネット記事を書く仕事をしている人を、Webライターと呼ぶ。私もその1人だ。
記事はクライアントから依頼されて書く。「想定3,000文字」とか「長くても5,000文字以下」とか、文字数には決まりがあるケースがほとんどだ。
仕事とは別に、私はこうしてnoteやブログでも文章を書く。文字数は気にしない。書きたいだけ、書く。
たまに、長い文章・記事は読まれないと耳にする。「長い文章は読まない」「動画のほうが楽」「活字を読むと疲れる」とも聞く。
でも、「長い=読まれない」は早とちりだ。
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私は14年近くブログを続けている。とはいえ、毎日更新しているわけではない。今は月1回ほどの更新で、細々と書いている。
文字数は気にせず、上限も下限も決めてはいない。文字数はほとんどが2,000〜3,000文字前後、長いときは4,500文字ほど書く。
書く上で決めているのは、この2点。
①書きたいことは全て詰め込む
②読者がつまずかないように書く
①により長いときは長いし、短く済むときもある。そして読者の方がスラスラ読めるように、校正・推敲はとにかく丁寧にしている。
ブログは決して、たくさんの人に読まれているわけではない。平均すると1日20PVほど。
でも、読者が少ないから手を抜くなんてあり得ないし、ブログを辞める理由にもならない。
根底には、「書きたいから書く」がずっしりある。
書きたいことを、ずっと書けなかった
先月、Unityというゲームエンジンについて、約7,000文字の記事を書いた。
実は「Unityのこと、いつか書きたいな」とずっと思っていた。“ずっと”は積もりに積もって4〜5年。
今まで書かなかったのは、私自身がUnityユーザーではないからだ。ここが引っかかって、ずっと書けなかった。「使っていない人が使っていないものに対し、あれこれ書くのはいかがなものか?」と思っていた。
コンテストがなかったら、もしかすると書かずに人生を終えていたかもしれない。
いざ書いたとき、「書きたいから書く」の精神にのっとり、とにかく素直に想いをつづった。
「Unityのどこを素敵だと思っているか?」「夫がUnityでゲームを作ったとき、どう思ったか?」「Uniteを見て何を感じたか?」など、ひたすら私が思ったこと・感じたことを書いた。
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今だから打ち明けると、「Unity使ってないくせに」という意見があってもおかしくない…とビクビクしながら、覚悟して載せた。
しかし、そんな覚悟とは裏腹に、読んでくださった方は皆優しく、実際は肯定的なコメントばかり。これにはリアルに何度も涙が出た。コメントを読むと、今でも泣く。
そして、奇跡がいくつも起こった。
私に起こった、決して小さくない奇跡
まず、noteの公式マガジンに入れていただいた。しかも2つ!
↑同日、note編集部お気に入りマガジンに入れていただきました。(改めてありがとうございます。)
さすが公式マガジン。この日から、爆発的にスキが増えた。さらにありがたいことに、フォロワーも増えた。
Twitterのいいね・リツイート・引用リツイートも急増。しばらく通知が止まらなかった。
引用リツイートのコメント、これまたビックリするぐらい皆様優しいのだ。中には「多くの人に読んでもらいたい」と書いている方も。書いてよかった…。
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そして!Unityの中の方から、記事にコメントが!来たんです!!
通知を見て手が震えたことを、今でも思い出す…。「なっ?!この方は!!」と叫び、落ち着いて読めるまで時間がかかった。
さらに、Unityの日本法人公式Twitterが引用リツイート!
なんという奇跡!
この奇跡に、再び叫んだ。ヒートテック姿で(お風呂上がりだった)
だって想いが、私の想いが届いたのだ。
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記事の中で
皆、心底優しいんだろうなあと感じます。
と書いた。
今回の奇跡の数々で、本当に本当にUnityに関わる人は心底優しいと確信した。Unityの関係者の皆様はもちろん、Unityでゲームや動画を作っている皆様も。(末永く応援します。)
長い文章でもいい。想いを詰め込めば、伝わる
「ユーザーではないから」なんてただの言い訳で、「書きたい」と思ったときに素直に書けばよかったのだ。
少し後悔したが、幸いなことに根がポジティブ。今回の出来事は自信につながった。
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「長い記事は読まれないから、◯文字以下で書く」これも戦略の1つだ。でも文字数を気にせず、素直に書いてもいい。極端な話、1万文字でもいいと思う。
先日のnoteのトークイベントで、文藝春秋の村井 弦さんがこう仰っていた。
ちゃんと1万字読んでるんですよね
買ってくださるし、シェアしてくださる
これは希望
(※一部改変)
希望。まさに希望。
そして、フリーライターの宮崎 智之さんのnoteを読み、ハッとした。
私は心のどこかで、読者を信用していなかったのでは…?と考えさせられた。
長い文章が苦手な人は、確かにいる。しかし、全ての読者が長い文章を読まないわけではない。読まない層がいるだけだ。
読者は、短い文章を好む人ばかりではない。なんなら私は、長いほうが好きだ。長い文章はこれまでの想いをギュウギュウに詰め込んだからか、読むと熱量を感じることが多い。
Unityの記事が多くの人に刺さった(あえて刺さったと書く)ように、文藝春秋さんの1万字に及ぶ記事を多くの人が読んでいるように、きちんと想いを込めて書けば、長い文章でもちゃんと読んでくれる。
「この想いも書きたいけど、長いから削ろう」は読者にも、想いを抱いた自分自身にも失礼だ。読んでくださる読者を信用して、素直に想いを詰め込んでいいのだ。
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たくさんのいいねやスキをもらうには、万人受けが大事かもしれない。文章を短くしたほうが読まれるのかもしれない。
だけど、自分の書きたいことを削り、心の中にあるグツグツとした熱い想いにフタをするのは、もったいない!
改行する・目次をつけるなど、読みやすい工夫は必要だが、まずは想いをネットの海に流してほしい。きっと想いは誰かに届く。
私には、私にしか書けない文章がある。
Webライターという仕事柄、レベルの高い文章やスキがたくさんついた記事や他人の報酬を知り、羨ましく思うときがある。一時期、自信を失っていた。
でも、先日のnoteのトークイベントを見聞きして、どこか吹っ切れた。
上を見ると、キリがない。
人生経験が豊富な人。語彙力に富んだ人。毎度のように面白い例えを書ける人。考えさせられる文章を書ける人。文章で何か受賞した人。
確かにすごいし、私もそんな人に憧れる。文章で賞をとってみたい…。
しかし、どんな作家も小説家もエッセイストも、私の経験、私の想いは書けない。私にしか書けない。私が思うがまま、素直に書けばいいのだ。
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最近、「素直さ」が文章のキーワードだと考えている。自分の思っていること・感じていることを、素直に書く。
素直さがキーワードというのは「なんとなく…」ではない。度々そう思う機会があった。
noteだと、どこかの猫さんの文章。気持ちが素直につづられている。もらい泣きと共感で、何度読んでも泣いてしまう。
そして、桜林 直子さん(サクちゃん)の記事。遅ればせながら、最近何度も読み直した。
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他人に左右されず、あくまでも“自分”がどう思うのか、素直に書く。これがとても大事だと感じる。
素直に「私はインスタントコーヒーが好き」「私はワイドパンツが嫌い」「私はタピオカが苦手」と書く。それでいい。
なぜそう思うのか理由や思い出を素直に書けば、内容そのものが面白いし、個性だ。
素直な想いを書けば、いつか中の人に届く…。そんな奇跡だってあるのだ。
萎縮せず、素直に書いてほしい
noteには文章が上手い人がゴーロゴロいる。毎度のように1,000近くスキがつく人もいる。
もし今、「note書いてみたいけど、私なんかの文章読まないよな…」「あんなに上手い文章書けない」と悩んで書けない人がいるなら、大丈夫!悩む必要はない。ないのですよ…。
そもそも、そんなに気にしなくていいんです。他人の評価、他人の文章を。
誰ひとり、同じ人間はいない。
一言一句、全く同じ記事もない。素直に、思うがままに書く。それで大丈夫!
あなたには、あなたにしか書けない文章がある。あなたが思っていること・感じていることは、スキが1,000以上つく誰かや、ベストセラー作家ではきっと思いつかない。
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人生は思っているより、あっという間だ。私も気がつけば30代の後半戦。
書きたいこと、素直にどんどん書きましょ!私もまた、長めの記事を載せます。
覚悟と決意と応援を込めて。
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※3/3追記:たくさんの反響、ありがとうございます!お礼を込めて、長いあとがきを書きました(このnoteの約2倍の文字数…)。『素直』について約10年間考えたことも書いたので、ご覧くださると嬉しいです。
サポートしてくださった分は、4コマに必要な文房具(ペン・コピック等)やコーヒー代に使います。何より、noteを続けるモチベーションが急激に上がります。