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日本人の年収、中央値は423万円

ライターの岡本茉衣です。
物価の高騰が止まりません。一方で、給料は上がらない状態が続いています。
日本人の所得がどのぐらいか、ご存知でしょうか?


2022年の日本人の所得はいくらか?


厚生労働省「国民生活基礎調査」によると、日本の所得の平均値は552万3,000円で、中央値は437万円。平均所得以下の世帯が61.1%を占める。

という記事を、2年前に講談社の「現代新書web」に書きました。

あれから2年経ち、状況は変わったのか?という話を書きたいと思います。

今年7月4日に、2022(令和4)年のデータが公開されました。
その結果は…

◯平均所得は545万7,000円
◯中央値は423万円
◯平均所得以下の世帯は61.6%

<出典>2022(令和4)年 国民生活基礎調査

状況が悪化してますね。
同調査で「生活が苦しい」と答えた人は51.3%。
これだけ色んなものが値上げされてて、給料が上がらないなら当然ですね。

※中央値とは?
データを昇順または降順並べたときに、ちょうど真ん中にあたる値のこと(1番目から100番目まで並べたときの50番目の人です)。平均値は、極端に低かったり高かったりする数値が入ると影響を受けてしまいますので、所得や貯蓄のようなデータは、中央値のほうが実感に近い値といえます。

現実的に考えて、423万円で子どもを育てるのはかなり厳しい。
共働き世帯が増えるのも頷けます。

賃上げのニュースが続きました


とはいえ、これは2022年のデータ。
今年は賃上げのニュースが相次ぎました。

春闘賃上げ率3.58%、30年ぶり高水準 連合最終集計、物価高で
「労働組合の中央組織・連合は5日、今年の春闘で正社員の賃上げ率は平均3・58%だったとする最終集計を発表した。物価高や人手不足を受けて前年より1・51ポイント増え、30年ぶりの高水準となった。」

中小企業も、重い腰を上げています。
中小企業の62%が賃上げ 総額「3%以上」が5割:日商

「日本商工会議所がまとめた中小企業の賃上げ動向によると、2023年度に賃上げを実施した企業の割合(予定も含む)は、62.3%で2022年6月の調査に比べ11.4ポイント増加した。給与総額を3%以上引き上げた企業は50%を上回った。所定内賃金の引き上げ内容をみると、基本給を引き上げるベースアップを実施した企業が53.7%を占め、6月の調査より15.0ポイント増加。手当の新設・増設が14.0%と5.2ポイント増えた。」

では、いくら上がったのでしょうか?

「ボーナスを含む給与総額の引き上げ率は「3%以上4%未満」の企業が23.5%と最も多く、「2%以上3%未満」が23.1%だった。「5%以上」の企業も14.8%を占めた。」

数パーセント…。
とはいえ、賃金が全然上がっていない日本で、賃上げの機運が高まっているのは歓迎すべきこと。期待大です。

願わくば、パート・アルバイト、派遣社員の賃金も上がってほしい。
わたしのようなフリーランスの賃金も上がっていただけると嬉しいのですが。

賃金は日本だけが上がっていない


日本の賃金がどれだけ上がっていないのでしょうか。
実質賃金の国際比較を見てみましょう。

※実質賃金とは?
労働者が受け取った給与「名目賃金」から、消費者物価指数(世帯が購入する各種の財・サービスの価格の平均的な変動を測定するもの)に基づく、物価変動の影響を差し引いて算出した指数。労働者が給与で購入できる物品やサービスの量を示しており、個人消費の動向にも影響します。


<出典>厚生労働省 経済指標の国際比較

悲しいほど下の方でのたうちまわっている日本…。
日本だけガラスの天井があるのでしょうか。

この図について、わたしが記事に書いた2021年にはかなり驚かれたのですが、そこからマスコミも徐々に「諸外国に比べ、日本人の給料が上がっていない」と報じ始め、今では割と有名な話になりました。

アメリカ・カリフォルニアのマクドナルドは、最低時給が22ドル。日本円にすると、実に3,200円です。
(ただ、カルフォルニアは特別に時給が高いのですが…。アメリカの平均だと15ドル(2,200円)ぐらいでしょうか。それでも日本の2倍ですが)

先日、インバウンドの多い京都のホテルに行きましたが、朝食のセットメニューが6,000円でした。
日本人にはとても手が届きませんが、アメリカやイギリスからの観光客は普通に払えてしまうんですね。

よくテレビで「外国人が喜ぶニッポン」という特集を放送しています。
「いや〜、なんでもかんでも安くていいよね!」と笑顔の外国人観光客が映っていますが、歓迎すべきことでもなんでもない。
「安いニッポン」が買い叩かれているのです。

1日8時間働いて、なぜ生活が苦しいのか?


もう一つ、悲しくなるようなニュースがあります。

フードバンク、正社員の利用増 物価上昇・実質賃金低下で困窮か

「東京都内で生活に困窮する人たちへの食料支援活動「フードバンク」を利用する人の中に、企業の正社員の姿が見られるようになっている。豊島区で活動する支援団体の調査では、2022年秋以降、正社員の割合が2割程度になった。非正規社員より賃金が高く、雇用が安定しているとされる正社員だが、物価上昇による実質賃金低下で、困窮する人が出ているものとみられる。」

「今年4月の支援の際には、正社員の月給も調査。平均22万3000円、時給換算で約1400円だった。」
珍しくない額だと思います。

普通の大学を出て普通の会社に入った「普通の人」が、1日8時間働いているのにマトモに食べられない国ってなんだろう。
ちゃんと働いているのに、自分の家を買って、子どもを2人持つのが難しいのはなぜなのだろう。

このnoteでは、さまざまなデータで日本の現状を見ながら、このような状況に陥ってしまった原因を探りたいと思います。


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