“いいね!”の先に生まれるロマンス 映画「ハッピーログイン」 #525
「いいね!」は人を幸せにしたのかな。
SNSを通した出会いもあれば、人のSNSを見てモヤモヤすることもありますよね。以前、ほとんどTwitterを使っていなかったころ、あるツイッタラーさんから「“いいね”は既読のスタンプと思えばいいよ」と教えてもらいました。なるほどー、と「いいね」を押すハードルは下がったものの、やっぱりあんまり見ない。
FacebookやInstagramが流行りだして少し経ったころには、「SNS疲れ」という言葉も生まれました。幸せそうなカップル、リア充の友人、仕事の成果を誇る同級生に、心を乱されてしまうとのこと。だからやっぱり考えてしまいます。
「いいね!」は人を幸せにしたのかな。
2016年に公開された映画「ハッピーログイン」は、Facebookを通して愛しい気持ちを育てていく、6人の男女を描いたラブコメです。韓国でのキャッチコピーは「“いいね”を止めて、恋愛しようよ」でした。
何も考えずに“いいね”を押したら、本当に良くなってしまった。
生涯で最もときめくロマンス
2016年、そろそろ言ってよ。
“好きになって”
最後の「好きになって」は、韓国語の「“いいね”してね」と掛詞になっています。
<あらすじ>
独立しようと大金を投資したとたん、詐欺に遭ってしまったCA。彼女の家を新居として借りるはずだったのに、婚約者に逃げられてしまった料理人。ふたりはしかたなく同居することになります。兵役を終えて芸能界に戻ってきたスターは、入隊前に一夜を共にした脚本家に息子がいることを知る。もしかしてこの子は!?と、周囲をうろつくように。天才だけれど耳が聞こえない作曲家は、ドラマ制作の現場で働くPDと仲良くなりますが、電話を使えないことを言い出せず……。
売れている脚本家と、さらに売れているスター。
愛を失ったやもめ男と、家を失ったオールドミス。
恋愛初心者の作曲家と、恋愛上級者のPD。
Facebookを通して深めていく、三者三様の恋愛が描かれます。
脚本家とスターの年の差カップルは、イ・ミヨンとユ・アイン。
不器用同士の大人カップルは、キム・ジュヒョクとチェ・ジウ。
初々しい20代のカップルはカン・ハヌルとイ・ソムが演じています。
何かにつけて対立する年の差カップルにはニヤニヤしてしまうし、初々しいカップルには、ドンッと背中を押したくなってしまうし。中でも、キム・ジュヒョクとチェ・ジウのツンデレには笑ってしまいました。
映画のタイトルは、もともと「Happy Facebook」だったそうです。さすがにそのものズバリは法的に問題が生じそうだということで、クランクアップした後に「ハッピーログイン」へと変更。韓国語の原題は「チョアヘジョ(“いいね”してね)」です。
パク・ヒョンジン監督がコムジョンチマ(黒いスカート)というインディーズバンドが好きで、彼らが歌う「好きになって (チョアヘジョ)」という曲名からつけたのだとか。
2016年といえば、韓国でも「SNS疲れ」が生まれていた時期です。2020年のいま、あらためてこの映画を観て思います。
「“いいね!”より、会いたいね」
(画像はKMDbより)
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