昭和の餅つき【昭和のあの頃】
12月の朝は冷たくてなかなかお布団から出られません。
でも、この日だけは別です。
この日は我が家の一大イベントの1つ、お餅つきです。
私たち子供も頑張って起きます。
私たちが起きた時は、すでに大人たちは忙しそうです。
庭ではパチパチと音を立てて火がたかれています。
その上ではもち米が蒸されています。
そして、もち米が蒸されるのを臼と杵が待ち構えています。
臼と杵。お餅つきペッタンペッタン、スタート
いよいよ、ホカホカに蒸されたもち米は臼の中へ。
さあ、ここからは臼と杵の出番です。
父と祖父がお餅をつきます。
臼の中のもち米を父がつきます。祖父が手水をします。
ぺったんっ!ぺったんっ!
お餅つきの始まりです。
私たちも、ぺったん、ぺったんと言いながら飛び跳ねます。
この音が始まると私たちも何か手伝わなければ、
と気持ちだけは意気込んでいます。
いよいよお餅がつけると、縁側では大きな丸い板の上に餅とり粉を振って母と祖母が待っています。
つきたてのお餅が運ばれると祖母は粉をまぶしながらお餅を、同じ大きさに
ちぎってはポン、
ちぎってはポン
と板の上に置きます。
それを母が手のひらで
丸めてはポン、
丸めてはポン、
と並べていきます。
私たちも手伝う気、満々で板の周りに座ります。
祖母が私たちの前にも
ポン、ポン、ポン
と置いてくれます。
私たちも、手のひらで丸めてみますがなかなか難しいです。
ほとんど母が丸めて終わります。
餅つきの手伝い?粉だらけの面々
気がつけば私たちの服は粉だらけです。
なぜか頭に粉がついてたり、顔にもついてたりで、3人でお互いを見てゲラゲラ笑って、さっきまでの「何か手伝わなければ。」と意気込んだのは最初だけ、後は楽しくてはしゃいでいました。
お餅つきはこの後も続きます。
パチパチたかれた火の上でもち米が蒸され、
ホカホカに蒸されたもち米が臼の中へ
ぺったん、ぺったんと杵は踊ります。
つきたてのお餅には黄な粉をかけて食べます。この時のお餅は特別美味しくて3人で並んで食べます。
偶然、雪がふりだす年もありました。
本当に絵本のような世界でした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?