成長企業の法則とくるり
今回読んだ本は「成長企業の法則」。とても分厚い本で、中をぱらぱらとめくるとまさかの二段構成になっており、読み応えがある本でした。
読んだ本「成長企業の法則」
ざっくりとした内容と感想
グローバルで成長し続けている企業をG企業(グローバル・グロース・ジャイアンツ企業)のトップ100社のランキングと成長している要因を読み解き、事例を交えながら紹介している本です。1冊で結構な企業の事例が紹介されており勉強になります。
成長している企業の共通項として著書では2つあげています。
1.何か軸を持っており一芸に秀でていること(静的な視点)
2.軸足をベースにして、異業種とコラボレーションしたり、グローバルに展開していったりして自社の分野を拡張すること(動的な視点)
静的な視点と動的な視点を組み合わせることが大事なポイントで、著書では著者が考えたフレームワークとしてLEAPモデルが紹介されています。
ちなみにLEAPモデルのそれぞれの頭文字は下記になります。
L:ビジネスモデル「リーン(Lean)/静的」と「てこ(Leverage)/動的」
E:コア・コンピタンス「尖り(Edge)/静的」と「ずらし(Extension)/動的」
A:企業DNA「こだわり(Addictive)/静的」と「適応力(Adaptive)/動的」
P:志:「大義(Purpose)/静的」と「一歩踏み出す(Pivot)/動的」
このLEAPモデルをベースにして様々な企業の事例を紹介しており、1冊の書籍で企業事例が多数載っている書籍はなかなか無いため、この1冊を読めば成長企業がどのような戦略で成長していったのかが勉強できます。
気づいたこと
企業が成長していくにあたり一番大事なポイントは創業者や経営者の志ではないかと思いました。
(LEAPモデルで言うとPの大義(Purpose)と一歩踏み出す(Pivot)部分)
著書では、アップルのスティーブ・ジョブス、アリババのジャック・マー、TSMC(台湾積体電路製造)のモリス・チャン、サムスンのイ・ゴンヒ、タタ・モーターズのラタン・タタ、スターバックスのハワード・シュルツ、ホールフーズのジョン・マッキーといった方々が紹介されています。
企業の成長が頭打ちになってしまったり、成長が下降傾向になったりしたときに、いま一度何のために事業に取り組んでいるのか創業者や経営者の志の強さが企業をさらなる成長を導くのではないかと思いました。社会のため、誰かのために貢献していきたいという強い志を持っている創業者や経営者が多いことに気づきました。
おまけ
成長する企業は、静的な要素と動的な要素のどちらかの要素をベースに持ちつつ、相反する要素をうまく取り入れていくことでグローバルで成長していけるような企業になっていくということだと思います。
「成長企業の法則」を読みながら思い浮かんだのは、「くるり」というアーティスト。個人的にめちゃくちゃ好きなアーティスト。(ノーナ・リーブスも思い浮かびましたが、また今度。)
くるりはバンドサウンドをベースにしたオルタナ系でありながら、アルバムごとに様々な音楽の要素を取り入れています。これまでも、
オルタナサウンドをメインにした2nd「図鑑」
テクノサウンドを取り入れた3rd「TEAM ROCK」
エレクトロニカを取り入れた4th「THE WORLD IS MINE」
ジャズを取り入れた5th「アンテナ」
UKサウンドを取り入れた6th「NIKKI」
そして、ひとつの到達点に達したオーケストラを取り入れたクラシックサウンド的なアプローチの7th「ワルツを踊れ Tanz Walzer」などその後もソングライティングに軸足を置いたり、多国籍サウンドを取り入れたりと常に新たな一面を見せて進化し、音楽ファンを魅了してきた「くるり」は成長企業の法則的な見方ができるんじゃないかなーと思いました。
岸田さんの音楽観については、最近のインタビューでも読めるのでぜひ。
リラックマとカオルさんのサウンドを岸田さんが担当していたりと幅広く活躍されています。
くるりの好きな曲はブレーメンです。ワルツを踊れは名盤です。
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