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「意志を持つ」。その意味を理解できたときのこと。

「〇〇は今後どうしていきたい?〇〇の意志を聞かせて。」

社会人4年目の頃、当時の上司にキャリア面談を通して言われた言葉。今は別の部署になってしまったが、社会人2年目の頃から約3年間、ずっとお世話になった私の基盤を作って下さった方だ。そんな上司からこんな言葉をかけられた。

その上司の言葉にいつも感銘を受けていた私は、どんなときでも素直に上司の言葉を受け止めてきた。細く色々と教えるというよりも、大きな道筋のような、道しるべ的なものを示し、あとは自分で考えてねという、私に考える余白を残してくれる、そんな素敵な上司だった。

だから初めて、その上司の言葉をどう頑張っても受け入れられないという出来事が生じたとき、私はとても悩んだ。悩んだというとネガティブに聞こえるので、その答えを模索したという方がいいかもしれない。

「〇〇ももう4年目になって、そろそろ次のステップというか、今後どうしていきたいと思っている?何がやりたい?」

「これがやりたい!というものはあまりなく、都度、組織の中で足りないというところを埋められるような、そんなマルチなプレイヤーになりたいです!」

「んー、それはすごい助かるけど、そうじゃなくて、〇〇が何をやりたいと思っているのか、〇〇の意志を聞きたいなー。」

私は会社という組織に属している以上、自分が「これをやりたい!」と自分の意志を持つことが大事なのか?必要なのか?と思っていた。もし自分が意志を持ったとき、それがそのときの組織で必要のないもの(重要度の低いもの)だったら、そんな意志は邪魔になるのではないかと思っていた。会社の進む方向に合わせて、自分が何をやるべきかは決まるものと思っていた。

でも、それは違っていたというか、それと同じくらい「自分の意志を持つ」ことがどれほど大事なことか、しばらくして気が付いた。

意志を持つと、生じる「責任感」が全然違う

結構長い間、上司の言葉に全然答えが出せなかった。というか、正直に書くと、出そうとしていなかったという方が正しい。どう考えてもその重要性が分からなかったし、社員全員が自分の意志を持って好きなことだけをやってたら会社は回らないとかそんなことを思っていた。

そんなこんなで半年以上、答えを出せないまま、でも心のどこかで「やりたいことかー。自分の意志かー。」と考えたりする日々が続いていたが、以前、別記事に書かせてもらったような「組織成果の最大化」が私はやりたいことだとなんとなく見えたときがあった。そして、それはマネージャーかもねと上司に教えてもらった。

マネージャーという役割に、最初は自信がなさすぎたし、大変だし、分からないことばっかりだし、爆発するくらい泣いたこともあったが(笑)、それ以上にワクワクしている自分がいた。チームで目標に向かって走るとか、メンバーの活躍が表彰されるとか、マネージャーになって嬉しいことも楽しいことも何倍にも膨らんだ。ゼロから立ち上げてきたチームだったこともあり、個人的にもチームに対する想いはどんどん強まっていった。

そんな矢先、私に一つ選択しなければならないことが生じた。詳細は控えるとして、私は考えに考えた末、チームマネージャーを続けるという選択をした。簡単に出した答えではないからこそ、「今のチームマネージャーを続ける、続けたい」という決断には、並々ならぬ強い意志があった。

だからだろうか。

そのときを境に、それまでももちろん責任感を持って取り組んでいたが、その責任感の高さが格段に変わった、と自分では思う。「自分がやると言ったから。言ったからには絶対このチームで成果を出す!出さねばならん!」とずっと思っていた。「あのとき、○○にチームマネージャーを続けてもらっていて良かった」と思ってもらえるように、そのためには「圧倒的な成果」が必要だとがむしゃらだった。あのときの「強い意志で出した決断」が、より一層、チーム成果にこだわる自分に変えてくれたと思う。

受け身の自分からの脱却、能動的な方が面白い

当時の上司に言われた、「○○の意志を聞かせて」という言葉。今ならすごくよく分かるというか、その重要性というか、上司が何を思っていたのかが汲み取れるような気がする。「組織の足りない穴を埋められるマルチなプレイヤーになりたい」という中に、能動的なものは何もない。もっと自主的に、会社や組織のことを考え、自分なりに必要だと思うものを見つけて、宣言して実行すること、そして、言ったからにはやる!という高い責任感を持つこと。そんな姿勢が自分には必要だったし、そんな社会人になってほしいと思ってくださっていたのかもしれないと、やっと気が付くことができた。当時の上司に答え合わせをしたわけではないので、合ってるかわからないけれど(笑)意志を持つことがすごく大切なことだと、今ならよく分かる。

言われたからやるではなく、自ら選択して、決断して、切り開いていけるような人になりたい。そしてもし、何に意志を持って取り組んでいきたいかがまだ見えなかったとしても、今できる様々な経験を重ねておくことで、未来、「様々な選択肢を持てる自分」になることができ、未来の自分のためになると思う。