マガジンのカバー画像

(インドネシアで)喫茶店をつくる話

9
「いつか喫茶店つくる!」と言い続けていたら、何故かインドネシアでカフェをつくることになった人間の現在進行形実録篇。
運営しているクリエイター

記事一覧

カプチーノで乾杯する送別会(インドネシアカフェ文化)

カプチーノで乾杯する送別会(インドネシアカフェ文化)

最近、元職場の同期と「飲食店を出すならどんな店がいいか」について議論をすることが多々ある。

その議論は往々にして着地点を見定められぬまま終わるのだが、会話の流れで、インドネシアのカフェ文化は日本のそれとどう異なるのか尋ねられた。

忘れがちだが、インドネシアでカフェ立ち上げをやっていた身。
当時の記憶を掘り起こしてみた。

インドネシアというと「東南アジアの途上国」くらいの認識しかない方が殆どだ

もっとみる
tera年表2018[転職~インドネシアへ]

tera年表2018[転職~インドネシアへ]

今年は本当に色んなことがあって…という2018公開振り返りのnoteを書こうと思って、やめた。

一通り書いて、気に入らなくて全消しして、というのを何回かやって、人様向けに書こうとすると、ちょっと格好つけて書いてしまうことに気が付いた。
今年はこういう目標で初めて、こんな大変なことがあって、でも楽しいこともあって、来年も頑張ります。みたいな。

だけれど、そんな格好つけても仕方ないし、そもそも格好

もっとみる
移住して変わった接客の話

移住して変わった接客の話

インドネシアで店頭に立つようになって半年。
ありがたいことに何度もご来店してくださるお客様も増えた。

そのなかには、日本人のお客様も結構いらっしゃる。
インドネシアとはいえ、在住の日本人の方も決して少なくない。

そんな日本人のお客様とのファーストコンタクトはいつも決まっている。

私「いらっしゃいませ!こんにちは!」
お客様「わっ、日本語上手ですね…あれ?日本人の方?」

ほぼ、9割方このやり

もっとみる
日本の味を探して分かってしまったこと

日本の味を探して分かってしまったこと

「うん!やっぱこれが日本の味だよね!」
そう思える料理はなんだろう?
肉じゃが?味噌汁?ラーメンも日本独自の味かもしれない。

では、「日本の味!」と思えるカフェのメニューって、なんだろう?
コーヒー?カフェラテ?それとも…

飲食店の宿命だが、同じメニューはずっと使えない。
一定期間で新しいメニューを用意しなければならない。
さもなくば、お客様に新鮮な感動をお届けすることができない。
そうでなく

もっとみる
飲食店の「当たり前」 〜インドネシアの場合〜

飲食店の「当たり前」 〜インドネシアの場合〜

こっちのスーパーで弁当を買うとき、あるいはレストランで食事をするとき、大抵使っている肉の種類が明記されている。
鶏・豚・牛。
多民族国家インドネシア。多様な民族が集まるということはつまり宗教も多様ということ。
そしてそれはつまり、食に関しても多様ということだ。

空港で買ったシュークリームに、見慣れないマーク。
日本でも知名度が上がってきたけれど、「ハラル認証」というやつだ。
イスラム教を信仰

もっとみる
コーヒーと牛乳の深淵なる世界

コーヒーと牛乳の深淵なる世界

貴方がカフェに行ったら、何を注文するだろうか?

カフェラテを注文する、という方、多いのではないだろうか。

いつもカプチーノを注文するという方もいらっしゃるだろうか。

ところで、アイスカプチーノを注文するという方は、どれくらいいらっしゃるだろうか。

インドネシアには、結構いらっしゃる。

日本で勤めていたときの肌感覚では、カフェラテをご注文のお客様が5名いらしたら、カプチーノをご注文されるお

もっとみる
インドネシアカフェ事情(さわりの部分)

インドネシアカフェ事情(さわりの部分)

インドネシアではちょっとしたカフェブームが起こっているらしい。

国内産業の振興政策の影響らしいけれど、確かに、ちょっと歩けばカフェ、モールのなかにもカフェ、カフェ巡りの場所は尽きない。

もちろん、そのブームに乗っかっている訳だけれども。
さて、そのカフェもいくつかの種類に分けられる。

1, 外国から来たカフェつまりスターバックスのようなカフェのことだが、外国のスタイルをそのまま持ってきて成功

もっとみる
言葉が「通じる」けれど言葉が「伝わらない」問題

言葉が「通じる」けれど言葉が「伝わらない」問題

海外で働くと言うと、真っ先に聞かれるのは「言葉は大丈夫なの?」ということ。

いや、全然大丈夫じゃない。

『言葉+指差し』を繰り返してみるよく「こんにちは」と「ありがとう」が言えればなんとかなるとは言われるけど、仕事となると当然そうはいかない。

ただ、「こんにちは」と「ありがとう」だけでは足りないけれど、もう少しだけ言葉を用意しておくことで、なんとか、なんとかカフェの仕事はできている。

例え

もっとみる
(インドネシアで)喫茶店をつくる話その1

(インドネシアで)喫茶店をつくる話その1

私は今、インドネシアにいる。

カフェをつくっている。

去年の今頃の私にこんなことを言ったら、一体なんて言うだろうか。

学生時代から「いつか喫茶店やる!」と言い続けていら、縁あって、インドネシアでカフェの新規1号店をつくる仕事に誘われた。

それが昨年末のこと。

今まで海外へ旅行したことはあっても、言葉は日本語しか話せない。ましてや長期滞在の経験もない。

悩んだ。いろんな人に相談したり

もっとみる