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エッセイ:そうだ、本屋に行こう!

 疲れている。先週、仕事が忙しかった。忙しさのピークは過ぎたし、いちばん気がかりだったことは終わったし、今週からは少しマシになったのだが。なんだか気が重い。
 たぶん、「仕事めっちゃ嫌」のシーズンに入ったのだろう。
 定期的に「仕事やめたい」「転職したい」と思うのだが、なかなか足を踏み出せずにいる。とりあえず何か資格を取ろうと買ったものの、ほとんど開いていないテキストを思い出す。またトライしてみるか、と思うが、続かないに一票。

 しかし、明日も明後日も仕事はあるわけで。嫌な気持ちはあるものの、少しは切り替えなくてはいけない。
 どうするかなぁ、と考えていると、ふと財布のなかの図書カードを思い出した。少し前に誰かからもらったものだ。確か3000円ぶん。まだ全然使っていない。

 そうだ、本屋に行こう!

 決めてからの私は早かった。
 出来る限りの最速で仕事を終え、職場を出る。寒いし風も強いし、傘を持っていないのに小雨まで降っている。小走りで駅ビルの本屋に向かった。
 エスカレーターに乗って、本屋に直行!…といきたいところだが、ボールペンのインクを切らしていたことを思い出し、先にそちらを買うことに。
 黒、緑のインクと赤ペン、というちまちました買い物。「袋ください」なんて言っていないのに、店員さんはささっと小さな紙袋にまとめてくれた。疲れている時、こういう優しさが身に染みる。

 そして、ようやく本屋へ。
 久しぶりの本屋。
 そういえば最近、本屋に行っていないだけでなく読書もあまりしていない。本棚のまだ読んでいない本たちを思い浮かべた。今度、ゆっくり読書タイムをとろう。家でコーヒーか紅茶をいれて読むのも良いし、カフェや喫茶店に行ってみるのも良いな。
 うん、そんなことを考えると、少しは元気が出てくる。

 ふらふらと本たちの間を歩いたり、立ち止まったり。ぼんやり本を見ていると、遠くでクリスマスソングが聴こえるような気がする。
 駅ビルはどこもかしこもクリスマスモードだった。でも、この本屋は別。いつも通りだ(もしかしたら本屋もクリスマスモードで、私が気付いていないだけだったという可能性もあるが)。

 読みたいと思う本がいくつかあったが、決めきれなかった。
 今日は何も買わずに本屋を出る。
 で、本屋を出たあとに思い出す。そうだ、俳句の本を見てみたいと思っていたんだ。しかし、時間も時間だったのでそれはまた次回。
 俳句や、川柳や、短歌には昔から興味があった。noteを始めてからは、たくさんの方の作品を見る機会が増えて、今まで以上に興味がわいてきた。詠めたらかっこいいだろうけど、中学校の国語で俳句をつくって以来だから、なかなか言葉が出てこない。少しずつ勉強していこう。

 そんなこんなで、気分転換は終わり。
 相変わらずネガティブモードではあるが、多少は元気になった気がする。

 3000円の図書カード、どう使おうかな、なんて考えながら。


   マフラーを 手にかけ覗く 本の群れ

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