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デザイン組織を共創する【前編】〜 「ここから決めていく」というスタンスで

Overview
セカンドファクトリーのクライアントワークの実際を探る『顧客対談シリーズ』。第2回の前編です。セカンドファクトリー(以下、2FC)では、2019年から「モチベーションクラウド」(※注1)をはじめとした、組織改善クラウドの開発・提供を行う株式会社リンクアンドモチベーション(以下、L&M)様を支援しています。
今回は、UX/UIデザイナーとして、共にデザインチームで働く杉江美祥さんにお話をお聞きしました。

2FCの東海・鈴木が、デザインチームでの活動を振り返りながら、立ち上げ期のポイントを振り返ります。

デザインチームのはじまり


鈴木 (2FC):
前任のデザイン会社さんから引き継ぐ形で、私たち(東海・鈴木)が開発チームにジョインしたのは2019年の8月のこと。当時、モチベーションクラウド(以下、MC)のデザイナーは私たち2人だけでした。その後、ミサチさんはいつジョインされたんでしたっけ?

ミサチさん (L&M):
開発チームにジョインしたのは、2019年の10月でした。当時を振り返ると、2FCさんもジョインされてまだ2ヶ月といったタイミングだったんですね。

東海 (2FC):
8月頃は私たちもまだ、ドメイン理解やデザイン業務の引き継ぎがメインでした。そんな中で、L&Mさん側でも並行してインハウスのデザイナーを育てていこうという流れになって。ミサチさんが社員としては初めて、デザイナーとしてジョインされたんですよね。
こうしたチームとしての拡大をきっかけに、デザイン制作環境の整備をはじめました。

デザインツールなど制作環境や、デザインプロセス・ガイドラインを再検討し、開発チームの全体会議でも提案しながら進めていました。ガイドラインがある程度整備できた状況でミサチさんがジョインされたので、「ここ見ておけば大丈夫」という状況で迎えられたかなと記憶しています。

未経験者デザイナーのジョイン


鈴木:
ミサチさん的に、ジョインする時にはどんな気持ちでした?

ミサチさん (L&M):
デザイナー未経験での職種転換(※注2)だったので最初は右も左もわからなくて。飛び交う単語もわからないので、違う国に来たみたいに感じていました。「モーダルってなんですか?」とか。(笑)

開発チームにジョインした最初の業務は、ガイドラインの編集だったことを覚えています。今思えば一番難しい「ルールの整備をする側」をしていたんだなと。全体像やルールを知った上で実際の開発プロジェクトに入れたので、良い経験でした。

東海:
僕も良い面はあったなと思っています。ミサチさんがジョインした頃に、「デザインチーム」として組織つくっていきたいよねという目標を掲げ始めていて。MCだけではない他プロダクトのデザイナーとも相談しつつ、デザイン組織をスケールしていくところだったので、最初にガイドラインから入って全体俯瞰できたのはちょうど良かったなと。でも、いきなりデザインガイドラインは大変よね(笑)

ミサチさん (L&M):
ガイドラインから入ってもなんとか進められたのは、お二人のスタンスのお陰だなと思っています。編集する中で、「これってなんでこのデザインで実装されているんですか?」と質問しても、「いや、前のデザイン会社さんがつくったので、知らないです…。」というのが無かったんですよね。常に自分ごとで捉えて、一緒に「ここから決めていく」という前提でやっていただけたのがありがたかったですね。そこがないと、正直しんどかったと思います。

東海:
私たちがジョインさせていただく際の期待値に「デザイン組織のスケール」もあったので、そのあたりにアンテナを張れていたのもよかったですね。

お互いの第一印象・チームの雰囲気


鈴木:
ミサチさんって組織コンサルタントからデザイナーにジョブチェンジされている(※注2)じゃないですか。いきなりデザイナーと一緒に働くということで、身構えた感じはなかったですか?

ミサチさん (L&M):
最初はちょっと身構えていましたね。センスある人が、オシャレなものを作っているという、一般的なデザイナーに対するイメージですね。これまではスーツが前提の職場だったのですが、東海さんはチョンマゲだし、鈴木さんはニット帽かぶってるし(※注3)…(笑)

鈴木:
その割には、3人で取り組み始めると意外にスムーズだったなと。やりとりを通して、ミサチさんは最初からデザイナーだったなと感じています。

ミサチさん (L&M):
ありがたいですね。実際に取り組んでみると、「デザイナーの仕事ってコンサルタントの仕事と本質は同じで、顧客の課題解決だな」と感じました。最初はもちろん手探りでしたが。

東海:
あまり違和感がなかったのは、おそらくミサチさんがそもそも意味性を考えるのが好きなタイプだったから。最初から所謂UXデザイナーっぽかったですね。

鈴木:
最初「手を動かす」というところだけが少しひっかかっていた印象。そのあたりは、実際に手を動かして触っていかないと厳しいところなんだけど、(苦手意識を持たず)率先して触っていたからスゴイなと感じました。

既存事業からデザイナーが来るということ


ミサチさん (L&M):
逆に同じような質問を返してみたいと思ったんですが、既存事業(コンサル側)から、未経験のメンバーが来るってどういう気持ちだったんですか?

東海:
僕はフラットでしたね。私たちもコンサル的な側面があるので「全然違和感なかったな」というのが印象でした。その後、ミサチさんにもった印象としては「何この人めっちゃ成長早い!?」という(笑)。

鈴木:
たしかにその話もしてましたよね。「何、この成長スピード」という〜(笑)。
思ったのが、デザイナーって僕も含めて全員が美大を出ているわけじゃないですし、いまや「ビジュアル化」だけをする役割でもない。そういう意味では「課題解決の意識」をもともと持っていた方がジョインされたというのは、やっぱり「違和感のなさ」につながっているのかなと。

ミサチさん (L&M):
私も「大事にしたいことって一緒なんだな」と感じていました。顧客の課題解決なのか、ユーザーの課題解決なのか、見える対象が少し違うだけで、気にするポイントというか、本質的に課題を解決するには〜、というのを考えているのが本来のデザイナーなんだなと。観点は色々あるけど、コンサルもデザイナーも芯に持っているものは一緒なんだとわかって、デザイナーという仕事は面白いと思いました。

東海:
アプローチが違うけど、セールスとかカスタマーサポートとか、もちろんコンサルもそうですけど、やろうとしている目的自体が一緒というのはありますね。

UIデザインスキルアップのための取り組み


東海:
先ほどの「成長」について深掘りたいのですが、UIデザインのスキルアップという面で何か意識的にやっていたり、ポイントだなと思ったことってありますか?

ミサチさん (L&M):
ある程度のタイミングで、自分の中で「こうしたら良さそう」というのが型化された感触がありましたね。ゼロから新しいものをつくるのではなく、まずは既にあるユーザーの期待値を前提とすることなど。課題の定義はゼロからやりつつも、打ち手の検討に関しては他社事例を調べるなど、所謂発散と収束のサイクルを回して行きました。でも、何がポイントだったのかな…。

東海:
先ほども話していましたけど、ミサチさんが「目的思考だった」というのも結構助けになったんじゃないかなと思います。例えば(表現としての)デザイン思考性が強い人が、目的思考で考えるのってなかなかハードルが高いという印象もあるけど、その逆って乗り入れやすいのかもしれない。

ミサチさん (L&M):
確かに、アートとしての自己表現ではなく課題解決という視点で顧客を一番に考えることは一貫して心がけていましたね。
反面、「パターンを外す」「ワクワク感」とか、面白いことしてやろう!というところはまだまだ課題だなと感じています。(笑)


後編「デザイン組織を共創する【後編】 〜さらなるビジネスの加速を支えるために」へ

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注2

ミサチさんは、元々L&Mさんの組織コンサルタントからデザイナーへジョブチェンジをされた。自社サービスのモチベーションクラウドの根幹となる、顧客へ提供する情報やノウハウなどのコンテンツの在り方、コンサルの現場の現実や業務をも知り尽くしているデザイナーとして、通常のデザイナーにはなかなかハードルの高い、貴重で最強な存在。

注3
当時、東海はサイドとバックをかなり上の方まで刈り上げて、長く残した髪を縛ってまとめていた。鈴木は外出する時には常にニット帽を被っていた。


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