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青海三丁目 地先の肖像

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東京にある広大な埋立地・最終処分場となっている青海三丁目地先。「青海三丁目 地先の肖像」と題したアートプロジェクトを製作していく過程で書かれた、青海三丁目 地先へと宛てた/を経由… もっと読む
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青海三丁目 地先の肖像「2022年、動き続ける」

青海三丁目 地先の肖像「2022年、動き続ける」

2022.10.04 | 葛

2021年の年末に、初めて知り合ったアーティストたちと夕方から夜にかけての埋立地を巡った。東京ビエンナーレの後、久しぶりに訪れた中央防波堤の夕暮れは美しく、風は思ったよりも優しかった。

それから数ヶ月経った5月下旬、彼らの計画は藤倉麻子さんが主催する物流型展覧会「手前の崖のバンプール」として実現し、私も観覧してきた。Aokidさんが水上タクシーの上で港湾と海の動き

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青海三丁目 地先の肖像「それぞれの記憶」

青海三丁目 地先の肖像「それぞれの記憶」

2021.07.06 | 森藤

「オランダを思い出す」
平たい土地と、コンテナと、広い道路が広がる外側埋立地で、その人は言った。
その風景がどことなく似ているのだと言う。

まだ都市的マテリアル、ランドマーク、そういったものが少ないこの場所で、コンテナヤードと平たい土地がもうすでに意識の中でどこかに接続する風景であることにはっとした。
私はオランダには訪れたことはないが、埋立地として発展し、大き

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青海三丁目 地先の肖像「2020年、春」

青海三丁目 地先の肖像「2020年、春」

2020.03.24 | 葛

私たちは「自粛期間」の真っ只中にあった。

東京に閉じ込められ、五輪とそれにまつわる様々な変動に揺さぶられていた。プロジェクトを揺り起こすために、とにかく青海三丁目地先に行こうと考えた。私にとっては初めての、森藤にとっては2度目の探訪。刻一刻と変貌する場所なので、定期的に行く必要があるとも、感じていた。

大井町から湾岸地区へと向かうバスには、フジテレビに出勤する人

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青海三丁目 地先の肖像「着陸」

青海三丁目 地先の肖像「着陸」

2019.09.17 | 森藤

人もまばらな都営バスに揺られ、トンネルをくぐる。そこはまだ見ぬ姿の土地があった。

暑い、夏の日だった。
その日は豊洲の影のない野外でジリジリと日に焼かれながら現場でコンクリートを荒々しく削り、形成を見守っていた。午前中に大方の形状が仕上がり、表面の仕上げをする前に、乾燥待ちのその合間を縫ってかの地に赴くことにした。そう、「青海三丁目地先」である。

「青海三丁目

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