くみとるちから
現代の人が
いや現代的な人が
人が涙を流しているのを見て
その理由を的確に理解できなくなっている
その心情をくみ取ることが下手になっている
それは事実だろうと思う
しかしそういったことが
劇場で起きてはならない
俳優の涙の理由を
観客にくみとり損なわせてはならない
そう言いたい
あくまで理想として
そう言いたい
ところが我々にも限界がある
全ての観客を
連れて行きたい場所へ
連れて行けない可能性は十分にある
それは観る側に
ある程度の感受性を期待しなければ
演劇と呼ばれる芸術は成り立たないし
進行もしないからだ
だからといって
やってはいけないことがある
創る側と演じる側が
観客の感受性を必要としない演出を施すことだ
これが行われている場所を
わたしは劇場と呼ぶことはできない
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